金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2021-01-01から1年間の記事一覧

「法律は最低の道徳を律するにすぎない」:12月9日に出会った言葉

(1)2年前の今日 「外国語をどこまで勉強するか」と尋ねると、彼は『その国の詩が理解できるまで』と答えた。(交遊抄 歌人の行動力 藤代祥之=ローツェ社長 2019年12月6日付日本経済新聞)*引用文、答えた友人は歌人(光森裕樹さん)なのだから・・・と…

もはや生活の一部(2021年12月9日)

習慣にも2種類あるみたいです。「今日はお休みだ~!!!」と思うと、「しなくてよいので清々する」ものと、「しないと気持ち悪い」ものと。 今朝の翻訳ストレッチ:6:20~7:00の計40分「春秋・天声人語」『英文解釈教室』『英文標準問題精講』(英文解釈)…

「過去訳を参照?」

他の方の翻訳を拝見していて「過去訳を参照しました」という申し送り事項をみることがあるが、過去訳に対する評価をしないでただなぞるのは無責任だと思う。

「<作家>になりたいのか。それとも書きたいのか。前者なら止めた方がいい」:12月8日に出会った言葉

(1)昨年の今日あれもできないな、これも、これもできないなって思ってるってことは、それだけ何か別なことができるようになったから。(ヨシタケシンスケ著『思わず考えちゃう』(新潮社)p125)www.amazon.co.jp (2)3年前の今日「自分に問うてほしい…

used toとwould に関するメモ(翻訳ストレッチの教材から)

(例文) We used to work on mathematics together. He was incredibly quick, and would be half-way through solving a problem before I understood the question. (意味)わたしたちは二人で数学をいっしょに勉強したものだった。彼は信じられない程解…

「ポーカーを始めて30分が過ぎても誰がカモか分からなければ、あなたがカモだ」:出会った言葉(2年前~5年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(132)

(1)2年前の今日「ポーカーを始めて30分が過ぎても誰がカモか分からなければ、あなたがカモだ」。 ― ポーカー界の格言(「隣のインベスター:一攫千金『ユニコーン』の夢―『誰がカモか』本日付日本経済新聞より)*未公開株投資のリスクをきちんと見極めて…

「「相手の話を聞かない」「言い負かせばいい」という態度はただ悲しい」:出会った言葉(2年前~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(131)

(1)2年前の今日『流行語大賞』 間に合わなかった ―― 桜を見る会(「かたえくぼ」 2019年12月5日付朝日新聞「オピニオン」面より)*流行語大賞が発表になった時、「あれ?」と思ったが本日の「かたえくぼ」を見てクスリ。文化・文芸欄で読んだ「桜を見る…

「イギリス下院では、…もしその法案が自分と直接の利害をもっている場合は、そのことを冒頭で宣言しなければならない」:12月4日に出会った言葉

(1)2019年12月4日「なまじネット社会になったことで、表面的な情報はみんなが共有しているけれど、肝心の情報は意外とつかめていないんですよね。……ひそかに自分で考えているアイデアなんて、絶対に出さないですよね。もし出すとしたら、夜の席でワインを…

『翻訳力錬成テキストブック』を読了

柴田耕太郎著『決定版 翻訳力錬成テキストブック: 英文を一点の曇りなく読み解く』(日外アソシエーツ)読了した。 2017年6月(23日)から。4~5日に1回。1回当たり10~20分かけて、4年半かかった。この本を最初から最後まで全部やりきった人はそうそういな…

「大学は、既知のことを教えるのではなく未知のことに気づかせる場」:出会った言葉(昨年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(129)

(1)昨年の今日学問を志す者は自らの仮説への反例の出現を歓迎する。それによって真理により近い視点に立てるからだ。 鶴見俊輔『思い出袋』より(鷲田清一「折々のことば」本日付朝日新聞)*「歓迎する」と言うのは簡単だが、実践には相当の学問的経験と…

「お兄ちゃん」先生:戸惑いと発見(2021年11月30日)

「鈴木さ~ん、中にお入り下さい」。 今日の午前中、行きつけの医師から紹介状を書いてもらって出向いた総合病院(家から徒歩で行けるほど近い)で名前を呼ばれて向き合った初対面の医師の第一印象は、 若い。 ということだった。 しかも「嵐」の二宮君みた…

今さら聞けない(?)COP26の基礎の基礎

ほら、そこで知ったかぶりしてるあなた!イントロダクションとしてどうぞ。 なお、記事中で日経には基本合意の概要が出ていると書きましたが、合意内容の英語を読んだというよりは、誰かからレクチャーを受けた内容と思われる。むしろ記事では紹介しなかった…

Big Brother Doctor: Perplexity and Discovery(November 30, 2021)

This morning, I visited the general hospital nearby, armed with a referral from my usual doctor. Upon arrival, I was called in by a doctor I hadn't met before. My first impression of him was one thing above all: Youthful. He strikingly res…

「1語で落とす」(2013年11月)

どこの業界にでもある話だとは思うんですけど・・・・どんな辞書にでも載っている簡単な単語どの業界でも、一般的にも普通に使われる普通名詞 なのになぜか金融業界では「ある言い方」でしか使われない用語がある。根拠はわからない。きっと誰かが、「そうい…

「まずは自分を応援してください」:出会った言葉(2年前~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(128)

(1)2年前の今日まずは自分を応援してください。他人の応援はその次でいいので。(『動じないで生きる』p77 矢作直樹著、幻冬舎)*まずは自分、という矢作さんの言葉は、自分さえよければいい、ということではなく、周りの人や事にとらわれすぎて自分を消…

「「ほどほど」は限界を知っていないとわからない」:出会った言葉(2年前~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(127)

