金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「翻訳は基本的に原作に隷属すべき」6月29日に出会った言葉

(1)2019年6月29日 ·「翻訳は基本的に原作に隷属すべき」であり、事象を足したり引いたりせず、取りこぼしを少なく、という著者の潔さが印象的だ。(「精緻でしなやか 余白を掬う」『井上陽水訳詩集』西崎文子 本日付朝日新聞) (2)2018年6月29日 ある…

世間が若者に甘かった頃:高校の同窓会で(2023年6月28日)

25日(日)にあった高校の同窓会で、K君、S君と45年ぶりに会えたのは「超弩級」の感動だった。 確か最後に会ったのはK君のご自宅。在学中はそれほど親しくなかったお二人と、大学受験が終わって卒業式までまだ2週間ぐらい、誰も大学に合格していないことだけ…

The Price of Flattery

"Well, well! I thought I spotted a beautiful woman, but it's my wife!" I said this to my partner, who was doing the dishes in the kitchen as I went to make coffee. She responded, "I'm pleased, even if it's flattery," with a not entirely di…

有名参考書だって間違えることはある。

紙と鉛筆をもって、次の英文を訳してみよう。制限時間は5分。 (15.2.3)I had imagined, what most pacfists contended, that wars were forced upon a reluctant population by despotic governments.(伊藤和夫著『英文解釈教室 改訂版』(2000年9月25日 …

「普通の家族なんてないですよ。」:6月22日に出会った言葉

(1)2021年6月22日 「普通の家族なんてないですよ。」(「生きるとか死ぬとか父親とか」で「ウチの家族は普通じゃないから」と言った主人公のトキコに出版社の編集者が答えた一言) (2)2020年6月22日 「服作りなど何も知らないまま、途中のプロセスより…

In Studying, Record 'The Next Step' Rather Than 'The Outcome

In the realm of studying, a more effective approach to tracking progress is not merely noting "Today, I completed this portion of the textbook or workbook," but rather specifying, "Next, I intend to tackle this particular topic in such a m…

勉強は「結果」ではなく「次のステップ」を記録する

勉強の記録は、「今日はこの参考書/問題集をここまでやりました」ではなく「次はこれにこう取り組む」という残し方の方が次につながる。 もう15年以上、毎日30~90分続けてきた翻訳ストレッチ(英語の基礎勉強)を踏まえての教訓だ。勉強している最中に思い…

「あたり前にまず物事を考えないと、あたり前に自分が成長していかない」樹木希林さん:6月20日に出会った言葉

(1)2019年6月20日 あたり前にまず物事を考えないと、あたり前に自分が成長していかない。(児童文学作家、灰谷健次郎さんとの対談で、私生活において自分でできることは自分でやるということについて語って)(『樹木希林100の遺言』P66)*樹木さんは「…

Family Feast on Father's Day

Yesterday, my family of three (my eldest son was absent due to some errands) dined at Royal Host, one of the premier family restaurant chains in Japan. It had been a decade since we last had a family meal at a family restaurant, or specifi…

「父の日」の食事会(2023年6月19日)

昨日は家族3人(長男は所要で欠席)でロイヤルホストで食事会。ロイヤルホスト、というかファミレスで家族の食事会は10年ぶりだったが、食事が終わると次男が「ではここは僕が払います」と伝票を取った。「え、なんで?」「だって、父の日じゃん」。 ここ数…

My Experience with ChatGPT (GPT-4): An Update as of June 19, 2023

June 16, 2023I have been using ChatGPT3.5, partly as an experiment, but it was so busy yesterday that the results were slow to be output, so I obtained my wife's permission and decided to join the paid version of ChatGPT (GPT-4). June 17, …

父の日

今朝、洗面所で「おはよう」と言ってすれ違いざま、「お父さん、いつもありがとうね」と言われて今日が父の日だということを思い出しました。 僕は家庭平和のために、妻の誕生日と母の日だけはスケジュールに何度もリマインドを入れて忘れないようにしていま…

Father's Day

This morning, as I crossed paths with my wife in the bathroom(washroom), she greeted me with "Good morning," then casually added, "Thank you for everything, dear." It was at that moment that I remembered it was Father's Day. To maintain ha…

オンライン英会話を続けていても上達の実感がない理由

毎日オンライン英会話で話しているのにあまり上達しない気がするのは、 ①上達といっても毎日少しずつ、しかも一進一退なので実感がわきにくいことに加えて、 ②僕たち学ぶ側は、毎日学んでいるうちに、先生にいい顔を見せようとして、その時の自分のレベルよ…

ChatGPTの有料版に加入する(2023年6月17日)

昨日妻の許しを得て、僕もチャットGPT有料版に加入することにしました。 実務翻訳は半分リタイアしているので仕事にはあまり役立ちそうにないですが、興味半分に加え、守秘義務違反が怖いこと、昨日混んでいたことが理由です。お小遣いが月20ドル増えたよう…

男がピカピカの「膝」でいられた(?)時代

昨日のBS TBSは沢田研二さんの特集番組で、タイガース時代からの歌を時代順に放送(当時の録画、しかもフルコーラス)をやっていた。 「あ~沢田研二って歌がどんどんうまくなっていったんだ~」と言ったら「山口百恵さんもそうだったわね」と妻。「・・・っ…

