金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』は初心者向きにあらず(2022年1月。読み始め)

以下は、今朝ふと思い立って書いたツイッターへの投稿である。ちょうど半分ぐらい読み進めたところなので、今段階の感想を書いた(一部加筆修正しています)。

(ここから)
『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』は、英語の上級者(準1級程度)が中学レベルまで戻って学び直すには非常に優れた教材だと思います。基本的なことでもこれまで曖昧だったところが明確になるなど勉強になり、私は毎日楽しく読み進めています(現在はp235まで)。

ただし本書は読者を選んでいます。本書を読み進めるためのハードルは高く、英語が中学生レベルの人が本書を読み始めても、意味がまったくわからずに100ページもいかないうちに投げ出すというのが僕の印象です。

その意味で、本書の帯にある「誰でも原書が読めるようになる」や「はじめに」の「これから英語を勉強する人でも大丈夫です」はミスリーディングだと判断します。初心者の方は帯や「はじめに」、アマゾンの書評を盲信してすぐにクリックするのではなく、書店に出向いて実際に本書を手に取り、できれば30分~1時間ぐらいかけて最初からLesson2(p20)ぐらいまでを立ち読みした上で、買うか買わないかを決めるのがよいと思います。(ここまで)

なお、現時点(2022年1月8日)でのアマゾンの書評は、上級者と思われる皆さんの感想しか見当たらない。本書が(帯の示唆するように)本当に初級者向けなのであれば、英語初級者の感想がいくらかはあっても然るべきだがそうなっていないのは、まさに本書が初級者向けではないことを証明しているのではないだろうか。

以上を踏まえると、本書のタイトルは『基本文法から学び直す英語リーディング教本(上級者向け)』の方がその性格を正しく表していると思う。

1週間ほど前には否定的な書評があったが、なぜかすでに削除されている。この手の書評によくある『俺はお前より英語ができる』ことを誇示する表現が差し挟まれた(要するにマウンティング大好きおじさんによる)、ややキツい書評だったけれども、内容的には僕が昨日書いたツイッターの書き込みの後半部分に近い見解が示されていたと思う(つまり言い方はともかく、僕は彼の意見のうち半分ぐらいはまともだと思っていた)。

繰り返しになるが、『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』は、上級者向けの英語学び直しテキストとして大変優れていると思う。読めば読むほど面白い。しかし初心者向きではないと思う。ところが本の「見せ方」には違和感を覚える。タイトルや帯に引き込まれて、本書を手に取ることもなく「中身をよく吟味し、自分に合うか合わないかをよく考えずに買ってしまう」人がいるのではないかとの危惧を拭いきれないのだ。否定的な書評もなくなったことだし、バランスを保つためにもその違和感だけは書いておこうと思った次第。

(注記)毎朝、新聞2紙(日本経済新聞朝日新聞)を30分程度、『TIME』誌を15分程度、『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』を15分ほど読んでから翻訳ストレッチをやっているので、『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』は厳密には翻訳ストレッチ教材ではないのだが、英語学習の延長ということで「翻訳ストレッチ教材から」に分類しておく。

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