金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

コロナ「前」と「後」で変わったこと

「コロナウイルス騒動の前と今で、お父さんほど生活パターンが変わっていない人も珍しいんじゃない?」 「確かに、ちょっと買い物の回数が増えた以外は、起きる時間も寝る時間も仕事も休憩も何も変わってないな。でも俺の同業者は皆似たようなものだろう」 …

「『スラック』から考える失業率 (その3)」―働いていない人々をすべて含めて考える:リッチモンド連銀のHornstein-Kudlyak-Lange非雇用指数NEI

日本会議通訳者協会のマイク関根さん(先日『通訳というおしごと』(https://www.amazon.co.jp/dp/4757433972/ref=tmm_hrd_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=)を出されました)にそそのかされて(?)昨年春から、本業(金融翻訳)で出会いそうな、でも深く…

俺たちに移すな(子どもたちに伝えたこと)

「いいか、ここで誤解のないようにはっきり言っておく。 君たち(長男、次男)はもう大人だ。君たちが感染するかしないかは君たちの自己責任で対処してくれ。俺と母さんは君たちの心配はするが面倒は見られない。 そして何より俺たちに移すな。俺たちは若く…

2020年3月25日の映画館(記憶と記録のために)

昨日「109シネマズ木場」で映画を見たときの、映画館そのものに関する感想を(見たのは15時25分からの「三島由紀夫対全共闘」)。 1.チケットの予約の段階で、左右と前後が空いた席しか席が提供されていなかった。これが安心材料の一つになった。 2.劇場…

『英文解釈教室』、『思考訓練の場としての英文解釈(1)』、『英文解釈考』

実は、やさしいと思われている「働き」中心の単語こそ重要でむずかしいのであり、意味を中心とする単語をそれらが一定の約束に従って縫い合わせるところに文章の不動の意味が生まれるのである。(伊藤和夫著『英文解釈教室』「第3章that節」p36) 『英文解釈…

デマに惑わされないための一方法

「お父さん、これからあたしたちにできるベストの新型コロナウイルス対策わかったわよ」とその人は言った。「なんですか?」「インターネットを一切見ないこと」「なぬ!」「新しい情報を得るメリットよりも、信頼できない新しいデマで不安になるデメリット…

良い本がつくれれば売れなくても満足かー出版翻訳者のジレンマ

出会った言葉:私は売るために本を作っていない。一人でも多くの人に読んで欲しいという思いでつくっています。1万部よりも100万部の方が価値が高いという倒錯した価値観は間違っていると思います。(「時空を超えて言論を育む 藤原書店社主 藤原良雄さん(71…

心配する側、される側

「おかあさ~ん、今月末に予定されていたU先生(1945年生)の勉強会延期になりました。ほら、U先生もうお年だし」 「それはよかったじゃない」 「まあ、俺たちだけだったら大丈夫だったんだけど、先生はお年だからな~。コロナで心配だろ」 「お父さん・・・…

『新訂・英文解釈考』を学び始めて(2020年3月14日)

「そうした語学的「予測(anticipation)」能力と感性的「受信(reception)」能力を育てるという二つの目標の踏み石となりたい本書の中の文章はできるだけ濃(こく)のあるものにしようと、平凡なことを平凡にしか言っていないものは気前よく捨てた」(佐々…

さすが防災リュック(実に下らない話です)(2020年3月12日)

昨晩、夕食時に相方が突然言い出した。「お父さん、防災リュックにマスクが入っているかも!」「どうして・・・?」「今日、Iさん(サークル仲間)から『ウチ、防災バッグ探したら出てきたのよ』って言われたの」・・・と言うと納戸に行き、一枚の紙を持って…

日本語メディアへの不信感(2020年3月)とDeepL(今日)

出会った言葉:Long story short: the best thing you can do to keep yourself from catching the virus is to wash your hands regularly and aovid touching your face. (要するに、新型コロナウイルスに感染しない最善の方法は、頻繁に手洗いをし、顔に…

いわゆる「写経」(原文と訳文の手書きでの書き写し)について(3)(最終回)

(10)音読について 実は音読はもう10年以上続けていて、その内容についてブログ(長続きする自己啓発「翻訳ストレッチ」ー毎朝、仕事前に、手広く、コツコツとー(『翻訳事典2018-2019』から))に書きましたので、ここでは書き写しとの違いについて感じて…

いわゆる「写経」(原文と訳文の手書きでの書き写し)について(2)

(5)毎回、最低でも1文(原文と訳文)の書き写しが終わるまでは止めない「翻訳ストレッチ」では一つの活動を5分単位にしていますので、この書き写しも5分で一区切りなのですが、実際には文章が長くて、全部書き写し終わらないうちに(場合によっては、原文…

いわゆる「写経」(原文と訳文の手書きでの書き写し)について(1)(2020年3月)

FacebookとTwitterに「書き写しは短期的な効果、音読は長期的な効果がある」と呟いたところ、「具体的にどういうことですか?」というご質問をいただきましたので、翻訳ストレッチとの絡みで、原文と訳文の手書きでの書き写しについて書かせていただきます。…

下訳について②

「下訳使うなんて信じられない」 (柴田元幸著『僕は翻訳についてこう考えています 柴田元幸の意見100』アルク社、p130) これは結構有名な発言で、その後に「何で他人に自分に代わって遊んでもらわなきゃいけないのか」と続く。村上春樹さんも同じだと。こ…