「好きな絵画作品を選んだら、これをまずは逆さまにしてみよう」(佐宗邦威さん):6月14日に出会った言葉

(1)2019年6月14日 好きな絵画作品を選んだら、これをまずは逆さまにしてみよう。……意味のない線や色の集まりに見えてくるはずだ。目に見えた物が既知のカテゴリーで理解できるとき、僕らはすぐに言語脳になってしまう……しかし、これを倒立させてしまえば…

勉強するなら良書を繰り返し学べ:小倉弘著『英語 難構文のトリセツ』(かんき出版)

問題:次の英文を読み、最後の( )に入る適切なものを選んだ上で、英文全体を訳してください。紙とペンを使い、手で訳を書くことを勧めます。制限時間は5分。 英文:People have such a strange power of misunderstanding even the plainest directions th…

いつもいつも英語のレッスン

「あれ、お父さんまたレッスン?」「そうだよ」「あらそう・・・何か、いつもいつも英語のレッスン受けてるみたい」 1日1回30分でも、毎日午後のだいたい同じ時間帯に受けていて、この3カ月で休んだのは4月に学校側都合の休日の2日だけだったし。買い物とか…

過去のSNSは「次」への備えになるかも

フェイスブックの「思い出」機能を使いながら昨年、2年前、3年前~10年前の自分の書き込み(何しろ毎日何かを書き込んできたので・・・)の断捨離(要するに過去の投稿の削除)をしていると、3年前の今日、つまり新型コロナウイルス禍だった頃の自分が何をし…

お父さん、コミュニケーションって、相手の話に耳を傾けることから始まるの。それが出発点だとアタシは思う。 (妻より):6月11日に出会った言葉

(1)2020年6月11日 ·ウイルスは Go Toの隙 ねらってる」―コロナ対策東京カルタ(東京都のキャンペーン)(「春秋」2020年6月9日付日本経済新聞) (2)2019年6月11日 De-Sign=概念を壊してつくり直すこと…そもそも「デザイン(design)」という言葉は、ラ…

「ChatGPT(チャットGPT)」は英語教育をどう変えるのか?、という記事を読んで(2)(2023年6月11日)

今日の朝日新聞、「英語教育、チャットGPTで変わる? 誰もが英語“使える”ツール登場――専門家に聞く」という記事に、京都大学の金丸敏幸・京都大学准教授のインタビュー記事が載っていた。 英語教育、チャットGPTで変わる? 誰もが英語“使える”ツール登…

チャットGPTの出力結果は「出所」にはならない(2023年6月10日)

チャットGPTは「出所」を示せないことが、本日有償版の利用者の方とコミュニケートしていて判明した。つまり、チャットGPTの提供する「資料」はあくまで参考意見であって裏を取ったことにならないし、チャットGPTの作成した資料は今のところ「出所」としては…

「否が応でも仕事のことを忘れざるを得ない趣味があるのは、自分にとってはとてもいいことだと思います」小松栄一郎さん(6月9日に出会った言葉)

(1)2019年6月9日 ·「研究者はみんなそうでしょうが、寝ても覚めても研究のことを四六時中考えている。でもピアノ演奏にしても野球にしても、その最中にほかのことが頭にあるとミスタッチしたり空振りをしたりしてしまいます。否が応でも仕事のことを忘れ…

「水族館でおいしそうと言っていいんです」青森県の県営浅虫水族館 久保真司さん

(1)2019年6月7日 「水族館でおいしそうと言っていいんです」。青森県の県営浅虫水族館 久保真司さん(「天声人語」5月31日付朝日新聞より)*今日紹介した言葉は、気にかかってメモしておいたのですが、今日の天声人語の最後の文章「前の時代の常識が続か…

「ChatGPT(チャットGPT)」は英語教育をどう変えるのか?、という記事を読んで(1)(2023年6月6日)

「これまで英語を学ぶために費やしていた時間を、ほかのことを学ぶ時間に回すことが可能になる」(「生成AI、英語学習に見直し迫る 柔軟な教え方が重要に」金丸敏幸・京都大学准教授 2023年6月6日 付日本経済新聞) この記事は、現在の日本では英語教育にか…

「ChatGPT(チャットGPT)」は英語教育をどう変えるのか?、という記事を読んで(1)

「これまで英語を学ぶために費やしていた時間を、ほかのことを学ぶ時間に回すことが可能になる」(「生成AI、英語学習に見直し迫る 柔軟な教え方が重要に」金丸敏幸・京都大学准教授 2023年6月6日 付日本経済新聞) この記事は、現在の日本では英語教育にか…

「人生の主役は自分」:6月5日に出会った言葉

(1)2020年6月5日 昨今、日本ではさまざまな企業によるコンプアイアンス違反が続出しています。この現象は一般的には「日本企業のモラル低下」を示していると考えられがちですが、ことはそう単純ではありません。もしかしたら、今まで隠蔽されて闇に葬られ…

チャットGPTの登場で英語の相対的優位性が一気に高まる/The Emergence of ChatGPT: A Surge in the Relative Superiority of English(6/4/2023)

生成AIの登場で英語の相対的優位性が加速度的に高まり、日本語がますます不利になる時代に突入したのかも。 チャットGPTが出たことで翻訳者(通訳者)不要論が出ています。 そういう面も確かにあるのですが、今後は、たとえばこれまではせっかく日本語で立派…

「巨人の星」と「アタックNo.1」

「諸悪の根源は『巨人の星』だと思うのよね~あたし」 WBCのドキュメンタリー映画が今日公開だ、という話に始まってプロ野球選手の故障から学校の部活での体罰なんて話に移った時に妻がこう言い放った。 「あのアニメ、お父さんが大好きなの知ってるけど、あ…