客観的に言って、従来型の産業(実務)翻訳者の未来は危ういと思う。
皮肉なことに、ルールが厳しければ厳しいほど、扱う専門用語が多ければ多いほど、また多岐にわたればわたるほど、AIに取って代わられる可能性が高い。
職人て昔っから技術革新とのいたちごっこだった。新しい技術が誕生するとまず既存勢力の大反対運動と抵抗が起きるのだが、そのうち時代の渦に巻き込まれて、力のない者、古いやり方への固執しかできない者の大半は縮小撤退を余儀なくされる。そして新しい形態の中での新しい「職人」と技が生まれる。
僕は今の機械翻訳を信用していないしポストディットなんて仕事を受ける気はないけれども、それはたまたま、僕がそんなことをしなくてもとりあえず食える時代に恵まれていたからで、これからはどうなるかはわからない。
もちろん、人間の能力が生かせる分野は残るし、それはそれで発展していくのだろう。AIにまず訳させてそれを人間の「職人技」で修正していく仕事(これって校閲に近いのかも)が主流になっていくんだろうなあ、そんな気がする。