金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「最後に結果を決めるのは執念だ」: 10月31日に出会った言葉

(1) 2020年10月31日自分のできないことをどんどんつぶしていって、できることを増やしていくのが仕事の人もいるんだけれども、でもあえてそこをせずに、できないことをそのままにするっていう覚悟の決め方、そういう立ち位置もひょっとしてあるんじゃない…

「年をとるっていうのは、突然来るんですかねえ。だんだんなんですかねえ」:出会った言葉(3年前と4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(104)

(1)3年前の今日カード社会の問題点はこれまでも指摘されてきた。カード払いでは現金で支払う場合のような心理的縛りがなくなり、使い過ぎてしまうのだ。米国のある研究者の実験では、1台のトースターに対して、カードが利用できる環境の被験者は現金のみ…

「産みの苦しみー著書と訳書の違い(2015年10月)

昨日は朝からぶっ続けで書籍(予定通り11月に出ます)の2校ゲラの修正。昨日が締め切りで出版社からは受け取りに払いの宅配便の送り状をもらっていたのだが、腰を据えて取り組める最後の日が昨日だったので初校に引き続き昨日も自分で持っていくことに。2校…

「模倣を重ねる先に、独自の美が生まれる」:出会った言葉(3年前と4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(103)

(1)3年前の今日模倣を重ねる先に、独自の美が生まれる。(天声人語 2018年10月28日付朝日新聞) (2)4年前の今日どこへ行くのかが分からなくなったときは、自分がどこから来たのかを知りたくなる。日本人全体がいま、そんな道中にさしかかっているのか…

「お砂糖使いますか?」

出会った言葉:「砂糖をお使いになりますか」という表現にも慣れることができない。砂糖は道具でも召使いでもない。コーヒーの中に入れる以外は使い道がないのに、わざわざ「使う」と言って、他の使い方のある可能性を確保しているところがおかしい。 (多和…

実務翻訳と書籍翻訳では時間の流れ方が違う。

書籍の翻訳って、期間には追われるけど時間には追われないので、実務から書籍に切り替える時って、時間の流れ方を変えないとできない。そこにちょいと時間がかかる。

「どこへでもご自由にどうぞ。追いかけて写すのが私の仕事ですから」:出会った言葉(昨年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(102)

(1)昨年の今日三浦光雄は、カメラの横からヒョイと私をのぞいて、ニコニコして言った。「どこへでもご自由にどうぞ。追いかけて写すのが私の仕事ですから」(高峰秀子著『わたしの渡世日記(下)』p138)*引用文は、芝居の勢いでライトの外にまでかけず…

「全員で下品な隠語を使うチームのほうが、使わないチームよりも労働効率がよく、メンバー同士の結びつきが強く生産性が高い」: 10月27日に出会った言葉

(1) 2020年10月27日……その人がいることによって、その人の発言やふるまいによって、彼の属する集団全体の知的パフォーマンスが、彼がいない場合よりも高まった場合に、事後的にその人は「知性的」な人物だったと判定される。……(その反対に)その人が活発…

手書きの強さ(2021年10月)

昨年7月から『絶望を希望に変える経済学』(村井章子訳 日本経済新聞出版)の書き写し(原文と訳文)を始めておよそ15カ月。A4 7mm×30行 100枚のノートがそろそろ一杯になる(とは言え訳本のページ数は85/470なのでまだ5分の1ぐらいかな)ので、今まで映し…

「自由はある日突然なくなるものではない。」10月26日に出会った言葉

(1)2020年10月26日 「オフレコ」は取材者と被取材者の共犯意識が生み出すものだと思う。「オフレコ情報」を共有した人々は、「同じ穴のムジナ」になる。(小田嶋隆選、武田砂鉄編『災間の唄』株式会社サイゾーp24)*2日前に発売された本から。引用句は東…

