金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「複数形」とは「複数」でなく「総称」(翻訳ストレッチの教材から)

興味深い視点を見つけたのでメモとして。

(以下引用)
……a countryの複数は何であろうか。ここでcountriesと答えてはいけない。それ(鈴木注:単なる複数形)では「国というもの」(鈴木注:総称)という意味になってしまう。some countriesと答えてほしい。要するに、複数形とは複数でなく総称、<some + 可像名詞の複数形>がいわゆる複数なのだ。(引用ここまで)
(小倉弘著『例解 和文英訳教本 (文法矯正編) --英文表現力を豊かにする』p207)

ここで、「可像名詞」とは小倉さんの造語で、同署のp162に説明がある。

(以下引用)
「可算」ではなく「可像」
そもそも、(鈴木注:従来の英文法では)名詞を数えられるものと数えられないものとに分類したことが限界ではないか。不定詞aとは数えられるという意味ではなくて、<イメージできる>という意味だ。そこで本書ではaや-sが着くような<イメージできる・イメージしやすい・絵に描きやすい名詞>を<可像名詞>、反対に、<イメージしにくい・絵に描きにくい名詞>を<不可像名詞>とよぶことにする。(引用ここまで)
(小倉弘著『例解 和文英訳教本 (文法矯正編) --英文表現力を豊かにする』p162)

さらに詳しい、例文を使った説明は本文をお読みいただきたい。

本書には、我々が既に知っているはずの、しかし一般の文法書とは違った視点による説明や異なる用語が出てくるので、目を開かされることが多い。現在2巡目です。何度も復習し、ゆっくり次の段階(公式運用編)に進みたいと思います。偶然見つけた本ですが、実にラッキーでした。

https://www.amazon.co.jp/dp/490373823X/

 

(参考)

tbest.hatenablog.com