金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

それは国語力ではなく、英語力の問題

英文解釈の勉強*をしている時でも、あるいは「写経」をしている時でも自分では決して書けない訳語(訳文)に逢うと「どうして自分はこう書けなかったんだろう?」と自分の国語力の不足を嘆いたものだが、数年ほど前から「自分はどうしてこの訳文のように英文を理解できなかったのだろう?」と考えるようになった、というかそういう「気づき」があった。見事な訳文が「書けない」のは「英文を読めてない」からだ。

金子靖翻訳教室(青山ブックセンターで研究社の編集者である金子靖さんが手弁当でおやりになっている文芸翻訳教室)に通い始めたのが10年ほど前。その時からずっと金子先生は教室の中で「英文が読めていない」という言い方を何度もされていたが、そのことの意味がある日すっと腑に落ちたのだ。わかってなかったんだね、僕は。

この「発見」で英語への接し方、英文の読み方が変わったような気がする。

 

 

*翻訳ストレッチで僕が使っている英文解釈の教材は、翻訳が見事なものが多い。