金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

総称のtheについてのメモ(2):総称のaやtheはふつう目的語には使わない(翻訳ストレッチの教材から)

以下は小倉弘著『冠詞のトリセツ』(かんき出版)p105から。 「私は犬好きです」に相当する英文はどれか。 (a) I like dog. (b) I like a dog. (c) I like the dog. (d) I like dogs. (e) I like the dogs. 小倉さんは、正解は(d)だとした上で、「aやthe は…

多義語の難しさ(face) (翻訳ストレッチの教材から)

(原文)The difficulty Americans have in understanding 'face' in Japan stems largely from the emphasis placed by American values on the individual.(訳文)日本の『体面』というものをアメリカ人がなかなか理解できないのは、主にアメリカ的な価値…

「カレー」

「いったい、いつから痛くなったのかなあ」 実は昨日腰が痛くなった。普通は「きっかけ」がわかるものだが(その最たるものはギックリ腰)、昨日はいつの間にか痛くなっていて夕方シップを貼った。 「それはお父さんカレーよ」「え、カレー?」「加齢よ。加…

「渥美清は、元気かい」

以下は、2022年9月17日の朝日新聞朝刊に載った山田洋次監督の文章から。寅さんシリーズが7~8作目まで来た時に、まだ続けるかどうかを尋ねた山田監督に渥美清さんがこう答えたそうです。 「5作目を封切った頃、私が東京駅のホームで遅い時間に電車を待って…

「ビジネスに役立つ経済金融英語」第14回:ウェルビーイング Well-being

ビジネス英語教育を実践されているQ-Leap様連載「ビジネスに役立つ経済金融英語」の第14回がリリースされました。 今回のテーマは「ウェルビーイング Well-being」。ご存知の方も、ご存知ない方もどうぞ! 英語をそのままカタカナ読みにした事例の紹介です。…

高校の同期会で『ベンチャーキャピタル全史』をセールス

昨日は高校の同期会。22日に『ベンチャーキャピタル全史』が出たので、近況報告の時に宣伝してもよいかと幹事にお願いしたらどうぞどうぞと。 今週号の『週刊新潮』に出た堀内勉さんの書評(A4で1ページ)を出席者全員分コピーして持っていくと参加者用資料…

発売初日に1万4000歩(丸善丸の内本店に感激し、その勢いで書店3軒をはしごする)

昨日は『ベンチャーキャピタル全史』の発売日。 編集ご担当のKさんから、丸善の丸の内本店で書店での展開が始まったとうかがっていたので仕事を午前中に片付け、昨日午後に店頭を訪ねてみた。 お、写真で拝見した通りだ。大きく展開しているんだーと感激し、…

【第9回】チャーリーの金融英語 – スタグフレーション

日本会議通訳者協会様の連載です。第9回のお題は「スタグフレーション」。 一昨日9月13日に発表された米国の消費者物価指数(CPI)は前月比で0.1%上昇して、エコノミストの事前予想を上回りました。特に変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIが前月比…

(H+H)MかH+(H+M)か:共通関係(翻訳ストレッチの教材から)

ある程度の上級者(TOEIC850以上ぐらい?)になると、経験的には知っているが何となくあやふや、という文の要素の共通関係があって、その部分を権威ある書籍(辞書でも文法書でも参考書でも)で明言されるとホッとしたりする。今回はその例。 (以下引用)us…

"as" のいろいろ:辞書よりも文法書よりも役に立つ受験参考書(翻訳ストレッチの教材から)

文法書は、さまざまな切り口の文法項目(五文型とか関係代名詞とか、品詞とか・・・)によって章立てされているので、一つの語の役割が一冊の中にばらばらに記述される。 一方、辞書は一つの語の意味や役割がすべて同じ語の元に記述されているが、何しろ(そ…

敵対的TOBのBeforeとAfter:昨日の「ジョブチューン」大戸屋対一流料理人(7名)対決を見て

昨日のジョブチューン、大戸屋対一流料理人(7名)のリベンジ・マッチは、テレビを見ている我々とは違う意味で、大戸屋社内ではかなり真剣かつ深刻に注目されていた回だったと思う。 なぜか?1回目が、敵対的TOBによるM&A騒ぎの「前」だったからだ。 つまり…

奥井潔先生の授業を追体験できるYoutube

このビデオから、奥井先生の「授業」が追体験できる。 まずは示された英文を自分で紙に訳してから聞くと良さがじわ~っとわかるはず。 特に、harlots for whom it was a point of honor to give good value for money以下の説明とたとえ、文構造の説明、そし…

英文を通じて教養を身につけ、学習意欲を高められる本:『英文読解のナビゲーター』(翻訳ストレッチの教材から)

奥井潔著『英文読解のナビゲーター』(研究社)の本領は、語句、文法、構文解説、訳文の後(または合間)に発揮される。たとえば第10章のテーマは「独創性とは?」で、英語の原文の前に、著者の「前説」がある。 (引用ここから)この本の「はじめに」の中で…

種明かし

実は、1カ月前と2カ月前の2回、『ベンチャーキャピタル全史』の解説者、井潟 さんについて完全に匿名にして書いていました。 business-school.rikkyo.ac.jp 1度目は2カ月前。タイトル「訳者あとがき」 tbest.hatenablog.com 2度目は1カ月前でした。「プロ中…

マスクの着け方、外し方

マスクが日常化して2年と数カ月。 最初は、「鼻だけ出している人はみっともない」という意見がちらほらありましたね。マスクをしているけれど鼻だけだしているのは、中年以上の男性だけだったような気がする。今は変わってきたような。 そのうち、マスクはし…

