金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

翻訳全般

ビジネスに役立つ経済金融英語 第11回 ーPandemicからEndemicへ |

皆さんもそろそろ宴会もコロナ前の水準に戻りつつあるでしょうか。今回は、意外と誤解されているEndemicについての記事を書きました(実はアメリカ人も誤解しているので要注意、という話です)。 Epidemic、Pandemicの違いとともに整理しておくよい機会かも…

「書き起こし原稿」と「翻訳」の違い(2022年5月)

その月のテーマを漠然と決めて材料を集めているうちに一つに絞れてくる。結論(というか仮説というか)らしき物がぼんやり見えたものをその月のテーマにする。そこからまずは書き始め、書いているうちに構想(というか結末までの流れ)が明確になっていき、…

「自分で調べる」(2013年4月)

先日の新田順也さんのマクロセミナーで印象に残った言葉の一つは 「自分で調べてみなさい」だった。 確か別のマイクロソフトMVPの方の言葉を紹介されたのだった。講義中に質問を受けるとそのMVPの方は直接答えずに「ご自分で調べて下さい」と言ったという…

DeepLのハイブリッド利用法

クルーグマン氏のエッセイを英語で読んでいくとところどころ分からないところがある。その原因は主に僕の英語力にある。そして、クルーグマン氏ぐらいの書き手になると、皮肉や諧謔をかましてきてそれについて行けないところが良く出てくる(こちらも要する…

ビジネスに役立つ経済金融英語 第9回:Reskilling

ビジネス英語教育界をリードするQ-Leap様連載の9回目。 ここに来てググッとバズワード化した言葉のご紹介です。 Reskilling. この手の言葉や考え方は英米から2~3年後れぐらいで、今後もっと広がる可能性もありますが、日経新聞がつけた日本語の訳語(また…

「機械翻訳と人の翻訳」(その1)(2014年1月)

(その1) ・・・ちょっと今ある表現にうんうん唸っているうちに思ったこと。 「全体を読んで筆者が何を言いたいのかを理解し、そのテーマに沿った形で訳語や訳文を選択し、場合によっては原文の順序と並べ替え、全体を読み終わったときに筆者が最も言いた…

訳文を暗記する②(使える表現と、使いづらい表現)

翻訳書の中から「参考になりそうだな」と思った訳文を、原文と一緒にメモして残している翻訳者の皆さんは多いと思う。 その作業自体には意味がある。しかしそれをノートにして残しておいても、意外と役に立たないのではないか、というのが僕の実感である。 …

著書と訳書

これまで訳書を18冊、著書を1冊経験しただけですが、その差を一言で言えば: 訳書は「地道に積み上げていくもの」 著書は「産みの苦しみの後は一気に動かすもの」 という感じでしょうか。 『金融英語の基礎と応用』は、それまで地道に積み上げていたものをど…

飜訳会社はまず、自社をきちんとプレゼンせよ

先日ある翻訳会社からアプローチがあって、トライアルに時間を費やしている時間はないと答えたら「登録します」と。ついては、希望単価と職務履歴書を送ってもらえませんかと来た。 こういうことは初めてではないので、「職務履歴書を送るのはやぶさかではな…

「過去訳を参照?」

他の方の翻訳を拝見していて「過去訳を参照しました」という申し送り事項をみることがあるが、過去訳に対する評価をしないでただなぞるのは無責任だと思う。

「1語で落とす」(2013年11月)

どこの業界にでもある話だとは思うんですけど・・・・どんな辞書にでも載っている簡単な単語どの業界でも、一般的にも普通に使われる普通名詞 なのになぜか金融業界では「ある言い方」でしか使われない用語がある。根拠はわからない。きっと誰かが、「そうい…

AIに奪われやすい分野

20年前の辞書と文例集で仕事が進む翻訳分野ほどAIに奪われやすい(具体的根拠なし。直感です)。

アメリカ人が英語で描いた日本料理店に置いてある日本酒の bottleをどう訳す?

同業者の方には改めて説明するまでもないことですが。 (A)アメリカ人が生まれて初めて日本料理屋に入って酒を飲み、徳利をLiquor bottleと英語で表現し、それを日本語に訳す場合、 (B)日本料理店にある程度慣れたアメリカ人が日本料理屋に入って酒を飲み…

『通訳翻訳ジャーナル 2022年冬号』(イカロス出版)

テーマは「産業翻訳で求められる日本語力とは?」 でも、別に金融翻訳で求められる特別な日本語力があるとも思えないし、もしあるとすればそれはかなり特殊な業界用語や言い回しになってしまうもので、それは仕事の中で覚えておけばよいと考えます。そこでも…

本当に大事な記事は紙で残せ

僕は必要があって購読紙/誌誌を検索して記事を探すことがあるのですが、見つからないことが結構ある。「スクラップブックに残るような記事」を目指しているという日本経済新聞ですらそうだ。恐らく何らかの事情で記事が削除されているのだろう。それは仕方…

「お砂糖使いますか?」

出会った言葉:「砂糖をお使いになりますか」という表現にも慣れることができない。砂糖は道具でも召使いでもない。コーヒーの中に入れる以外は使い道がないのに、わざわざ「使う」と言って、他の使い方のある可能性を確保しているところがおかしい。 (多和…

実務翻訳と書籍翻訳では時間の流れ方が違う。

書籍の翻訳って、期間には追われるけど時間には追われないので、実務から書籍に切り替える時って、時間の流れ方を変えないとできない。そこにちょいと時間がかかる。

今年何日休んだっけ?

