2018-01-01から1年間の記事一覧
実務翻訳は色々な意味で、まずは「緊張」の要素が強いのだけれど、書籍翻訳は、緊張よりも「リラックス」が先にないとうまくいかない気がする。
先日講師に招かれたある勉強会の席で、「勉強会出席オタクになったらマズイ」と言ったら、受講者のほぼ全員が一斉にうなずいたのにはびっくりした。そういうことを意識しているのとしていないだけでも違うと思う。
1.毎晩、寝る前に「今日はどんないいことがあったかしら?」と考える。3つ思いつくようにする。素直にいいことがあればそれにする。みつからないなと思ったらどんなことでも「いいこと」にしてしまう。たとえば「今日失敗しちゃったな」と思ったら「あ~こ…
ウチの息子、昨日インターン先の先輩(学卒で就職、その後借金して留学)から「院卒なら成果物を見るけど、学卒ならポテンシャルだから、卒業して就職なら『何を学んできたか』を重視した方がいいよ」と言われて帰って来た。なるほど文系と理系は違うなと感…
翻訳とは「何も足さない、何も引かないこと」と言われてしまうと、すくんでしまう。 言いたいことは分かるけど。 せめて、 著者の見たまま聞いたまま言いたいことを母語にするときに「何を足すか、何を引くか」を考えて表現すること、と言いたいな。
ここ3日ほど、書籍中心の生活を送ってきた(要するに、実務翻訳が暇だったということです)。毎日5~6時間やっていて、なるほどこのペースなら3カ月で1冊は行けるかなと思いました。ただ勝手知ったる(調べ物は確認が多い。調べるポイントも分かっている)実…
根井 雅弘 著『英語原典で読む経済学史』(白水社)は面白い。 ①現代経済思想史の専門家が書いている。②大学受験英語で得たはずの知識や考え方を生かせないかという問題意識が根底にある。③訳す時の基本は、英米人の頭の中の流れに沿って、なるべく日本語と…
昨日のお昼過ぎ、編集後担当の英治出版の下田さんからご連絡があり、受賞を知った。 良い本だという確信はあったけれども、正直言ってここまで話題になるとは思っていなかった。訳している最中に、妻に「間違いなく素晴らしい本なんだけど、今回もたぶん売れ…
「鈴木さ~ン、勉強会とか講演会とか無理ですよね」「無理でーす。でけまへーん」「じゃ、飲み会は?飲み会だけでもどーかなー?」「え~、どうしよーかなー(と思わせぶり)」「費用こちらで持ちますから」「え~そうなの?(デレデレ)・・・じゃあ、僕、…
色々思うところがあり、ここ半年ぐらいでこれまで付き合いのあった翻訳会社との契約更新を次々と止め、あるいは連絡が来ても原則断るようにしている。 10年前のJTF講演会で「請求書の数が5社になったら新規開拓を!」と息巻いていた自分が別人のようである。…
参考書(広義に言えば勉強法本?)の善し悪しの評価に観点はいろいろあると思うが、全部やりきると明確に分かる(断言できる)ことが一つある。それは、「筆者(または編集者)が手抜きしているかどうか」だ。 「筆者または編集者が手を抜いた本」は悪口にな…
昨日は「「世界のティール実践者」との出会いをネタに対話を深めよう」という勉強会、というか対話会に参加した。『ティール組織』解説者の嘉村賢州さんをはじめ、この春から夏に実際に著者のラルー氏に会いに行ったりティール組織の国際会議に出席されたり…
出会った言葉: 校閲者が「日本語のプロ」「日本語の専門家」だと思っている人は、意外に多いようです。…… それは、違いますね。自分を専門家だ、日本語の知識は誰にも負けない、などと思っている校閲者は、はっきり言ってダメな校閲者です。己を疑わない校…
校閲者が自己主張を始めたら終わりだと思う。 最初の翻訳者をリスペクトし、その翻訳を生かす。自分はあくまで黒子であると肝に銘じ、なるべく元の翻訳に触らず、一定の質を保つために最低限必要な修正案を施す。 そして時間の余裕があれば、その修正案を翻…
以下はあくまでも好き嫌い、というか心理的な抵抗感の問題です。 最近翻訳関連の書籍を読んでいてひっかかるのは「処理する」という表現かな。「〇〇という表現の処理は難しい」とか「ここから先は処理に困る箇所はなさそうです」とか。 同じような意味で、…
