金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「最後の大逆転(?)」(スポーツ強豪校に子どもが入るということ⑤)(2013年12月)

昨日は関東大会。朝から夜まで山梨県甲府市へ次男の学校の応援に行った。次男は団体戦の試合に出たことがない。今回も絶対レギュラー(全日本選手権出場)の3名と2名の1年生ダブルスコンビ(県大会は次男コンビを破ってベスト4)の計5名はすでに決まっている。次男は県大会(10月)の時はベンチ入りできず観客席からの応援組。11月に開かれた部内の「ベンチ入りをかけたリーグ戦」でかろうじて残り2名枠(2位)に滑り込んだのだ。今回も絶対試合には出られない。これは実力だからしようがない。

でも今回は次男の立場がどうあろうと団体戦の応援に行こうと決めていた。

1年前はそういう気持ちにはなれなかった。

卓球は個人スポーツ。まあ自分の子が頑張ってくれれば他の子はどうでも関係ない。団体戦もどうせ次男が出られないから関係ないと思っていたし団体戦にも全く関心がなかった。

ところがこの1年で「卓球部」に対する思い入れがかなり変わった。卓球だけで集まったいわゆる「強い部活」なのに、次男が話してくれる様々なエピソードによると卓球部の面々が実にユニークで面白く、楽しくて仲の良い仲間達なのだ。もちろん次男が試合に出られれば嬉しいけれども、次男と一緒にやってきたGU高の優しい仲間たちを応援したい。次男も「応援に来てよ!」と言っている。「Hの仲間を応援に行こう!」そう決めた。

2時間かけて会場に着き、学校別に掲示されている写真を4枚買う。出場校別の写真(ベンチ入り7名)の記念写真とベンチで応援している写真を2枚。試合には出ていないので闘っている写真はないのがちょっと寂しい。さて試合は予選リーグで4勝0敗、予選リーグ1位。この時点で全国選抜入りは決まり。あとは全国大会の「位置決め」を決める予選リーグ1位4校による準決勝と決勝となった。惜しくも準決勝で神奈川県優勝のI高に負けた。次は3位決定戦で、これは同じ千葉県のK高だ。妻に「もうそろそろ帰るか~」と言うと、「せっかく来たから最後まで見ていこうよ」なーんて話をしているウチに顧問のH先生が次男とずっと話し込んでいる。「あれあれ?も、もしや・・・」。3位決定戦が始まると次男がウォーミングアップを始めているではないか!!!

すぐ写真屋に走る。3枚買うことを約束すれば特定の写真を撮ってくれると入り口に書いてあった。もう撮影は終わっているとのことだったが事情を話し、前金(3000円)を払って、次のゲームに次男(ゼッケンがあるので名前を書いて写真屋に渡す)が出れば撮影する。出なければ返金してくれるとの了解をもらって観客席に戻る。
そして次男は4番手として試合に出た。入学して初めての団体戦出場。そして県大会ベスト8のM君に1-3で負けた。でも事ここに至っては勝敗は関係ない。「だからお父さん言ったじゃなーい。帰らなくて良かったね。最後まで見てて良かったねー」と妻は半泣き状態。

お互い全国大会出場が決まっている同県同士の対決。勝っても負けても全国大会の組み合わせにはほとんど関係ない。顧問の先生の頭はすでに来年のインターハイに向いている。出場枠は各県1校だ。なら手の内をすべてさらす必要はない。そういう事情に加え、たまたま会場で私が顧問のM先生(若いコーチ)と会ってしまい挨拶をしていた・・・という事情を考えあわせれば、次男の出場は監督のH先生の「恩情」だったと思う。

それでも出場は出場だ。親としては嬉しいし、プロの写真家に撮影もしてもらえた。「よかったねー山梨まで来て」と帰りはビールで乾杯。考えてみれば子どもができてから初めて二人で駅弁を食べるような小旅行をしたことになる。「今年は最後になって良いことがいくつも重なったね~」なんて話をしながら帰途につく。「心残りは一つだけだったわ」「な、なんだい?」「高橋大輔よ~」。妻はフィギュアスケートの大ファン。全日本の結果で高橋はもう無理とあきらめた。「真央ちゃんもミキちゃんも引退するし、もう私フィギュア見ない」と言っていたのだ。

ところが今朝。

日経新聞に「高橋大輔選ばれる」の記事を眺めていると手洗いに立った妻が居間に立ち寄る。妻はフィギュアはすべて録画に取っているので原則それを見るまでは新聞も見ない。新聞の話題を話しても怒る。でもさすがにこのニュースは大丈夫だろうと思っ

「おい、高橋選ばれたぞ」
「えー、わー、信じられない!!!きゃ~!!!!!」

まだ雄叫びは続いています。

・・・というわけで本日も皆さんにとって素晴らしい1日となりますように!
(あーここまで書くのに30分もかかってしまった。長くてスミマセン)