翻訳者と校閲者が随時入れ替わるプロジェクトに参加して6年目になる。
翻訳者と校閲者の間で「どうして著者はこの表現を使ったのか?」「これは市場のどの動きを説明しているのか?」「なぜこのロジックになるのか?」というやり取りが毎月行われる。その上で、論旨を明確化するために段落内の文章の順序を入れ替える、情報を加える、情報を減らすといった工夫をする場合もある(もちろんお客様にはその旨説明する)。この作業は、校閲、編集(複数論文をまとめた表現調整)、最終見直し、仕上げ、納品の直前まで続く。今月もそうだった。
思うに、何かの手続きや手順を説明する文章はともかく、筆者が事実とロジックと信念に基づいて何かを主張している文章の場合、原文の解釈がどうしても必要となる。しかしAIは文章を「解釈」できないのだから、そこに機械翻訳を関与させるとどうしても人間の判断が必要になるのかもしれない。
今月のプロジェクトを進めながら、最近機械翻訳がらみの情報を集めていたこともあってそんなことを思った。
(ご参考)