「一つの目的にわき目もふらず、全身全霊を打ち込むことは無条件でほめられたことではない」(深代淳郎さん): 10月25日に出会った言葉

(1) 2019年10月25日抜くことでも抜かれることでもなく、ただただ自分の中を駆け続ける。 永井龍男(「天声人語」2019年10月24日付朝日新聞より)* 矢作直樹著 『今という一瞬に、一生の幸せがある』(廣済堂出版)の中に「今中(いまなか)」という言葉…

「カメラのレンズは過酷なほど正直に被写体を映し出す」:10月24日に出会った言葉

(1) 2020年10月24日カメラのレンズは過酷なほど正直に被写体を映し出す。愚鈍な性は愚鈍にしか写らないから恐ろしい。不美人を美人に写すことはできても、バカをリコウに写すことはできないのである。(高峰秀子著『わたしの渡世日記(下)』(新潮文庫)…

「嫌いな人と無理して付き合うな」: 10月23日に出会った言葉

(1) 2019年10月23日① フェイクを流しつづけた軍部。世界を知らずに熱狂した人々。(「春秋」2020年10月22日付け日本経済新聞) 春秋: 日本経済新聞 ② 天皇をあがめたてることが日本人として当然の心情であると考える人たちもいる。そうではない形で天皇と…

NHK「五輪の厨(ちゅう)房密着800日」に感動する(2)

昨日、一昨日の晩と「「五輪の厨(ちゅう)房密着800日 選手村食堂の秘められたドラマ」を見ながらつくづく思ったのだが、選手村の食堂を準備していたスタッフから見ると、何を言われても「安全・安心の大会を実施する」と愚直に断言し続けた菅義偉首相がとて…

「一つの分野では平凡でも、異なる領域を三つ持てば活躍できる」:出会った言葉(2年前~9年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(96)

(1)2年前の今日作品について「この辺がダメだ」と辛辣に指摘すれば必ず次の作品がよいものになるというのなら、僕だって寸暇を惜しんでダメ出ししますよ。でも、人間はそういう生き物じゃありません。人に質の高い物を生み出してほしいと思ったら、いいと…

NHK「五輪の厨(ちゅう)房密着800日」に感動する。

2017年から取材班が追い続けた、オリンピック選手村の食堂運営を任された会社の記録。 僕は東京オリンピック/パラリンピックの開催には今でも反対だけど、それはこの人たちに対しては言えない。 彼らの必死の努力を前にすると称賛しかない。食材・人材の調…

エンピツの力(2021年10月20日)

昨日、本棚を整理していたら『英文解釈教室』が出てきた。著者は「駿台高等予備校 専任講師 伊藤和夫」序文は「駿台高等予備校 英語科主任 鈴木長十」。 昭和52年1月に初版発行。本書は昭和54年1月 第5版だ。 おそらく予備校時代(昭和54年4月~55年3月)に…

「モチベーションが下がった時こそ君の真価が問われる」:出会った言葉(昨年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(95)

(1)昨年の今日新品は傷がつくまで、ちょっとまだ心許せない感じみたいなこと、ありますよね。ものに対してもそうだし、人に対してもそうだし、そういう価値観の揺れ動きって、おもしろいですよね。(ヨシタケシンスケ著『思わず考えちゃう』(新潮社)p82…

「おてんとう様は見ているぜ」: 10月20日に出会った言葉

(1) 2020年10月20日18歳就職、25歳結婚2DK、30歳子ども二人3DK、36歳1700万円の持ち家、52歳長男長女の結婚。(1975年8月26日)(「志とビジョン」『最後の深代淳郎の天声人語』(朝日文庫)p93)*引用文は今から45年前(私が中学3年生の時)に政府(三木…

体操のお兄さんたち

「新井君、石川君、杉井君が加わってから、体操のコツがよく分かるような気がしてきたんだ」「え、何のこと?」「『テレビ体操』に10月から新規加入した男性アシスタント(お手本)のことだよ。腰とか膝とか肘の曲げ方や飛び上がり方がわかりやすくなってよ…

