金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

投資への向き、不向き(2024年4月27日)

たとえば僕は、自分が短期投資には向かないことを知っている(この40年間、いろいろ試しましたもの)。そして世の中の圧倒的多数の人が短期投資には向かないのではないかと思っている。

僕が

「FX投資は他人から金を借りてきて丁半バクチをしているのと同じなので、絶対に手を出してはいけない」

と言うのは、自分ならびに世の中の圧倒的多数の人々向けには正しいアドバイスだと思う(ちなみに僕は短期投資に向いていないことをかなり若い時に自覚したので、信用取引先物取引も、当然FX取引もしたことはありません)。

ところが、世の中には(超)短期投資、つまりバクチに「向く」人がいるんですよ。実際に勝ち続ける人は、確かにいる。

どういうところが僕と違うかはわからないが、目の付け所、タイミングの取り方、勝負への入り方、降り方の勘所を知っているのだ(特に降り方が大事なようです)。

問題はそういう「向いた人」の中に、「僕にもできたんだから他の人にもできるはず」と言って「僕にお金を払ってくれればやり方教えますよ」と勧誘するけしからん奴がいる、ということなんだ。しかも(その人だったからこそ可能だった)「実績」を示してね。

普通の人はこれに引っ掛かる。「自分にもできるのではないか」とつい思って(思わされて)しまう。

真似しようとしちゃだめですよ。できないから。

大事なことだから繰り返す。

バクチに勝ち続ける人は確かにいるんだけど、普通の人に真似はできない。だからバクチ的な投資には絶対に手を出しちゃダメだ。ましてや金を借りてやる(先物取引信用取引の買い)なんて論外だ。下手すると家を失くすぞ、あんた。

僕にできるのは、いったん投資したら投資対象から目を離し、平静な心持で日常生活に戻れるような、ファンダメンタルを重視した投資(投資対象の経営成績や財務体質の優れた会社に投資するということ)、あるいは目に見える事実(お店が近くて親しみやすい、とか商品やサービスがとても素晴らしかったから、とか経営者の理念や人柄に大いに共感したので応援したい、とかいったことです)を根拠にした、5年~10年という視野で取り組む長期投資なのだ。

誤解のないように言っておくけど、この長期投資にすら向いていない人もいますから。それは、例えば1月に積み立てNISAに申し込んで、もう焦っちゃっている人ような人です。もしこれを読んでいるあながそうであれば警告します。やめておこうよ、あなた。あなたはそもそも「投資」に向いていないので、他で楽しみやお金を稼ぐ方法を探してね。

人間の良し悪し、頭の良し悪しではなくて。あくまでも人の性格として。

1984年に証券会社に入って40年の、これが結論かな。

tbest.hatenablog.com