金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

AI(機械)翻訳

生成AI時代の外国メディアの読み方・売り方/How to Read and Sell International Media in the Age of Generative AI- July 26, 2024

(英語が得意でない読者のみなさんへ)断言しよう。仮にあなたが英語を全然読めなくても、生成AIを使えばニューヨークタイムズを定期購読して記事を毎日読める。常識で翻訳の不備は補える。無償版は量に制限があるので必要があれば有償版に変えれば良い。問…

生成AIは、いまや英語の多読速読のための最強ツール

すでに多くの方々はお気づきだと思いますが、ChatGPTをはじめとする今の生成AIは、その翻訳能力を駆使すれば英語多読速読のための最強ツールとして、対訳本の代わりに使うことができる。

ジョージ・クルーニーさんからのバイデン大統領の撤退を求める寄稿(2024年7月11日)

この記事はニューヨークタイムズのプレゼント記事なので、いつクリックしても無料で読めると思います。バイデン大統領に対する尊敬と愛情を込めた勇気ある撤退要請だと思う。 quote: I love Joe Biden. As a senator. As a vice president and as president…

野口悠紀雄著『生成AI革命』(2024年7月4日)

図書館で借りて90ページ(約4分の1)まで読んだところで先ほどアマゾンに発注した。この本はスゲーや。著者は私の大学時代(1980~84年)にすでに有名教授だった方。80歳を超えてなお、最先端の技術を追いかけ続けている姿勢も驚異的だ。 残りのページと目次…

原文ファイルを1度読み込ませておけばOK( 2024年7月1日現在)

ChatGPT-4o、原文ファイルを1度読み込ませておけば、あとはプロンプトで訳文と具体的な観点を示すだけで、原文を探し出してチェックしてくれることがわかった。これは楽だ。

チャットGPT(GPT-4)体験記(2024年6月18日、1年ぶりに更新)

(2023年6月16日)ずっとチャットGPT3.5を半分実験のつもりで使っていたのですが、昨日は混んでいてなかなか結果が出力されなかったので、妻の許しを得てチャットGPT有料版(GPT4)に加入することにしました。 (2023年6月17日)1日使ってみて(オプトアウト…

プロンプトは母語(日本語)の方がいい(2024年6月15日)

これまでの1年数カ月のChatGPTを利用した経験を踏まえると、プロンプトは英語ではなく母語で書いた方が正解にたどりつきやすい、というのが現段階での僕の結論(仮説)です。 ChatGPTは日本語よりも英語の方がずっと得意だというのは明らかです。だから、英…

ChatGPT-4翻訳は「常識」がある分、独立型機械翻訳や人間翻訳よりも優位?(2024年6月11日)

*以下は英日(英語→日本語)翻訳を前提とした思いつきです。 現段階では、ChatGPT-4の学習データは 2023年4月まで更新されているとのこと。 ChatGPTに下訳をさせた場合、 2023年4月までの常識(英語ネイティブスピーカーにとっての常識だから、米英が中心か…

生成AI時代:自分を実験台にして英語学習を探索する(2024年6月6日)

生成AIの急速な発達で英語学習方法が革命的に変わると言われているし、僕もそう思う。 この流れの中でさまざまな学習方法やサービスが紹介されているのだが、「実際にこういう仮説を立ててこういう勉強法を実践したらこのような効果があった(なかった)」と…

生成AIは「気づかない」/Generative AI's Absence of Awareness (June 2, 2024)

生成AIは「気づかない」。いうまでもなく僕の仮説です。 たとえばAという問題に呻吟している時に、突然数日前(あるいははるか昔)に考えていたBという問題との関連でその正解がわかる、ということはない-そういうプロンプト(それがどういうものかはわか…

外国語の新聞雑誌を日本語で楽しめる時代がついに来た

もはや多くの皆さんが気づいていると思いますが、生成AIを使えば(無償版でもかなりの精度で行けます)、ニューヨーク・タイムズ紙やウオールストリートジャーナル紙、タイム誌の記事を、あたかも日本語の新聞雑誌を読むがごとく容易に読むことができます。…