(1)2年前の今日「ほどほど」は限界を知っていないとわからない。鷲田清一さん(折々のことば 2019年11月28日付朝日新聞)*引用句の後に、「『ぎりぎり』を知らない『ほどほど』はただの萎縮」と続く。自分への戒めとして心にとどめておきたいが、決して…

「懸念すべきリスクは、機械が人間にではなく、人間が機械に順応しなければならないことだ」:出会った言葉(2年前~5年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(126)

(1)2年前の今日懸念すべきリスクは、機械が人間にではなく、人間が機械に順応しなければならないことだ。(ダニエル・コーエン パリ経済学校教授「AI・ロボットの可能性と限界(上) 雇用より機械への服従 懸念」2019年11月27日付日本経済新聞)*新井紀子…

「何でもいい 君と食べれば 星3つ」:出会った言葉(昨年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(125)

(1)昨年の今日何でもいい 君と食べれば 星3つ(『京銀川柳道場 2019年11月26日付日本経済新聞に掲載された京都銀行の広告)*朝一番でお茶を飲みながら日経と朝日をざっと眺めるのですが、今日の日経でパッと目に入って思わずほほえんだ広告。一見すると…

「相手を変えてやろうなどと気負わないこと」:出会った言葉(昨年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(124)

(1)2年前の今日相手を変えてやろうなどと気負わないこと。(『動じないで生きる』p33、矢作直樹著 幻冬舎)*矢作さんの本は3冊目。2回目です。引用文の後に、「人が人を変えることはできません。変わるとしたら、それは自ら得た気づきによります」と。「…

翻訳ストレッチ内訳(2021年11月下旬時点)

1.英文解釈(毎日):計30分 大学受験用参考書を用いている。すべて紙に訳文を書いて模範解答を見て添削。5~10回音読。最近は、復習した翌日に改めて訳を書いて添削するよう努めている(従って進度は遅くなるが構わない)。 (1)毎日10分間取り組むテキ…

「すぐに役に立つことは、すぐに役に立たなくなる」:出会った言葉(昨年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(123)

(1)昨年の今日メンターとは、「仲間として遇してくれて、決して子ども扱いしないという公平な大人だ」と福岡は言う。*「福岡」とは福岡伸一さん、生物学者。(半歩遅れの読書術 生物学者を「メンター」に 坪内稔典 ナチュラリストの喜び感じる 2020年11…

「出版という営為はムダのかたまりだが、そのムダがこの仕事を支えている」:出会った言葉(3年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(122)

(1)昨年の今日① 学問の要諦は批判精神であり「従順ならざる学者」こそが「言論に関する息苦しさ」を克服する主役である。(主役は「従順ならざる学者」―「大機小機」 2020年11月20日付日本経済新聞)② 豊かで平和な社会は異論によって形成される。(「天…

「『あって然るべきものがない』と指摘することは・・・プロにしかできない」:出会った言葉(昨年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(121)

(1)昨年の今日自分がすること、選ぶこと、聞くこと、自分の身に起こること、すべて「宝くじを買っている」と考えればいいのではないだろうか。……今やっていることが、ひょっとしたら何かに化けるかもしれない、何かの役に立つかもしれない。何かと交換が…

AIに奪われやすい分野

20年前の辞書と文例集で仕事が進む翻訳分野ほどAIに奪われやすい(具体的根拠なし。直感です)。

「前例主義が、なぜ、役所の最大の論理と倫理になるのか」:出会った言葉(3年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(120)

(1)3年前の今日 前例主義が、なぜ、役所の最大の論理と倫理になるのか。以前と同じやり方をして望ましい結果にならなければ、責任は「前例」にあるので、「人間」にはない。もし以前と違うことをして失敗すれば、新しいことをした「人間」に責任がかかる…

アメリカ人が英語で描いた日本料理店に置いてある日本酒の bottleをどう訳す?

同業者の方には改めて説明するまでもないことですが。 (A)アメリカ人が生まれて初めて日本料理屋に入って酒を飲み、徳利をLiquor bottleと英語で表現し、それを日本語に訳す場合、 (B)日本料理店にある程度慣れたアメリカ人が日本料理屋に入って酒を飲み…

「嫌な事されたら我慢しないでその場でスグ言え」:出会った言葉(2年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(119)

(1)2年前の今日「嘘は、客観的事実だけでなく、道徳や人権への意識も弱体化させます」。斎藤幸平 大阪市立大学大学院経済学研究科准教授(『未来への大分岐』マルクス・ガブリエル、マイケル・ハート、ポール・メイソン著、斎藤幸平編、集英社新書、p155…

洗濯物

「おとうさ~ん、洗濯物取り込んでくれる~?」「は~い」と片付けながらつい「めんどくせーなー」と言ったら「お父さん、お父さんが面倒くさいことは私も面倒なのよ」と言われてぐうの音も出なかった。

「車を運転しているとその速力を自分の力と勘違いする」:出会った言葉(2年~5年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(118)

(2)2年前の今日「もちろん、トランプはまともじゃないさ。だけどとても頼りになるんだ。無慈悲な男だからこそ、メキシコや中国をやっつけて、アメリカ人を守ってくれるのだ」。トランプ支持者はこんなふうに考えているのだと思います。マルクス・ガブリエ…

翻訳や外国語の学習における「繰り返し」の重要性(2021年11月)

最近、著名な翻訳家や学者による「英語の読み方」、「英語の学び方」に関する本が次々と出版されている。出版社は売れ筋のテーマの本を目先を変えて出版し続けるのが仕事だからそれは否定しない。たとえて言えば、かつての証券会社がさまざまな銘柄を繰り返…