金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

金融翻訳

日経電子版の検索機能

金融/経済翻訳の場合 ①日経電子版の検索機能を使うと訳語の「適切さ」とともに「新しさ」(世の中でのなじみ方)を確認できる。 ②テレ東の「モーニングサテライト」でも同じ事が言える。書き言葉と話し言葉の違いはあるけれども、ある言葉がどの程度一般サ…

翻訳者の本棚

「え~鈴木さん、今度『翻訳者の本棚』という企画で一度取材を・・・」 「え?本棚4本しかありませんよ。先日リフォームに伴って1000冊ぐらい減らしたんで」 「そこはご心配なく、先日取材させていただいた方も、『断捨離』直後だと固持されたのですが、そこ…

去年の今日(3月18日)に世の中を見ていて思っていたこと、予測できたこと、できなかったこと

Facebookの「思い出」機能で出てきた昨年の今日に投稿した短い投稿4つ。 ①普段はマンスリーの仕事が中心なので「モーサテ」はランチタイムに録画で見るし、スマホは原則として毎日19時~翌朝7時ぐらいまで見ないのだが、ここ1カ月ほどは朝起きるとまずスマホ…

「同化翻訳」と「異化翻訳」

この2週間で同じ方の翻訳論を紹介した文章を二つ目にしたので引用します。 ①『浮き世の画家』のオノや『日の名残り』のスティーブンス、『わたしを話さないで』のキャシーは皆、「あなた(たち)」という聞き手に語りかけている。しかし、……邦訳では削除され…

千里の道も一歩から(「金融翻訳者とは?」:2013年の記事原稿)

以下は、2013年の年末に某翻訳者向け雑誌に書いた金融翻訳者を紹介する記事。ただしこれは僕が出版社に提出した原稿で、その後編集されたはずです(残念だが手元に雑誌が残っていない)。8年経っているという点を割り引いてお読みいただければ、まだ参考にな…

フリーランスになるってことはさ・・・②

宴会の時に存じ上げない顔を見かけたら、同業者同士の懇親会でも名刺を渡して挨拶をする。こういう癖をつけておくと、本番(見知らぬ人たちの集まるパーティーでの営業活動)でも抵抗感が減る。 こういう方針にしているので、昨年初めまでは、同業者の飲み会…

フリーランスになるってことはさ・・・

「今度の懇親会には、知り合いがほとんどいないのでどうしましょう。私は人見知りなんです」 2年ほど前、ある業界関係者が主催するパーティへの出席を尻込みするAさんに僕はこう答えたね。 「『やったー!営業のチャーンス!!!名刺をたくさん用意して全部…

ユーザー(読み手)目線をつい忘れてしまう日英翻訳の実例

以下は一昨日から昨日にかけて、私とあるお客様との間になされたやりとりを若干修正したものである。とりわけ、成果物を受け取ったお客様がその英文を評価できにくい和文英訳の実務翻訳上、極めて重要なポイントを含んでいると思うので読者の皆様にご紹介し…

「誤訳」と「悪訳」

「『誤訳』とは、原文についての(語句・構文・文法・内容などの面における)解釈が間違っていて、それが原因で生まれる訳文。『悪訳』とは、解釈そのものは正しく行われていても、訳文を通して原文の内容の正しい理解に到達することが困難なもの、としてお…

「日経平均、30年6カ月ぶりの高値」とは

「株価 終値でも3万円超え」 「いわゆる「バブル景気」のさなかの1990年8月以来、30年6か月ぶりの高値です」とのことだが、一応手元の資料を見てみると、1990年8月というのは、89年12月に3万8000円超えの史上最高値をつけた後、リバウンドを伴いながら下げ局…

ドラギさんと言えば・・・

13日にイタリアでドラギ首相が誕生した。マリオ・ドラギ氏は、昨年まで欧州中央銀行(ECB)の前議長を務めていた方。そこで、ドラギ氏が在任中の有名な発言について、日本会議通訳者協会に寄稿したものを紹介します。 www.japan-interpreters.org

翻訳教室、翻訳講座、翻訳学校

翻訳教室、翻訳講座、翻訳学校に限っては明らかなことが一つある。それは、あなたがそれを受講しても通っても、あなたの実力、収入、紹介、就職は何も保証されない、ということだ。これは断言できる。 だから、その講座に申し込もうと思っているあなた、「自…

チームで翻訳/校正というプロジェクトから学んだこと

A、B、C, Dさんの翻訳を僕が校閲し、Eさんの翻訳をBさんが、そしてFさんの翻訳をCさんが校閲し、最後にA~Fの校閲済み翻訳の最終チェックを僕がやる、というチーム制の翻訳プロジェクトがスタートして4年目に入った。分野は金融。A~Fさんともかなりの経験を…

新型コロナ危機は「ブラック・スワン」か?

