僕が会社員やっている時に他人(先輩)の話を聞いていて最も嫌だなと思った発言の一つが、
「あいつは素人だから・・・」
という言葉だった。その部署は新入社員からのたたき上げ(専門家)が大半で、僕のような入社7年目から入る人間はほとんどいなかった。
自分に被害者意識が強かったし遠慮もあったから余計この言葉は応えた。それは「お前もそうだ」と言われたに等しかったからだ。しかしその分を割り引いても「あの言い方はないだろう」と思ったものだ。
「自分がプロと名乗れるのか?」とか「自分は玄人と言えるのか?」と自問し自らを鼓舞したり反省するのならともかく、他人の評価にそれを使ったら進歩はないだろう。今なら冷静にそう振り返ることができるが、当時はただただ悔しかった。その人の言い方と表情まで覚えている。
その直後に同じ部署の別の先輩は、遠慮がちになり気が小さくなっている僕にこう言ってくれた。
「鈴木君、誰でも最初は素人なんだ。臆するな」
嬉し涙が出た。