金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2013-01-01から1年間の記事一覧

「最後の大逆転(?)」(スポーツ強豪校に子どもが入るということ⑤)(2013年12月)

昨日は関東大会。朝から夜まで山梨県甲府市へ次男の学校の応援に行った。次男は団体戦の試合に出たことがない。今回も絶対レギュラー(全日本選手権出場)の3名と2名の1年生ダブルスコンビ(県大会は次男コンビを破ってベスト4)の計5名はすでに決まっている…

Oops, Wrong Floor! (December 15, 2013)

Nestled on the fourth floor of a charmingly lift-less five-story building, my abode is part of an eclectic homeowners' association featuring everything from humble medium-rises to towering skyscrapers. In a valiant effort to fend off a sed…

勘違い(2013年12月15日)

私の家は5階建てのマンションの4階。エレベーターはありません。我が管理組合はこういう「中層棟」が6棟と超高層棟(23階建て)、高層棟(11階建て)で構成されています。 運動不足解消を兼ねて1日に1度はゴミ収集所までゴミ出しをするのが私の仕事の一つ。…

「出版しない方がいい」というレポートに30時間かけて1万5000円(合わね~)(2013年12月12日)

昨日はこの3週間ほどノドに刺さったとげのように気になっていたリーディングのレポートを1日遅れで提出する。結論は「出すべきではない」。出すことになったら自分で訳すつもりで気合いを入れて読んだのだが、2回目に読んでいる時に小さな疑問が生まれ、メモ…

翻訳志望者の審査(2)ー「ぬるい仕事経験」が透けて見えた候補者(2013年12月12日)

たまたまこの1週間で7人の翻訳者候補の審査を請け負った。 7人のうち3人は最初から問題外で「なぜそもそも応募して来たのか?」と首をかしげたくなる答案だった。(1)明らかに機械翻訳だった人が1人(2)単なる英文解釈だった人が1人。(3)翻訳をして…

中古マンションに住むということ(2013年12月9日)

昨日は午後3時から管理組合の中層部会の役員会の後、部会の忘年会。もう10年以上も建築の専門家として関わっていただいているアドバイザー3人の方も加わってもらう。もちろん全部自腹であります。 わざわざ管理組合に首を突っ込まなくてもいいのに自分の街の…

「『何か違う』という感覚」(2013年11月27日)

書籍を訳していると「合っているんだけど何か違う」と感じることが(僕の場合は)多い。というか、昨晩夕食後にある章の訳を提出する前に(試訳としては出来上がっているのだが)「念のため」と思って読み上げソフトに読み上げさせて自分も声を出していると…

自分の引き出しを埋める努力(2013年11月22日)

同じような理解度の英文のはずなのに「翻訳が上手く行った」と自分でも思い他人からもそう言われる時と、「和訳としては正しいんだけどどうにもしっくり来ない」という不満がどこかに残る(完全には満足しない)翻訳になるのはどういうわけだろう? アウトプ…

「あまちゃん」と「ちりとてちん」(と「虎に翼」)(2013年11月12日)

(1) 主人公は美人ではない(少なくともそういう設定)(2) すぐ近くに主人公が嫉妬する対象であるヒロインがいる。(3) 物語が始まるまでは内気で暗い性格。自分のことでせいいっぱい。(4) 物語が始まってから自分のことだけではなく、周りのことも気を遣い始…

「型にはまった文体」と「安定した文体」(2013年11月12日)

実務翻訳(私の場合は金融)では、ある程度型にはまった(パターン化した)文体とかなり縛られた用語使用が求められる。でも書籍でそれをやったらアウト。 「型にはまった文体」と「安定した文体」は違うのだなと村井章子さんの訳文を写しながら改めて思った…

「あいつは素人だから・・・」(2013年11月)

僕が会社員やっている時に他人(先輩)の話を聞いていて最も嫌だなと思った発言の一つが、 「あいつは素人だから・・・」 という言葉だった。その部署は新入社員からのたたき上げ(専門家)が大半で、僕のような入社7年目から入る人間はほとんどいなかった。…

「犯人の気持ち」- 今日の翻訳ストレッチから(2013年11月)

今日は本来原文と訳文の音読だけで使っている『脱線FRB』のある1段落の原文を写し、訳書の訳文をそのまま写すという作業をした。 一昨日この箇所を音読しているときに、自分が英語を読んで出てくる時の日本語の並びと違ったので、書いたら何か参考になるので…

翻訳は「池ポチャのギリギリ」を狙う(2013年11月)

先日の飲み会で印象に残った会話。ただしかなり飲んだ後なので不正確だと思う。あくまでも僕の「印象」です。 故山岡洋一氏は、フェアウェーのど真ん中を狙いすぎるのはつまらんと仰っていたらしい。一番面白いのは「池ポチャのギリギリ」。ここを狙うんだと…

4年かかって1冊読了(2013年11月)

今朝の翻訳ストレッチから『脱線FRB』の2回目に入る。 当初は他の本とのローテーションで4~5日~1週間に1度、1年ほど前からメインのテキストにしたので、(それでも)2~4日に1度、5分と時間を決めて適当な長さ(たいていは1段落)原文と訳文を音読してきた…

翻訳ツール試行錯誤(2013年10月)

