金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「外国語を使う人は余所の家にお客に行った様なもの」(斎藤秀三郎の残した言葉)(2019年11月30日)

(以下引用) 西洋人、殊に米国人は”shall”, “will”の用法が乱暴で、少しも構わず使うから……といって我々日本人も構わずに使うと言う申し分は立たぬ。自国語を使う人は言わば自分の家に居住するようなもので、我が家にありては無礼講は当然のことである。し…

TOEIC対策本は専門家の書いたものに限る(2019年11月)

『TOEIC L&R TEST 990点突破ガイド 英文法・語彙編』1回目終了。上級者向けのパート5の本としてはベストだと思います。ただし、TOEIC800点台前半までの人がやっても時間の無駄なので要注意。このレベルの人には『TOEIC L&Rテスト 文法問題でる1000問』(TEX…

民主主義を考える上でのお勧め本2冊(2019年11月)

(以下引用)経済的に豊かな有権者は不満があっても次の選挙まで待って投票で意思表示する余裕があった。だが、投票は不満のはけ口として機能しなくなってきている。(世界覆う「政府への怒り」 イアン・ブレマー氏 米ユーラシア・グループ社長 2019年11月21…

悪い英語ホームページの見分け方(2019年11月)

Google検索で "Reiwa"、"Heisei" ”top message"と打って出てくる会社は、英語版ホームページの意味がわかっていないと断言できます」とある経営者向け勉強会で話したらバカ受けした。 社長さんが「平成から令和という新しい時代を迎え」と言うのはいい。それ…

映画「真実」(主演:カトリーヌ・ドヌーブ、監督:是枝裕和)を観に行く(2019年11月)

出会った言葉:「……魔法はないんです。地道な作業です」 映画監督 是枝裕和さん(「名俳優×名監督:言葉の壁を越え ― たくさん話し、こまめに手紙。魔法はない 是枝監督」2019年10月11日付朝日新聞)。昨日は、ほぼ3カ月ぶりのお休みを取って「真実」を見に…

翻訳勉強会の効用

3年ほど前から、K社編集部K先生の主催される翻訳教室の卒業生(1期につき半年のコース2期1年で「卒業」、それ以上は受講できない)による勉強会に参加している。分野は文芸。教材は原文、先生の試訳、学生訳、講義録、そして講義を録音した音声ファイルを…

「それは社長が覚悟しています」(2019年11月)

(以下引用)それは社長が覚悟しています。(引用ここまで)(「多様な働き方 労働時間の管理は:サイボウズの中根弓佳執行役員に聞く」2019年11月4日付朝日新聞 生活面より) * 2つのことに感動した。第1に「それ」の中身。この会社の社長は、社員の配置…

『斎藤秀三郎伝ーその生涯と業績』:自分の所有物なのに公共物みたいな感じ(2019年11月)

『斎藤秀三郎伝ーその生涯と業績』(大村喜吉著、吾妻書房)に線を引けない。 恐らく30年以上本棚に眠っていて誰も読むことのなかった本だからなのか、毎朝と寝床で5分ぐらいずつ音読している本書に線を引く勇気が出ない。 これはもう僕のものなのだけど。何…

機械翻訳できる文章はつまらない(2021年11月)

(以下引用)いい加減な言葉は人類に発達をもたらした。(引用ここまで)(坪内稔典「半歩遅れの読書術 ― 言葉はなかなか伝わらない……いい加減さの先に広がる共感」2019年11月2日付日本経済新聞読書欄) * いい加減な、多義的な、曖昧な文章ほど面白い、と…