2日ほど前にふと思うところがあって、 あれ?俺何カ月休んでないだろう?と一瞬思ったが、考えるのやめた。 とツイッターとフェイスブック(お友だち限り)に書き込んだところ、お友だちのお一人から、 「じっくり考えるべきじゃない?」 とのコメントをいた…

「産業翻訳イントロダクション」(上智大学文学部英文学科 2021年春の講義)を公開します。

本日より、上智大学で私の行った授業(Youtube)を次の要領で公開いたします。 科目名 上智大学文学部 英文学科Translation Theory 1 (輪講)(2~4年生が対象のオンデマンド授業) 開講学期 2021年度春学期 6月10日(木)講義分の授業動画(96分) 担当教…

翻訳って一見無駄なことが・・・(翻訳に関するふと思いついたこと2題)

いずれも自分自身のFBへの書き込みです。 ①翻訳って、一見無駄なことが無駄にならない、という要素が他の仕事よりもほんの少し多いような気がする。だから自分にも務まっているのではないか、と今日ふと思いました。(2020年9月10日) ②ホント、他人の翻訳を…

損得勘定

出会った言葉: 自分のなかのよきものを育てたいと思えば、ソントクのある関係からは離れていたほうがよいのです。 上野千鶴子(鷲田清一 「折々のことば」本日付朝日新聞) この言葉の後に、鷲田さんの解説で「人を損得で値踏みしていると、視線はブーメラ…

フリーランスを続けてきたことの「負担」

妻は次男の給料日(いわゆる「ゴトー日ではありません」)をしっかり覚えていて「給料日まであと3日だね」「明日給料日だね」とか言ってはうるさがられている。 元々きちんとした人で、結婚後35年間の家計簿は全部保存してあり、1986年5月(結婚の翌月)か…

主役は30代

今、ある本を訳していてそろそろゴールが見えてきたので、編集の方と売ることを視野に入れた相談に入りかかっている(もちろん基本は出版社に任せている)。 ただし、テーマが僕が以前にいた業界に関連する話なので、鈴木の人脈も使えないかと言うことで元同…

トライアルに関する二つのアイデア

アイデア1:トライアルの結果を、コメントと共に送付するという有償サービスどこの翻訳会社の応募要項を見ても、「選考結果については翻訳会社から一方的に通通知するが、それ以上の問い合わせには一切答えない」以外の事例を僕は見たことがないのだが、ト…

引退後?

昨日の「新報道2001」の特集は「引退後の人材活用」の話だった。60歳以上の高齢者を活用している企業にとっての利点/問題点、高齢者にとっての利点/問題点。高齢者が再雇用先で引き起こす問題点の原因は、その多くが高齢者の「プライド」なんです、という…

リフレーションとは何か

ビジネスマン向け英語教育で定評のあるQ-Leap様での「ビジネスに役立つ金融経済英語」の第3回が月曜日にリリースされました。今回のテーマは「リフレーション」です。 すでに皆様よ~くご存知の言葉だとは思いますが、一部には誤解や混乱もあるようです(「…

上智大学文学部2021年春「産業翻訳イントロダクション」1回分を公開します。

このたび、上智大学文学部様のご承認を得て、次の要領で授業(Youtube)を公開することになりました。関係者の皆様のご尽力に心から感謝いたします。 以下は要項です(変更の可能性はあります) 科目名 上智大学文学部 英文学科 Translation Theory 1 (輪講…

オノマトペ

中原道喜著『誤訳の常識』(聖文新社)のPart5がすべて(pp141-190)オノマトペであることは意外に知られていないかも。 www.amazon.co.jp

「産業翻訳イントロダクション」(上智大学での春学期の講義の第1回)は公開の方向で調整中。

先日行った上智大学での授業の1回目「産業翻訳イントロダクション」(収録時間95分程度)は、1回目の講義分のみ公開の方向で大学側と調整中です。 何しろ完全オンラインで提供した授業(番組)の公開はそもそも前例がない(コロナ禍で初めて実施)らしく、校…

思えば、翻訳界の低迷は・・・ :出会った言葉(昨年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)㉕

(1)昨年の今日The greatest of faults, I should say, is to be conscious of none.[意味] 欠点の最大のものは、欠点をひとつも意識していないことだろう。(佐々木高政著『英文解釈考』(金子書房)p19)*英語で人生訓を学ぶ本から。受験生じゃないので…