金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

金融翻訳

ビジネスに役立つ経済金融英語 第17回:ShrinkflationとSkimpflation

本連載の第4回でインフレーションを取り上げたのは2021年9月( ビジネスに役立つ経済金融英語 第4回:インフレ、デフレ、ディスインフレ | Q-Leap )。この月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.3%。同年1月には1.3%だったから8カ月で大幅上昇したこと…

【第10/11回】チャーリーの金融英語 「二つの『デカップリング』(前後編)」

インターネットの発達によって、古い情報が更新されないままに残っていたり、新しい意味と古い意味が入り混じって使われてきたりしたためにやや混乱している人も多いのではないか。「デカップリング?あれ、なんだったっけ?」。そう思って検索してみる。ニ…

従来型の産業翻訳者の未来は風前の灯

客観的に言って、従来型の産業(実務)翻訳者の未来は危ういと思う。 皮肉なことに、ルールが厳しければ厳しいほど、扱う専門用語が多ければ多いほど、また多岐にわたればわたるほど、AIに取って代わられる可能性が高い。 職人て昔っから技術革新とのいたち…

ビジネスに役立つ経済金融英語 第16回:「ターミナルレート」と「ピボット」

12月(13~14日)の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、ここ数週間で急速にバズワード化している言葉をご紹介します。原稿執筆時(11月19日)には75bp利上げが優勢かと思われましたが、現時点(11月30日)では50bpが有力の模様です。基本用語の復習にお役…

Webホームページ翻訳上の悩ましい問題(どの会社にもあり得ることです)

現在、某サービス会社(A社)のホームページ/パンフレット/取扱説明書/利用規約等の英訳(原文は日本語)をほぼ全面的に請け負っている(最初にコンタクトいただいてから2年半になる)。(ちなみに英訳案件の時は僕はプロダクト・マネジャー(ネイティブ…

「ビジネスに役立つ経済金融英語」第14回:ウェルビーイング Well-being

ビジネス英語教育を実践されているQ-Leap様連載「ビジネスに役立つ経済金融英語」の第14回がリリースされました。 今回のテーマは「ウェルビーイング Well-being」。ご存知の方も、ご存知ない方もどうぞ! 英語をそのままカタカナ読みにした事例の紹介です。…

【第9回】チャーリーの金融英語 – スタグフレーション

日本会議通訳者協会様の連載です。第9回のお題は「スタグフレーション」。 一昨日9月13日に発表された米国の消費者物価指数(CPI)は前月比で0.1%上昇して、エコノミストの事前予想を上回りました。特に変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIが前月比…

6年ぶりの取引

某翻訳会社との取引が6年ぶりに復活した。 この6年間、その担当者の方は1~2カ月に1度は案件を僕に打診してきた。 やり取りはいつもこう。メールの時も電話の時もある。「スズキサーン、〇〇ワードで明日(明後日、3日後)どうですか?」(アメリカ人(orカ…

ビジネスに役立つ経済金融英語 第12回 ”Softish” landing

ビジネス英語教育界をリードするQ-Leap様ホームページでの連載も第12回となりました。途中1回休んでいますが、まがりなりにもほぼ1年続きました。この連載のことを意識して情報に当たり、メモを取りながら過ごす毎日です。 書きながら勉強させてもらっていま…

ビジネスに役立つ経済金融英語 第11回 ーPandemicからEndemicへ |

皆さんもそろそろ宴会もコロナ前の水準に戻りつつあるでしょうか。今回は、意外と誤解されているEndemicについての記事を書きました(実はアメリカ人も誤解しているので要注意、という話です)。 Epidemic、Pandemicの違いとともに整理しておくよい機会かも…

「ビジネスに役立つ金融英語」連載第10回「キャンセル・カルチャー」

「ビジネスに役立つ金融英語」の第10回のテーマは、「キャンセル・カルチャー」。 つい最近、JR東日本恵比寿駅で起きた事件もこれだと思います。「プーチン憎んでロシア時の皆さん/ロシア文化憎まず」という冷静さを失わずにいたいという思いも込めました。…

ビジネスに役立つ経済金融英語 第9回:Reskilling

ビジネス英語教育界をリードするQ-Leap様連載の9回目。 ここに来てググッとバズワード化した言葉のご紹介です。 Reskilling. この手の言葉や考え方は英米から2~3年後れぐらいで、今後もっと広がる可能性もありますが、日経新聞がつけた日本語の訳語(また…

ビジネスに役立つ経済金融英語 第8回:The Great Resignation

1月に『タイム』誌、『エコノミスト』誌の「今年の言葉」を紹介しましたが、本日は『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌の言葉を紹介します。 ビジネスマン向けに英語教育を展開しているQ-Leap様のホームページでの連載です。 たまたま月曜日(7日)の日…

ここまでの「チャーリーの金融英語」(第1回~8回まで)(2022年1月)

日本会議通訳者協会からご依頼を受けてこれまでに書いた連載内容は以下の通りです。通訳者、翻訳者の方を想定していますので、「言葉寄り」です。 【第1回】チャーリーの金融英語「MMT(Modern Monetary Theory)をどう訳す?」(2019年5月15日)https://www…

“What is The Economist’s word of the year for 2021?”(英『エコノミスト』誌の「2021年の言葉」)

