金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2016-01-01から1年間の記事一覧

AI翻訳が日本語に及ぼす影響

AI翻訳が勢力を増すと、「情報さえ伝われば文体は関係ない」と言った乗りの、普通の日本語からは思いつかないような不自然な文章(や文字の組合せ)(しかし情報は取れる)が出回るようになるかも。

AI翻訳は翻訳者のどういう分野のどういう仕事を奪うのか?

語彙や言い回しに関するルール(含む文法)が事細かに決められており、ルールの汎用性が高く(地方やサブセクターでの方言が少ない)、ルールが変更される頻度が低く、主に情報伝達を目的とするメッセージ性の低い文章ほどAI翻訳に取って代わられやすいと思…

AI翻訳が勢力を増すと・・・(2016年12月当時の推測)

AI翻訳が勢力を増すと、「意味さえわかれば(情報さえ伝われば)文体は関係ない」と言った乗りの、普通の日本語からは思いつかないような不自然な文章(や文字の組合せ)(しかし意味はわかる)が出回るようになるかも。 (後記)実際には、自然な日本語に近…

「翻訳ストレッチセミナー」参加者の皆さんからいただいた感想(2016年5月)

午前中に参加者の皆様のアンケートをいただきました。何より嬉しかったのはアンケートにお答えいただいた方が36名(参加者50名+JTFスタッフの皆さん)と7割を超えていたことでした。 昨日はほぼ予定通り、前半お話し。15分の休憩後「翻訳ストレッチ体験コー…

作業時間の目安(2016年12月)

マンスリーレポートの一部を納品し終わったところ。 目覚ましは5時だったんですが、先ほど書いたように今朝は3時半起き。朝食30分と朝のルーティーンを除くとずっと翻訳に係りきりで10分前に納品。お客様との約束は10時だったから、3時30分起きが結果オーラ…

意外なツボ(2016年12月)

昨日朝7時にO社(ソースクライアント)からメール。「この原稿お願いします」。400ワード。 一昨日の夜に「明日来るかも」とのメッセージがあったので「別件があり、それを終えてからなので午前中が目処」と書いておいた。 7時30分頃から読み始める。比較的…

"One-Two-Three to a 'That's Great!' Diary" (From My Wife) (December 6, 2018)

My wife shares: 1. Every night before sleep, she reflects, "What good happened today?" aiming to identify three things. If something clearly joyful occurred, she cherishes it. If nothing obvious comes to mind, she reinterprets any event as…

僕が講師を辞めた理由(2016年12月4日)

昨日も1日中仕事の後、西葛西のロイヤルホストで打ち合わせ、その後地元のおでん屋で痛飲。 打合せの席でいろいろなお話しをしながら、(教えることを含め)他人の前で話をしようとする準備は、いろいろと頭の中が整理できて確かにプラスになるなあとあらた…

「1日1万歩に明らかな効果あり」(2016年12月)

7月15日に「『1日1万歩』の効果」という日記を書いた。 ある健康番組で、「1日8000歩で糖尿病完治。1万歩で生活習慣病等すべて完治。ただし20分のやや強めの歩きを入れなさい」というアドバイスを見せられて、5月5日から「1日8000歩」、6月1日から「1日1万歩…

電話外交受難の時代

昨日、「労働〇〇事務所の◆◆と申します。雇用主様いらっしゃいますか?」と電話が。「私ですが」「実は、このたび・・・の調査で」と始まったので、「あなたが、その〇〇事務所の人間だと証明できる方法がありますか?」「電話では、できません」「ではあな…

本文の訳だけで643時間(2016年11月)

昨年10月から始めて6月末の予定が4カ月と1日延びて本文校了。643時間ですよ、643時間。 本が出るまで一銭にもならず、出たからと言ってヒットするとは限らない(ヒットしない可能性の方が高い)643時間。しかもまだ終わっていない。キツかったー。かなり難解…

頼られると思うからこそ頑張れる(2016年10月)

某P社から昨日きたスケジュール確認メール「Aレポートに関しては、11月12日土曜日中に英語原稿が仕上がる予定です。予定では30ページほど担当して頂くことになると思います。一日A4で3ページ程度の感覚で、最終的には11月23日までに完了を目指しております。…

「瓢箪から駒、みたいな」(和英案件)(2016年10月16日)

自業自得と言いますか何と言いますか、金曜日に原稿も見ないで受けてしまった仕事のおかげで朝から晩まで仕事でした。その割に翻訳時間が長くないのは、睡眠時間を7時間にしているのと散歩を必ずいれているため。 実は金曜日には同じソースクライアントから…

逆茂木型の文 ー翻訳ストレッチの教材から(2016年10月)

(以下引用:ただし、適当に間引いています)5.2 文の構造 ― 逆茂木型の文最初に次の例文をご覧いただきたい。「・・・直流電気抵抗の消失をはじめとする特異な性質を示す超伝導状態は、いろいろな運動量をもって勝手な運動をしている伝導電子が、ある臨界温…

「柴田元幸先生の素晴らしさに打ちのめされる」(2016年10月)

柴田先生のセミナーに参加するのは3回目だが、過去2回は朗読会と対談で、「翻訳」そのものを扱った、お勉強に近いセミナーは初めてだった。最高でした。ノートは別に書いて公開するつもりなので、大ざっぱな印象をいくつか。 1. 金子靖先生は、ほぼ柴田先…

柴田元幸先生の講演会メモ(2016年10月)

