金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

翻訳ストレッチ

それは国語力ではなく、英語力の問題

英文解釈の勉強*をしている時でも、あるいは「写経」をしている時でも自分では決して書けない訳語(訳文)に逢うと「どうして自分はこう書けなかったんだろう?」と自分の国語力の不足を嘆いたものだが、数年ほど前から「自分はどうしてこの訳文のように英…

写経(原文と訳文の書き写し)のやり方と、最近の気づき

毎朝10分、写経をしている。僕は村井章子さんを最も尊敬しているので彼女の訳書を2冊、その原著とともに毎日交互に書き写しています。なるべく大きめの大学ノートを見開きで使い、1行目に原文、2行目にに日本語を書き写すという・・・という単純な方式だ。…

翻訳ストレッチは、毎朝の「軌道修正」

毎朝仕事前に1時間近く翻訳ストレッチをしていて思うのは、しっかりとした本を使った勉強(今は紙とペンを用いた英文解釈と自己添削、英文の暗記が中心)と「写経」は、毎日ともすれば曲がりそうになる自分を正常な軌道に戻してくれる効果があるということ…

松本道弘さんがエコノミスト誌を持っていた理由

過去のブログを見ると2018年だから、故松本道弘さんのセミナーに参加したのは亡くなる6年前だったことになる。会場は大手書店のセミナー会場で、当時松本さんが出版された書籍のプロモーションを兼ねていたのだと思う。 いよいよ80歳になろうとしていた松本…

だんだん本気になってきたNHKラジオ英会話(最初は「耳慣らし」のつもりだったのですが・・・)

一昨年11月にオンライン英会話を始めて2週間後ぐらからだったかな。オールイングリッシュとは言っても講師がフィリピン人の先生なので、オンライン英会話の前に「耳慣らし」としてNHK英会話も聴き始めたのだが、時間が経つうちに付き合い方も少しずつか会っ…

重い『ケインズ』(写経は大変)

村井章子さん訳のケインズの伝記『ジョン・メイナード・ケインズ 1883-1946(上)(下)経済学者、思想家、ステーツマン』の原著、John Maynard Keynes 1883-1946: Economist, Philosopher, Statesmanの原文と訳文の手書き写し(「写経」に取り組み始めて1カ…

『ジョン・メイナード・ケインズ 1883-1946』の"写経”を始める。

『ジョン・メイナード・ケインズ 1883-1946(上)経済学者、思想家、ステーツマン』ロバート・スキデルスキー (著), 村井章子 (翻訳)(日経BP 日本経済新聞出版) の原著と訳書の手書き写し(いわゆる”写経”)を本日から始めました。 本は買ってあったのです…

朝の英語トレーニングの概要(2023年12月3日現在)

ほぼ固まった朝のトレーニングの概要 (1)70~80ワード(4~5行)の英文を即興でつくる。内容は昨日の行動または印象に残ったこと。 (2)ChatGPTに修正させる。修正だけでなく、どこをなぜなおしたかまで指摘してくれる。 (3)ワードのコピーして元の…

ChatGPT and Contemporary Translation(as of October 23rd, 2023)

Chat-GPT-4 is a cutting-edge AI tool that has become essential for English learners, especially for Japanese individuals aiming to overcome their linguistic barriers. It assists users in understanding English at a native level when transla…

In Studying, Record 'The Next Step' Rather Than 'The Outcome

In the realm of studying, a more effective approach to tracking progress is not merely noting "Today, I completed this portion of the textbook or workbook," but rather specifying, "Next, I intend to tackle this particular topic in such a m…

勉強は「結果」ではなく「次のステップ」を記録する

勉強の記録は、「今日はこの参考書/問題集をここまでやりました」ではなく「次はこれにこう取り組む」という残し方の方が次につながる。 もう15年以上、毎日30~90分続けてきた翻訳ストレッチ(英語の基礎勉強)を踏まえての教訓だ。勉強している最中に思い…

NHK基礎英語は「1」の方が「2」よりもずーーーーっとレベルが高いというお話(2023年4月13日)

昨年「基礎英語1」からまじめに勉強し始め、この4月から「2」に移った家人が、「基礎英語1」と「基礎英語2」の(特に副読教材の)あまりのレベル差に驚愕している。「基礎英語1」の方が圧倒的に難しい(高校レベル)のだ。 実は特に副読教材のレベルが高…

翻訳ストレッチ内訳(2023年3月末時点)

翻訳ストレッチを始めて15年ぐらいになるでしょうか。試行錯誤を重ねながら内容も少しずつ変わってきていますが、この半年ほどは、ほぼ以下の内容で固まっています。 (1)毎日:比較的短い英文解釈:次の4冊から2冊ずつ(15分×2) 佐々木高政著『英文解釈…

翻訳ストレッチを続けている理由/The Reason I Continue 'Translation Stretch"(December 17, 2022)

昨日、お世話になっているQ社の忘年会に出席したところ、お向かいに座った社長のAさんが僕を別の方にご紹介いただいた中で、「鈴木さん、翻訳ストレッチの努力をずっと続けられて・・・」とお褒めの言葉をいただいた。その話をお聞きしながら、僕が続けてい…

TOEFLは面白い

TOEFL(リーディング)はとても良い。36年前はただただ高得点を狙うための対象だったので気づかなかったが、今改めて問題文を読むと、米国で高等教育を受けるための基礎(語彙や背景知識)を身につけているかどうかを慎重に図っている試験だということがよく…