AI翻訳の出力はAIの「仮説」(2024年5月27日)

次は僕とChatGPT4oとの対話です。 鈴木:あなたに翻訳をさせた場合に室力される翻訳は、あなたの仮説と考えてよいかな。なぜならば記号接地問題を抱えるあなたの翻訳には人間の検証が求められるから。 ChatGPT4o:はい、私が提供する翻訳も、AIである私が記号…

人間にできること(2024年5月27日)

生成AIがさらに進歩していくと、最終的に人間が果たせる役割は結局①着想(最初のアイデア出し)=実はイノベーションには最も大切、と②生成AIの提出する仮説(昨日のやり取りで言えばChatGPTの「結論」)の検証や実験に収れんしていくのではないかな。

「記号接地問題」と翻訳についてのChatGPTとの対話(2024年5月25日)

たまたま今、某協会向けに昨年ニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたノーム・チョムスキー博士の論文を訳していたところ、気になる段落が見つかったのでその内容についてChatGPT4oと対話した。以下はそのやり取りである (原文)Indeed, such programs are s…

生成AI(ChatGPT-4oなど)は、書籍編集者にとってかなりの戦力になるかも(想定問答の相手として)?(2024年5月14日)

ChatGPT-4oが出て、これは翻訳書や参考書の編集者の皆さんには強力な武器になるのではないかと思った。 翻訳書の編集者の重要な仕事の一つが校閲であろうが、「翻訳チェック」の義務はない。翻訳は翻訳者の仕事だからだ。とはいえどうしても翻訳を確認する必…

参考書の解説に関する生成AIとのやり取り例

中原道義著『新英文読解法』(金子書房)p249の原文と訳文についてChatGPT4oに次のような質問を行った。 プロンプト1:It could well be that the relative emphasis placed on trying and on suceeding in hildhood has fa-eaching consequences for the i…

「機械(あるいはAI)翻訳をめぐる前提条件のずれ(2024年5月11日現在)

4月14日のウェビナーの資料に次のように書いた(若干手直ししました)。 「考慮したい三つの区別(前提条件)① AI(機械)が翻訳した出力と、機械の出力した翻訳を利用して人間が完成させた作品とを区別する。 ② 外国語→母語の翻訳と母語→外国語の翻訳は分け…

プロンプト:あらゆるポイントを網羅した一つのプロンプトと、ポイントを絞ったプロンプトを重ねていくのでは、どちらがよいか?という実験の提案

①考えられるあらゆるポイントを網羅した一つのプロンプトと②毎回ポイントを絞って、二の矢、三の矢でポイントを追加していった結果、①と同じだけのポイントをカバーした場合のプロンプト では②の方が狙った効果(つまり原文の狙い通りの)英文ができるのでは…

友人からの嬉しいコメント

昨日、古い友人から頼まれて日英翻訳の手伝いをした。 あらかじめ「ChatGPTに相談するつもりです。ChatGPTの英語はどこからどう見ても僕の英語力よりも高いからです」とお伝えした上で、ChatGPTの出力した英訳とコメント後にプロンプトと回答と僕のコメント…

自分がぶつかった疑問の大半はChatGPTとの対話で解決できる(2024年5月2日)。

(以下は、僕の経験に基づく、ChatGPTに対する対処の仕方に関する、現段階での一つの仮説です)。 参考書や問題集(の解答)を読んでいて、どうしても理解できなかったり納得できなかったりする箇所ってあるよね(僕の場合は英文解釈本を学んでいる時によく…

『頭がいい人のChatGPT & Copilotの使い方』は、期待できる。

「もう1つのおすすめの使い方は、あなたが監督になって『時間をかければできるが面倒でやらない作業』を任せること・・・(中略)このときの、ポイントは、仕事の内容を『自分でも時間をかければできること』に絞ることです」(橋本大也著『頭がいい人のCha…