昨晩、日本会議通訳者協会様のホームページに記事が掲載されました。 【第8回】チャーリーの金融英語 “What is The Economist’s word of the year for 2021?” www.japan-interpreters.org 英『エコノミスト』誌の「2021年の言葉」のページの内容を分類整理し…

ビジネスに役立つ経済金融英語 第7回:Time誌が選んだ「2021年 今年のことば」

Time誌というと、「今年の人」が注目されますが、ビジネス英語教育界で超有名なQ-Leap様ウェブページの連載では、そこから少し外して「今年の言葉」を選びました。 下のページに行くと、これまで6回の記事も見られます。どうぞよろしくお願いします。 q-leap…

英『エコノミスト』誌のウェブ(無料)版と紙(雑誌)版の微妙な差

英『エコノミスト』誌の1月1日号にどうしても読みたいページがある。知り合いが定期購読しているのでポイントを尋ねたところ記事のウェブ版のコピーを送ってくれた。ただ、ご厚意に感謝しつつも仕事で使うので自分で買わなければまずいと思い昨日丸善丸の内…

「過去訳を参照?」

他の方の翻訳を拝見していて「過去訳を参照しました」という申し送り事項をみることがあるが、過去訳に対する評価をしないでただなぞるのは無責任だと思う。

今さら聞けない(?)COP26の基礎の基礎

ほら、そこで知ったかぶりしてるあなた!イントロダクションとしてどうぞ。 なお、記事中で日経には基本合意の概要が出ていると書きましたが、合意内容の英語を読んだというよりは、誰かからレクチャーを受けた内容と思われる。むしろ記事では紹介しなかった…

「1語で落とす」(2013年11月)

どこの業界にでもある話だとは思うんですけど・・・・どんな辞書にでも載っている簡単な単語どの業界でも、一般的にも普通に使われる普通名詞 なのになぜか金融業界では「ある言い方」でしか使われない用語がある。根拠はわからない。きっと誰かが、「そうい…

『通訳翻訳ジャーナル 2022年冬号』(イカロス出版)

テーマは「産業翻訳で求められる日本語力とは?」 でも、別に金融翻訳で求められる特別な日本語力があるとも思えないし、もしあるとすればそれはかなり特殊な業界用語や言い回しになってしまうもので、それは仕事の中で覚えておけばよいと考えます。そこでも…

新聞は(せめて1紙は)紙で取れ

今朝7時頃、散歩がてら西葛西駅まで(片道1.5キロぐらいかな)新聞を買いに行ったんです。あるイベントについて今日の新聞各紙がどう報じているのかを調べたくて。 朝日と日経は定期購読しているので、毎日、読売、産経、東京、それにJapan Timesと・・・あ…

ゼロから作り出す苦しみ(2021年11月)

「少なくとも10個ぐらいは『これは発明だ』と思えるアイデアがないと、1本の映画にならないんですよ」 新海誠さん(My Story 2019年11月10日付日本経済新聞より) 「これは発明だ」とおっしゃった言葉の意味がほんの少し分かるような気がするのは、『金融英…

Generation Z(「ジェネレーションZ」/「Z世代」)

ビジネス英語教育をリードしているQ-Leap様から委託を受けている連載記事の第5回。 日本のマスコミに登場したのが米英に5年遅れ、今や3年遅れてようやくバズワード化した「Z世代」。今回はそのルーツを調べました。皆様のお子様の中にはその次の「アルファ…

「産みの苦しみー著書と訳書の違い(2015年10月)

昨日は朝からぶっ続けで書籍(予定通り11月に出ます)の2校ゲラの修正。昨日が締め切りで出版社からは受け取りに払いの宅配便の送り状をもらっていたのだが、腰を据えて取り組める最後の日が昨日だったので初校に引き続き昨日も自分で持っていくことに。2校…

実務翻訳と書籍翻訳では時間の流れ方が違う。

書籍の翻訳って、期間には追われるけど時間には追われないので、実務から書籍に切り替える時って、時間の流れ方を変えないとできない。そこにちょいと時間がかかる。

「産業翻訳イントロダクション」(上智大学文学部英文学科 2021年春の講義)を公開します。

本日より、上智大学で私の行った授業(Youtube)を次の要領で公開いたします。 科目名 上智大学文学部 英文学科Translation Theory 1 (輪講)(2~4年生が対象のオンデマンド授業) 開講学期 2021年度春学期 6月10日(木)講義分の授業動画(96分) 担当教…

ビジネスに役立つ経済金融英語 第4回:インフレ、デフレ、ディスインフレ

ビジネス英語教育をリードしているQ-Leap様から委託を受けている連載記事が第4回となりました。前回のリフレーションの続編のような内容です。元々は前回と今回の内容を1回で書き上げるつもりでしたが、長くなりすぎたので2回に分けました。日常会話や新聞雑…

ある英語メディアの定期購読解約にあれこれ手間暇がかかったお話

昨日、8年間購読していたFinancial Times(FT)を止めてWall Street Journal(WSJ)に乗り換えることにした。内容に不満があったわけではない。仕事用の資料としても十分に機能している。だた今ひとつ十分に読み切れていないなあ、年間3万円を超える費用対効果は…

トライアルに関する二つのアイデア

アイデア1:トライアルの結果を、コメントと共に送付するという有償サービスどこの翻訳会社の応募要項を見ても、「選考結果については翻訳会社から一方的に通通知するが、それ以上の問い合わせには一切答えない」以外の事例を僕は見たことがないのだが、ト…