翻訳ストレッチの内容変更

英文解釈のテキストについては、これまではあまり深く考えずに「場当たり的に」、自分に役立ちそうだなと思ったものを購入しては使っていましたが、今月からオンライン英会話を始めたのを機に翻訳ストレッチの内容を少し整理し、組み換えることにしました。 …

オンライン英会話無料体験レッスン体験記③ ビアノのレッスンに似ている

オンライン英会話の無料体験レッスンをこれまで5回(A校で2回、B校で3回)経験して実感するのは、ピアノのレッスンに似ているということだ。 レッスンだけでは上達しない。日頃の練習の成果を出し、先生から軌道修正の提案を受け、それに基づいて再び練習す…

オンライン英会話無料体験レッスン体験記②「自分の方ができるかも?」と思った瞬間

僕は英語の分かる相手に対して英語を話す機会を増やしたいと思ってオンライン英会話のレッスン取ろうとしている。だから、相手がネイティブでなくてもよいと思っていたのだけれど、今日のレッスンの最中に一瞬、「もしかしたらこの先生よりも僕の方が英語が…

オンライン英会話無料体験レッスン体験記(受けながらの感想です)

この2週間で、A校(無料体験2回)、B校(無料体験10日。その後初月の授業料は1000円)の体験レッスンを受けての感想を書いておく。随時更新していく。 現状:オンライン英会話の無料体験、2校目B校の2日目が終わり、本日(2022年11月2日)3回目のレッスンと…

『英語難構文のトリセツ』。第一印象は相当いい(20ページまで読んだ最初の印象)

この本、最初の20ページに取り組んだだけだが(所要時間40分ぐらい?)、相当いい。 ただし、使い方を間違えると宝の持ち腐れになると思う。 クイズ形式なので、「この問題に正解した、しなかった」で終わってしまいかねない、そういう建て付けの本なのだ。 …

「複数形」とは「複数」でなく「総称」(翻訳ストレッチの教材から)

興味深い視点を見つけたのでメモとして。 (以下引用)……a countryの複数は何であろうか。ここでcountriesと答えてはいけない。それ(鈴木注:単なる複数形)では「国というもの」(鈴木注:総称)という意味になってしまう。some countriesと答えてほしい。…

『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』は良書。ただし初心者向きにあらず(2022年4月。読み終わり)

1.2022年1月8日以下は、昨日ふと思い立って書いたツイッターへの投稿である。ちょうど半分ぐらい読み進めたところなので、今段階の感想を書いた(一部加筆修正しています)。 (ここから)『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』は、英語の上級者(準1…

「『日本人の英語力を放置できない』TOEICの価値は? "不要派"茂木健一郎が吠える」のビデオを見て

モリテツさんは、TOEICの専門家として、まず「そもそもTOEIC800点って、どの程度の学力の人が、どの程度の時間をかければ取れるものなのか?」という点を解説すべきだったと思う。すると、800点を入社条件にすることが全然たいしたことないこと、TOEIC至上主…

『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』は初心者向きにあらず(2022年1月。読み始め)

以下は、今朝ふと思い立って書いたツイッターへの投稿である。ちょうど半分ぐらい読み進めたところなので、今段階の感想を書いた(一部加筆修正しています)。 (ここから)『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』は、英語の上級者(準1級程度)が中学レ…

訳文を暗記する②(使える表現と、使いづらい表現)

翻訳書の中から「参考になりそうだな」と思った訳文を、原文と一緒にメモして残している翻訳者の皆さんは多いと思う。 その作業自体には意味がある。しかしそれをノートにして残しておいても、意外と役に立たないのではないか、というのが僕の実感である。 …

一冊を徹底的にやることが重要(翻訳ストレッチの教材から)

(引用文1)このぐらいの年齢の子どもたち(鈴木註:3歳児と4歳児)は、同じ絵本を難解も大人に読んで欲しがる。もういい加減で飽きているだろうと思っても、何度も同じ話を聞いて、一字一句を暗記し、保育士と一緒に声を出すようになる。そして毎回同じ場…

もはや生活の一部(2021年12月9日)

習慣にも2種類あるみたいです。「今日はお休みだ~!!!」と思うと、「しなくてよいので清々する」ものと、「しないと気持ち悪い」ものと。 今朝の翻訳ストレッチ:6:20~7:00の計40分「春秋・天声人語」『英文解釈教室』『英文標準問題精講』(英文解釈)…

『翻訳力錬成テキストブック』を読了

柴田耕太郎著『決定版 翻訳力錬成テキストブック: 英文を一点の曇りなく読み解く』(日外アソシエーツ)読了した。 2017年6月(23日)から。4~5日に1回。1回当たり10~20分かけて、4年半かかった。この本を最初から最後まで全部やりきった人はそうそういな…

翻訳ストレッチ内訳(2021年11月下旬時点)

1.英文解釈(毎日):計30分 大学受験用参考書を用いている。すべて紙に訳文を書いて模範解答を見て添削。5~10回音読。最近は、復習した翌日に改めて訳を書いて添削するよう努めている(従って進度は遅くなるが構わない)。 (1)毎日10分間取り組むテキ…

翻訳や外国語の学習における「繰り返し」の重要性(2021年11月)

最近、著名な翻訳家や学者による「英語の読み方」、「英語の学び方」に関する本が次々と出版されている。出版社は売れ筋のテーマの本を目先を変えて出版し続けるのが仕事だからそれは否定しない。たとえて言えば、かつての証券会社がさまざまな銘柄を繰り返…