「夏休み」

「お父さん、夏休み、いつ取るの?」「あ、忘れてた」「・・・これだよ」「あの~」「もういいです」 局面打開を図ってこう言ってみた。 「あ、そうそう、今気がついたんだけどさ。来週俺4回目の接種じゃん」「そうね」「友人のKとかMとかの話によると、副反…

『ベンチャーキャピタル全史』トム・ニコラス (著), 鈴木 立哉 (翻訳)(新潮社)予約受付中

今日は、来月刊行予定の訳書をご紹介させていただきます。 『ベンチャーキャピタル全史』トム・ニコラス (著), 鈴木 立哉 (翻訳)(新潮社) 「ベンチャーキャピタル元年」と言われる今年、本書はこの手の歴史書としては本邦初のもので、ベンチャーキャピタル…

「オレとは人間のつくりが違う」(翻訳ストレッチの教材から)

昨日、翻訳ストレッチで次の英文について学習した。 Just as a good man forgets his deed the moment he has done it, a genuine writer forgets a work as soon as he has completed it and starts to think about the next one; if he thinks about his p…

『英語難構文のトリセツ』。第一印象は相当いい(20ページまで読んだ最初の印象)

この本、最初の20ページに取り組んだだけだが(所要時間40分ぐらい?)、相当いい。 ただし、使い方を間違えると宝の持ち腐れになると思う。 クイズ形式なので、「この問題に正解した、しなかった」で終わってしまいかねない、そういう建て付けの本なのだ。 …

「知床旅情」は森繁久弥さんの即興

出会った言葉:(ここから)あの名曲「知床旅情」はこの映画の宴会シーンで森繁さんが即興で作詞作曲したものである。撮影中に久松静児監督が突然、「ここでひとつ歌が欲しいな。繁さん、何か歌え」と言った。場面は、知床の漁師の息子(僕の役)の出征を祝…

理由を補足的に説明する等位接続詞forが文頭にくる(数少ない)例(翻訳ストレッチの教材から)

以前、等位接続詞のforは文頭に来ないという説明を紹介した。 tbest.hatenablog.com つまり上記の中で、 「④because~は文頭にも置けるが、for は連結する二つの節の間以外には置けない(鈴木注:これはforが等位接続詞だから)」という説明(杉山忠一著『英…

「なんでもいい!!」

今日、散歩中に自転車で僕を抜いていった親子。 お母さんは、そう女力士みたいな?肝っ玉母さんのような身体の大きな女性で、後ろに幼稚園生ぐらいかな、カワイイ男の子が文字通りチョコンと座っていた。で、お母さんがこう尋ねる。 「今日のお夕飯なにがい…

妙に懐かしい会話

昨日の午後、歩道を散歩していると右手の小学校の正門から年中ぐらいの男の子と小1ぐらいの女の子が出てきた。信号が青で男の子が先に横断歩道をわたり、6メートルぐらいの道路を渡り終えたぐらいで信号が点滅する。元々車のあまり通らない通学路だ。 女の…

譲歩を表すletの命令形(翻訳ストレッチの教材から)

「ひとりは孤独ではない」というタイトルの文章から。 A man thinking or working is always alone, let him be where he will.(原文に即した訳)どこにいようと、人間はものを考えるのも作業するのもいつもひとり。(モデル訳文)どこにいようと、考えるの…

使役動詞をすっきり整理(翻訳ストレッチの教材から)

使役動詞の使い分けについて、一つの動作を使って整理した分かりやすい説明があったのでご紹介します。 「娘に浴槽の掃除をしてもらった」の表現いろいろ (a) I had my daugher clean the bathtub.「私は娘に浴槽の掃除をさせた(頼めば当然やってもらえる親…

「翻訳とは科学的なものじゃない」:出会った言葉:2~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(239)

(1)2年前の今日ジェイ・ルービン「翻訳とは科学的なものじゃない。どうしても主観が入る。それが入らないと、人間のやる作業じゃない。……個人の解釈が入らないことには、何も伝わってこないと思います。だからこそ翻訳っていうのは古くなったりもする。言…

プロ中のプロから教えを受ける

9月に出る書籍の解説をお願いしたAさんから一昨日「解説」が届いた。その電文に 「訳文について、何か所か加筆修正を検討された方がいいのでは、という箇所があり、どこかで対面・オンラインでお話したい」 との一文があった。すぐがいいということになり、…

「(住民たちの)抵抗の背後にある歴史を理解すべきだ」:出会った言葉:3~5年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(238)

(1)3年前の今日「嫌なことから逃げても何とかなります」 ヒロシ(芸人/ユーチューバー)(Hero’s File 2019年7月26日付朝日新聞朝刊28面)*上記はこの記事(「朝日求人」の広告欄なのかな?)のタイトル。実はフルの発言は「様々な経験をしてきて思うの…

不定冠詞「a」は「いくつかあるうちの1つ」(翻訳ストレッチの教材から)

『改訂三版 英文法解説』(金子書房)では「不定のある1人/1つ」(p112)、『英文法詳解』(学研)では「ばく然と不特定のものと考えられた普通名詞/集合名詞の前(に使われる)」(p43)、『改訂版 英文法総覧』(開拓社)では「数詞oneの弱まった意味で…

「(『問題がありそうな人』を『みんなで』バッシングして憂さを晴らす)社会の先には、見せかけの『正義』と『萎縮』が蔓延するファシズムしか生まれない」:出会った言葉:2~5年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(237)

(1)2年前の今日「Youtubeは笑いのツボが違う」 伊集院光さん(2020年7月21日 テレビ東京放送「巷の噺」から)*伊集院さん曰く、「たとえば(タレントの)はなわ君はスタッフと一緒にいろいろな企画を考えて(Youtube放送を)やったが、結局一番受けたのは、…