私は根がアナログだからか他の人よりも余計そう感じるのかもしれませんが、自分の仕事の効率とか質が飛躍的に良くなると感じる技術というかツールに出会う比率は何年かに1度だけであって、私のハイテク(ツール)技術はその時だけ増強される。 (1)Torados…

「彼の決断」(2013年10月30日)

今月の25日(金)から28日(月)まで予定されていた息子の沖縄修学旅行が台風の影響で1月に延期になった。ところが修学旅行の翌日が、ある全国レベルの予選(個人戦)なので、卓球部は修学旅行に参加しないことに。「あーあ」。 全国レベルの県予選。1000名…

トライアル合格(2013年10月)

某翻訳会社から翻訳者として登録するので会社に来て欲しいとの連絡あり。これは素直に嬉しい。 ソースクライアントから徐々に翻訳会社へ比重を移すというプロジェクトが一歩前進した、というのが第1点めの「嬉しい」理由。 第2に、翻訳会社のトライアルを受…

(続)気になるケアレスミス:和英翻訳におけるPMの役割について(2013年10月23日)

一昨日にお客様から来た修正記録つき修正案(けっこうビッシリ入っていた)をネイティブ担当者に送り、昨日朝ネイティブ担当者から返ってきた回答の検討をする。 ネイティブ担当者に対しては「思ったことをそのまま書いてくれ。遠慮はいらない。僕の方で表現…

気になるケアレスミス(2013年10月22日)

昨日はどうにも気になるミスをした。和英の案件でネイティブ翻訳者から送ってきたものを私がチェックし、質問をいくつかして昨日朝納品したところまではよかった。夕方になってお客様から返ってきたコメント(修正記録付き)を見ると、普段の私なら見逃すは…

「文は人なり」に偏りあり?(2013年10月)

私のこれまでの経験では、 (A) 素晴らしい文章(だと私が思う。以下同じ)を書く人で嫌だな~と思う人に会ったことはない。押し並べて素晴らしい人ばかり。 ただその一方で (B) なんでこんなに嫌らしい(利己的な、ひねくれている、お高くとまっているという…

全部ソースクライアント(2013年10月16日)

怒濤の3連休が終わって某社(翻訳会社)の案件が昼に終わり、実務はあと2件(ソースクライアント)をやりながらいよいよ本だ・・・と思っていたら某金融機関より電話。プレゼン資料を2件受注する。というわけで現在6件の仕事全部がソースクライアント(2件の…

電子書籍の売り上げ(2013年10月)

ここ10日ほどの怒濤の日々も本日午前中でちょっと一息つきます。逆に言うと実務翻訳が死ぬほど忙しかったわけで、実入りという意味では実に結構な10日間だったわけですが、本が全くできていない(編集担当者の方には予告/連絡済み)ので明日から再開となる…

妻の心、夫知らず(?)(2013年10月10日)

「お父さん、今日何時に出て行くの?」「え~11時」「あたし10時にインフルエンザの予約行っちゃうから・・・何着ていくかわかってる?」「だから一昨日もらってきた背広と、ワイシャツだろ・・・、それと靴下・・・」「そう、ここにあるから・・・はい」「…

「併記の効用」(2013年9月)

『大暴落1929』で村井章子さんの文章を使った「添削」を始め、最近は『自由と民主主義』に切り替えたのだが、実は厳密に言うと「添削」ではなく、村井さんの訳と自分の訳を併記しているにすぎない。 始めた頃はワードの「取り消し線」などを使って文字どおり…

「お手本」を自分の仕事に生かす(2013年9月)

『資本主義と自由』(フリードマン著、村井章子訳)の原文PDF、訳文書籍を参考文献として今の書籍を訳している。 テーマが似ているのと訳者が村井さんだという安心感で、そもそもはいくつかの用語確認のために参照していたのだが、意外な効用が見つかった。…

「翻訳会社にシフトしようか?」(ちょっと疲れてきた2013年の書き込み)

この夏にほぼ10年続いてきたヘッジファンドのレポートがなくなった。昨年の今日だったら再び金融機関への営業を考えるところだが、そういう(営業に向けての)気力が湧かない。今後はソースクライアントに伴うあれこれ大変なことを考えると翻訳会社への登録…

「技は心」:村井章子さんの日本語(2013年9月16日)

村井章子さんの日本語を読んでいると、極めて堅い論文の中に(以下は『大暴落1929』と『資本主義と自由』から(うろ覚えで書いているので正確ではないかもしれません))「お店」「・・・と思しめす」「・・・なるものを」「まずお目にかかれない」「さしも…

「技は心」(2013年9月)

翻訳家 村井章子さんの日本語を読んでいると、極めて堅い論文の中に(以下は『大暴落1929』と『資本主義と自由』から(うろ覚えで書いているので正確ではないかもしれません))「お店」「・・・と思しめす」「・・・なるものを」「まずお目にかかれない」「…

通訳ガイド名人との邂逅(2019年9月13日)

大学4年の秋に、カリフォルニアから日本に旅行に来ていたオルター夫妻とはとバスに乗った時、そのバスガイドさんのお見事としかいいようのなパフォーマンスに圧倒された。 その方は50年配の恰幅の良い紳士で、ガイドが始まる時にお客さんがどの国から来た人…