新型コロナウイルス勃発後ほぼ1年ということで、会議通訳者協会向けに「ブラック・スワン」に関する考察をまとめました。 「COVID-19はブラック・スワンではなかった」というのが専門家の常識のようです。何らかのご参考になれば幸いです。 www.japan-inter…

「オンライン授業で講師をやって気がついたこと」

「2020通訳翻訳フォーラム」で講師をやらせてもらって気がついたことを記録のために書いておく。それは、「オンライン授業の場合、講師側には生徒の代表としてのモデレーターが必要ではないか」ということだ。 私は時たま何か話をしてくれと頼まれると①資料…

金融翻訳者にとっての日経電子版

今、昨日のNY市場関連レポート(昨日急落して、ナスダック総合指数は「調整局面」入りした)の翻訳をしながらつくづく思うのは、やはり日経電子版は、金融市場周りの翻訳者には必須ということだ(僕は別に日経の回し者ではありません)。 検索、特に期間を…

ここまでの「チャーリーの金融英語」

日本会議通訳者協会からご依頼を受けてこれまでに書いた連載内容は以下の通りです。 【第1回】チャーリーの金融英語「MMT(Modern Monetary Theory)をどう訳す?」(2019年5月15日)https://www.japan-interpreters.org/news/suzuki-finance1/【第2回】チャ…

「日本通訳翻訳フォーラム2020」ー「コロナショックと金融翻訳」について

8月30日(日)に「日本通訳翻訳フォーラム2020」の講師を務めさせていただきました タイトル:「コロナショックと金融翻訳」 【セミナー概要】はじめに 「コロナショック」を定量的に見る「コロナショック」を定性的に見る「コロナショック」の報道を追う 20…

「失われた30年」

今日ですら、多くの人々は過去30年(まもなく35年か40年になろうとしている)の「惨めな時代」がいずれは悪夢のように終わり、そして物事は以前のような状態に戻ると信じている。(『21世紀の資本』トマ・ピケティ著、山形浩生他訳(みすず書房)p102) 引…

「『スラック』から考える失業率 (その3)」―働いていない人々をすべて含めて考える:リッチモンド連銀のHornstein-Kudlyak-Lange非雇用指数NEI

日本会議通訳者協会のマイク関根さん(先日『通訳というおしごと』(https://www.amazon.co.jp/dp/4757433972/ref=tmm_hrd_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=)を出されました)にそそのかされて(?)昨年春から、本業(金融翻訳)で出会いそうな、でも深く…

下訳について②

「下訳使うなんて信じられない」 (柴田元幸著『僕は翻訳についてこう考えています 柴田元幸の意見100』アルク社、p130) これは結構有名な発言で、その後に「何で他人に自分に代わって遊んでもらわなきゃいけないのか」と続く。村上春樹さんも同じだと。こ…

MMT(Modern Monetary Theory)をどう訳す?(再掲)

日本会議通訳者協会の関根マイクさんから「金融翻訳に関する記事を何か連載してくれません?」との要請を受けて2年。「時間ができたら是非!」と言いつつずっと引き延ばしていたら、律儀な関根さんは半年に一度ぐらいずつ、「兄貴ぃ(僕の方が年上)、そろそ…

日本会議通訳者協会の関根マイクさんから「金融翻訳に関する記事を何かれんさいしてくれません?」との要請を受けて2年。「時間ができたら是非!」と言いつつずっと引き延ばしていたら、律儀な関根さんは半年に一度ぐらいずつ、「兄貴(僕の方が年上)、そろ…

文芸翻訳の難しさ

今この瞬間に僕が訳している経済(市場)レポートについて、僕は歴史的背景も世界情勢もちゃんと分かって、その中の一部としてこの文章も表現も捉えられている。 したがって文章を読めばそこで言いたいことをほぼ正確に分かるし、かつ表現の機微も読みとった…

FX取引に対する僕の考え

拾った言葉:「パチンコ、パチスロは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう」本日の新聞折り込みに入っていたパチスロ店の広告に書いてあった警告文。 これを見てつくづく思ったのは、FX取引に関する広告になぜもっと厳しい制約を課さないのだろ…

落ち穂拾い(『金融英語の基礎と応用』をつくっていた頃)

先月ぐらいから、毎朝30分ぐらいかけて読む新聞(日経と朝日)とテレビ東京の「モーニングサテライト」で見かけた、ちょっと気にとめておきたい表現をメモしています。 『金融英語の基礎と応用』をつくっていたほぼ3年間、普通に日本語で書かれ、話されてい…

動かなければ、始まらない。やってみなければ「限度」はわからない

昨日の書き込みと皆さんのコメントを読んでいるうちにふと思い立ち、先方から何も言われていないのに、私にメールをくれた方に職務履歴書を送り、「ご紹介者の方にご転送ください」と書いてみた。 「図々しすぎる」と取られる可能性はある。 「これをすると…

殻を破る(自営業者になるということ)

お昼頃に某出版社の編集担当者からメール。この方とはあるパーティーで名刺を交換し、その後書籍のオファーを一度受けたことがあるが、こちらの都合でお断りしたことがある。 「お、書籍のオファーかな?」 と普通思いますよね。 メールの内容は・・・ (引…

「品質管理」は慎重に

先日、品質管理について書き込みをした際、お友だちのお一人から、「品質管理」として受けた案件で、翻訳者の専門用語や内容理解に問題があって事実上やり直し(翻訳し直し)になるケースはあるか、その場合(条件面などで)翻訳会社に対してどう対応するか…

単価値上げ交渉

昨日はソースクライアントS1社からヘッドハンティングされてソースクライアントS2社に転職するAさんと会食。いわば「お疲れ様」会で、当然勘定は僕持ちである。もちろん、僕サイドには「お疲れ様」以外に「あわよくば」の目論見があったことは正直に認めよう…