金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

例解 和文英訳教本』

不定冠詞「a」は「いくつかあるうちの1つ」(翻訳ストレッチの教材から)

『改訂三版 英文法解説』(金子書房)では「不定のある1人/1つ」(p112)、『英文法詳解』(学研)では「ばく然と不特定のものと考えられた普通名詞/集合名詞の前(に使われる)」(p43)、『改訂版 英文法総覧』(開拓社)では「数詞oneの弱まった意味で…

because、since、as、そしてforについてのまとめ(翻訳ストレッチの教材から)

「sinceを使えばある理由を開陳して『さぁどうだ』と構える感じがする。becauseよりはやや弱い」(佐々木高政著『新訂 英文解釈考』(金子書房)p118) ・・・という解説文を読み、よい機会なのでbecause、since、as、そしてforについて手元の参考書で整理し…

「複数形」とは「複数」でなく「総称」(翻訳ストレッチの教材から)

興味深い視点を見つけたのでメモとして。 (以下引用)……a countryの複数は何であろうか。ここでcountriesと答えてはいけない。それ(鈴木注:単なる複数形)では「国というもの」(鈴木注:総称)という意味になってしまう。some countriesと答えてほしい。…

対比概念を意識する(翻訳ストレッチ教材『例解 和文英訳教本』からの学び)

本日の翻訳ストレッチからもうひとつ。和文英訳の教材から。 (以下引用)課題文 (1)我々は病気になってはじめて健康のありがたみを知る。(2)我々は言葉が使えるという点で動物とは違う。(引用ここまで。ただし(2)は鈴木が若干変更している)。(…

総称のtheについてのメモ(翻訳ストレッチの教材から)

文法書を単独で読んでいても気がつかないことでも、英文解釈の参考書で説明されている文法事項を出発点に文法書を改めて紐解くと、それだけを読んでいただけでは退屈だった(?)説明が活き活きと見えて勉強になることがある。今回がその例。 (1)総称のth…

have to とmustを人称別にどう捉えるか(翻訳ストレッチの教材から)

have to とmustを人称別にどう捉えるかという問題。 『翻訳力錬成テキストブック』(柴田耕太郎著、日外アソシエーツ)のp397では、have to を客観的事情、mustを主観的感情と大まかな説明をした後、P400「研究」で「大まかには本文の通りだが、人称により…

英語のニュアンスを日本語で学ぶ英作文の本:小倉弘著『例解 和文英訳教本 (文法矯正編)(プレイス)(2021年5月)

和英翻訳のプロセスで僕は英語ネイティブの方に「こういう文脈の中でこういう言い方(表現)をする?しない?」と問うことが多いし、いわゆるネイティブ・チェックとはそういうものだ。ネイティブ講師による英語の授業なども「そういう言い方をする、しない…