(ご注意)僕が自分のために書いたメモです。僕が聞いたことのまとめですので、解釈に誤りがあった場合等の文章責任は僕にあります。 [翻訳全般に関すること] 翻訳は趣味。仕事と思ってやったことはない。幸い給料をもらえる身分だったので、いやなこと(大…

マッチ率で割引を要請してくる飜訳会社にどう対応するか

(以下は「マッチ率で割引を要請された場合、どう対処すればよいか?」というNさんからご質問に対する回答である)。 僕のTM(翻訳メモリ)の使い方はかなり少数派らしい、ということをまずお断りします。僕は自分の過去訳のパターンを見るためだけに使って…

『ブレイクアウト・ネーションズ:「これから来る国」はどこか? 』に対する単行本出版3年後の書評

3年前に単行本(原書はその1年以上前)、昨年文庫化した『ブレイクアウト・ネーションズ』に、その調査手法と執筆姿勢に焦点を当てた好意的な書評がアマゾンに載った。 書き手の方の了解を得ていないが、すでに定価の10分の1以下になってしまった書籍の書評…

パッチワーク翻訳の罪(2016年10月)

L社は担当者のP氏がヘッドハンティングでD社に移り、後任のS氏になってから、部分訳の割合が増えた。マンスリーレポートなので前月と同じ表現の箇所が3~4割。場合によっては8割の箇所もある。P氏の時にはそういう変更とは関係なく、「全部訳してください」…

「大企業病」に関する2題(2016年9月)

(大企業病:その1) 某上場企業との取引でのミニマムチャージを2万円(消費税別)としている。2年ぐらい前からそうしている。 2万1600円の先方の過払い(当社のもらいすぎ)の疑いを7月に見つけたのは相方。「お父さん、2万1600円多すぎのような気がする」…

「Q思考」を知ると、世界の見かたが完全に変わる!──話題の翻訳書、訳者が語る! 第4回『Q思考』

(以下は、https://courrier.jp/news/archives/57035/からの転載です) 考えかたが変わる「たった3つの問い」 著者のウォーレン・バーガー氏はデザイン思考、イノベーションを得意とするジャーナリストです。ジャーナリストにとって最も大切な能力の1つが尋…

歯医者で聞いた話(2016年9月)

先週の金曜日に行き着けの歯医者さんから聞いた話。 「鈴木さん、歯を磨くとき、何回も何回もゆすいじゃ駄目ですよ」「は?」「せっかく残っている歯磨き粉のフッ素が落ちちゃうでしょ」「え、じゃ、先生、歯磨きの時はちょろちょろっとゆすいで終わり?」「…

非常識な電話

昨日午後に1本電話。 「鈴木さんでしょうか。私OO社のLLと申します。P社(ソースクライアント)のMさんから連絡するようにとのご指示でお電話いたしました」「そりゃどうも」 「つきましては、契約書の文言の変更の件で、御連絡したいことがあるのですが、鈴…

日英翻訳のPM業(2016年9月)

本日の午前中の前半は和英翻訳のPM業。4700文字。ネイティブ翻訳者から来た訳文案を1文ずつ検討して疑問点を挙げ、質問または対案を書いていく。必要に応じて顧客向けコメントも書き加えていく。 20カ所ぐらい検討項目(質問と私の対案)が上がり、質問ファ…

フリーランス金融翻訳者としてお互いに頑張っていくために!(2016年9月 日本翻訳者協会 セミナー案内)

概要:病気になって勤めていた会社を辞め、「せっかく休むのだから、翻訳者になってみよう!」と思って歩み始めた実務翻訳者の道。無我夢中で走り続けて、気がついたら14年たっていました。 私なぞまだまだ修行中の身です。英語力も、日本語力もお恥ずかしい…

講演における「良い質問」、「悪い質問」(2016年9月)

秋は講演会のシーズンです。 私は(今年を例外にすれば)もっぱら聞き手というか聴衆側にいることが圧倒的なわけですが、長年、聞き手として、あるいは質問者として数々の講演会や勉強会に参加して、経験的に次のようなスタイルの質問を「良い質問」「悪い質…

ケーズデンキの株式を購入する(2016年9月8日)

昨日は夕方まで仕事をし、片付けを終えたところにケーズデンキの配達員の配達員の方が来た。購入した複合機(電話/ファックス/コピー/スキャン)を配達・設置してくれたのだ。4年前に買ったブラザー製品の新型。今回は受話器(親子とも)にコードがついて…

「遠慮なく電話してください」(2016年9月)

ここ数カ月、お客様に「私にメールしてすぐに返事が来なかったら見逃している可能性があるので遠慮なく電話してくれ」とお願いしている(僕は基本的にすぐに返事できないものにも「メールを受け取りました」というメールを送ることにしているので)。今日も…

家電にはテプラ(2016年9月)

「お父さん、居間のエアコンが壊れた」「なぬ!」 夕方に突然止まったのだという。「クリーン」が着いているが切れない。あれこれボタンを動かして総ての点滅が消えたところでコンセントを抜いた。 「今年は多いよね~」「確かに」 今年に入ってからエアコン…

「編集者のコメントにホッとする」(『ティール組織』を訳し始めた頃)

昨日も1日中仕事。今日から実務が再び忙しくなるので、1日中遅れている本の翻訳。夜、その担当編集者からメール。 「素読みですので全体的な観点になりますが、さすが、とても素晴らしい文章で訳されていると感じました。事例が活き活きと読みやすく描かれて…