昨日のお話の続き。21年前の当社の事件は「社長の犯罪」だったので僕らの部署は「ついで」だったからあの程度で済んだのかもしれないが、自分の職場が特捜部の捜索を受けた時の前後に関して思い出したことをいくつか。 ① 実に静かに始まって、静かに終わった…
今から二〇年以上前、当時自分のいた会社で幹部が逮捕され、いくつかの部署に東京地検特捜部が入り、代表取締役以上全員が退任という危機に遭遇した。 社長のやったことに腹を立てながらも会社を守るために一生懸命がんばりましたよ、その時は。書類もシュレ…
実務翻訳業界でよく読まれている某誌今月号で「チェッカーのトライアル」を特集していた。 その中にチェッカーの要件として「翻訳の経験もあれば云々」という記述があった。 私は毎月校閲の仕事をしており、この業務は翻訳経験がかなりあり、しかも現役で翻…
「こんなにぶ厚い本(『ティール組織』)どうやって訳したんすか?」 昨日の勉強会に来られたTさん(放送関係者)に献本するとこう尋ねられた。 「え~コツコツと訳しただけなんです」「・・・そうですよね~。コツコツ訳すしかないっすよねー」と感心された…
翻訳会社は翻訳者に発注する時に「自分だったらこの条件で受けるか?」を自問すべきだ。その上で、受けないとしたら「自分は受けないけれどこの人にさせる理由は何か?」を相手に説明し納得させられなければその条件で発注すべきではないと私は思う。それは…
つまらないお話です。 3日ぐらい前だったかな。トイレの床を拭き始めた時に「あれ、1日たった」と思ったんだよね。 翌日も、その翌日も、そして今日もトイレ掃除を始める時に「あ~、昨日のトイレ掃除から1日たったんだ。今オレは昨日と同じ事をしているなあ…
たぶんどこかで読んだのだと思うのだが、人が憧れる「幸せの形」はどの家庭でも結構似ているが、不幸や苦しみは家族や人によって違う。同じ人でも時間とともに変わる。だから「万引き家族」は、大勢では見に行けない、見た人それぞれが内省するのに適した映…
評価:★★★★★ とても心を動かされたし見に行って良かったと心から思います。 素晴らしい映画だったと思う。 しかしもう一度見たいかと言われると逡巡する。この映画には(少年の未来に対する希望的観測以外には)「救い」がないと思うからです。 自分はこの目…
独立した翌日の2002年9月2日からつけている「営業日誌」が51冊目に入りました。 初日にはこう書いてあります。 (ここから)本日買うものMDの機械ADSLの申し込みパソコン(?)秋葉原職務履歴書券面封筒履歴書用写真13時30分 Deodeo:パソコンの見積書送っ…
出会った言葉: ある日、伊藤先生の授業が始まった数分後、前の方の空席にすわっていた「もぐり」の生徒を、休憩から戻ってきたその席の正規の生徒がどかせようとしていました。眉をひそめてそれを見ていた伊藤先生は、そこでもぐりではなく、正規のほうの生…
(以下引用)本にサインを求められたときは、表紙を開けると左側にあらわれる見返し(表紙の裏に貼ってある紙の続き)に署名する。 見返しは本文とは別の紙で、この一枚を切り取っても綴(と)じには影響しないから、著者から為書きを添えて謹呈された本でも…
「鈴木さん、翻訳の添削やったら?」と、ある方からアドバイスされた。 毎月某社レポートの校閲(まとめ役)を担当している。 複数の翻訳者の方の誤訳やら訳抜け、数字間違い等を随時直していく(優秀な方々なのであまりありません)のだが、普通の校正とち…
ウチの家族の場合を振り返ってみると・・・ (1)(「行ってきまーす」に対する)「行ってらっしゃーい」「ただいまー」に対する)「おかえりなさーい」 とか、 (2)「ご飯よー」(妻から私)かな?では僕から妻は?:「いただきます」だろうか?いや、「…
以下は6月11日に行われた 『ティール組織』探究シリーズ「自主経営(セルフ・マネジメント)って何だ?」堀田聰子×柳澤大輔×嘉村賢州 | Peatix でなされた面白法人カヤックの代表取締役CEO柳澤 大輔さんのご発言のうち、私の心に刺さった言葉のメモである。…
おはようございます。 出会った言葉: 「基本的に、集団の中でいい恰好をしたい、目立ちたい、恥をかきたくない、どちらかといえば成果を独り占めしたいタイプは『ティール組織』には向いていないと思いますね」(面白法人カヤックの代表取締役CEO柳澤 大輔…