「心に思うことは、すべて顔に出ます」: 10月19日に出会った言葉

(1) 2019年10月19日―過去を振り返って、こうしておけば良かったと思うことはありますか。「……ピアノとギターの練習と英語はもっとしとけば良かった。練習しても、練習しても間違えるわけで。間違えないと思ってるのに、間違えるなんて、そもそもふとどき…

信号街の交差点で(2021年10月19日)

さっき散歩の途中で信号待ちしてたら、後ろに幼稚園ぐらいの男の子を乗せた自転車が停まった。 「おかあさ~ん、まだ~?」「まだよ」 すぐに 「おかあさ~ん、まだ~?」「まだまだー!」(気合い)「おかあさ~ん」「なあに?」「まだ~?」「もう少し!!…

「人は迷惑をかけるものだから許しなさい」: 10月18日に出会った言葉

(1) 2020年10月18日人は迷惑をかけるものだから許しなさい。会社員 高森美保さん(「迷惑はお互い様」2020年10月18日付朝日新聞「声」欄から)*他人に迷惑をかけてはいけないと思うけれど、そういう価値観を他人に押しつけてはいけないなあ、と。それと…

苦しみは山頂の一歩手前:出会った言葉(昨年~9年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(92)

(1)昨年の今日(翻訳とは)言語を前提にした文化の境を超えようとする時点で置いていかなければならない荷物と、理解を得るために肩の上に積まなければならない荷物とがあって、そのやり取りの過程で大切な旅人=原文が無事に向こう側へ渡れるかどうかが決…

わくわくするようなことはたいてい寄り道の途中で起こる: 10月16日に出会った言葉

(1) 2019年10月16日① 面白いデータがある。RST(注:リーディングスキルテスト)のこれまでの調査結果から、中学生は学年が上がると全体的に正答率が上昇することが知られている。一方、正答率が上昇しても回答数はそれほど増えないのだ。読める生徒は決…

(プロとは)金を払ってでもその仕事をやってもらいたい人間の事を言うんだ:10月15日に出会った言葉

(1)2020年10月15日 「科学とは国の費用によって、科学者の好奇心を満たすことである」パトリック・ブラケット(英国の経済学者)(「春秋」2020年10月13日付日本経済新聞)*為政者にはこれくらいの余裕を示してもらいたい。どんなに世論の批判を受けても。…

今年何日休んだっけ?(2021年10月14日)

2日ほど前にふと思うところがあって、 「あれ?俺何カ月休んでないだろう?と一瞬思ったが、考えるのやめた」 とツイッターとフェイスブック(お友だち限り)に書き込んだところ、お友だちのお一人から、 「じっくり考えるべきじゃない?」 とのコメントをい…

「高校の国語 文学を軽視?」(新聞記事に覚えた違和感)(2019年10月)

今日(2019年10月14日)の朝日新聞の21面「高校の国語 文学を軽視?」は、朝日新聞の問題の立て方も、回答者のお答えも完全にピントを外していると思った。先日も書いたけど、今回の国語教育の、『走れメロス』を鑑賞する以前に、『走れメロス』をそもそも読…

努力とは息をするように続けられること……息をすること:10月14日に出会った言葉

(1)2019年10月14日努力とは息をするように続けられること、無理をしないこと、息をすることです。将棋棋士・永瀬拓矢(鷲田清一「折々のことば」2019年10月14日付朝日新聞)*僕はこういう生き方が好きなのでついメモってしまうのですが、この永瀬さん、27…

「困っている人、声を上げづらい人の悩みをくみ取り、技術と工夫で解消していく」高原慶一郎さん、ユニチャーム創業者:10月13日に出会った言葉

(1)2020年10月13日 自己添削というのは、単に模範解答をみて自分の訳文を訂正するだけにとどまらず、訳文を作る上で行った自分の思考過程を再現し追求し、敗因を鋭く摘出し、どうしたら、あるいはどの思考時点で正解へと近づく可能性があったのかというこ…