「ChatGPTを駆使してネイティブ並みに英語を理解し、ネイティブ並みの英語を書くために最も重要な能力は英文読解力」について(補足ノート)

4月14日ウェビナーの資料に ChatGPTを駆使してネイティブ並みに英語を理解し(英日翻訳)、ネイティブ並みの英語を書くために最も重要な能力は? 英文読解力(2024年4月14日時点での私の結論です) と書いた理由について簡単に補足します。 (1)英日(英語…

(私にとっての)「翻訳ツールとしてのChatGPT(生成AI)」定義変更(2024年4月18日時点)

気が付いたのは昨日だった。英日(英語→日本語)翻訳のチェックにChatGPTを使っているのだが、そのコメントと修正案の日本語が妙にうまくなったと感じたのだ。そこでフェイスブックとツイッターに ChatGPTいきなり日本語がうまくなった印象。気のせいかな? …

ウェビナーの感想(思いつくまま)

「機械翻訳」(機械が出力した翻訳アウトプット)に可能性は感じつつも当面無理だと思っていた自分が、1年後にまさかこのテーマに関するセミナーで話す機会を与えられるとは全く予想していませんでした。 ひょんなことからChatGPTを知ってそれについて調べ…

生成AIに関する仮説二つ(翻訳/英語教育関連)(2024年4月7日現在)

総花的な1回のプロンプトよりも、ポイントを絞った複数回のプロンプトを繰り出していくが「正解」(質問者の求めている答え)に近づきやすい。 原文の日本語を工夫して(内容を曖昧にする、対象の原文をかなり長いものにする、等)「やり取りのスクリーンシ…

機械翻訳は映画製作に似ている/Machine Translation Is Similar to Filmmaking: Humans and Machines as Directors and Actors

機械翻訳(「AIを使った翻訳)を映画にたとえると、英日(外国語→母語)翻訳での僕は監督兼主役。機械は助監督またはアシスタント。日英(母語→外国語)翻訳での僕は監督。機械は役者。 英日では自分が主体的に作品をつくっていく。日英では役者に演技をさせ…

「翻訳の民主化で『言語の壁』取り払う DeepL創業者 テックの未来」(2024年3月26日付日本経済新聞)を読んで

(以下引用)「同氏は生成AIの中核技術である大規模言語モデルの進化などを受け「よりインタラクティブ(相互的)な翻訳が可能になるだろう」と予測する。AIは文章を訳すだけの存在ではなく、利用者の意図などをくんで精緻な翻訳を実現する「アシスタントの…

対話型翻訳(ChatGPT)サービスで人間翻訳の重要性がかえって明らかに(2024年3月27日更新)

ChatGPTを用いた対話型翻訳サービスが登場して、非対話型の翻訳サービスがいきなり(数)周回遅れとなった。 これが、ChatGPTに偶然出会い、最初は遊びで、いつの間にか仕事のアシスタントして毎日使うようになってほぼ1年がたった私の実感だ ポイントは、翻…

ChatGPTの活用:翻訳者の英語読解力を英作文力に転換する(2024年3月22日)

ChatGPT(生成AI)を使って行う日英翻訳の成果物の質(「英作文力」と言ってもいい)は、翻訳者のオフハンド(辞書や参考書なしでの)英文読解力に(感覚的には、「加速度的に」)比例する。これは、ChatGPTをある程度使った人なら誰でも実感することだと思…

原文の日本語が理解できればネイティブ並みの英語が書ける(!?)/Unmatched Translation Excellence through ChatGPT(!?)(March 22, 2024)

はっきり言おう。今や僕は自分が理解できる日本文(特に経済・金融分野および一般企業のIR関連文書)であれば、ChatGPTを用いるだけで、原文の意図を正しく反映した、並みのネイティブスピーカー以上に自然で読みやすくい英文を、業界随一のS社よりも安く、…