金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

重い『ケインズ』(写経は大変)

村井章子さん訳のケインズの伝記『ジョン・メイナード・ケインズ 1883-1946(上)(下)経済学者、思想家、ステーツマン』の原著、John Maynard Keynes 1883-1946: Economist, Philosopher, Statesmanの原文と訳文の手書き写し(「写経」に取り組み始めて1カ月強がたちました。
この原著Kindle版がないのでハードカバーを買いました(お値段は3189円。今は1万円近くするみたい)

1000ページを超える大著。まるで電話帳(と言っても最近の人は意味が分からないらしい)。訳書も上巻だけで600ページを超えているので、机の上に2冊を載せてノートを広げるのも一苦労。

しかしそうやって紙の分厚い本をかわるがわる見ながらノートに書き写していると、つい数十年前までの学者さんたちはみなこうやって「書き写していたんだなあ」とちょっとした感慨に浸れます。元一橋大学学長の阿部欣也先生も、ドイツ留学時代に毎日図書館に通って古文書を手書きで移していたそうです。その阿部先生が、「一橋の学生は生協にコピー機が入るようになってから学力が格段に落ちた」とおっしゃっていたと、どこかで新井紀子先生が書いていらっしゃいました。

僕はもう1冊『絶望を希望に変える経済学』の「写経」にも取り組んでいます。2020年の7月からほぼ毎日続けてきました。現在は2年半たったところで本文450ページの200ページまで来ました(こちらの原著はKndleを使っています)。先月にケインズを加えて、これまでの「毎日」から「1日おき」になりました。あ、昨年12月26日に同じ内容の記事を書いていることに今気が付きました。あれから1日おきに毎回10分。この1カ月強で進んだのはたった4ページ。

このペースだと、『絶望を希望に変える経済学』を終えるのにあと5年。ケインズの自伝は20年(と先日は書きましたが)、いや30年ぐらいかかるかも。

死ぬまでに終わるかしら。

tbest.hatenablog.com