金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

翻訳や外国語の学習における「繰り返し」の重要性(2021年11月)

最近、著名な翻訳家や学者による「英語の読み方」、「英語の学び方」に関する本が次々と出版されている。出版社は売れ筋のテーマの本を目先を変えて出版し続けるのが仕事だからそれは否定しない。たとえて言えば、かつての証券会社がさまざまな銘柄を繰り返し投資家に勧めて短期売買を促していた構図と同じであって、こうした出版物をどう読むかは読書家の「自己責任」なのだろうと思う。ただしたくさん出てくれば玉石混交になる点は注意が必要だ。

ただ不思議なことに、そうした本の中に「繰り返し」の重要性を訴えたものが見当たらない。

「『本書で紹介した勉強法(あるいは読み方)』あるいは『ここで紹介したこういう本』をこういう頻度で、こういうやり方で繰り返せ」

という参考書や読み方本を僕は見たことがない。

僕は、『通訳翻訳ジャーナル 2022年冬号』の原稿の中で自分が(そこで紹介している方法を)長年にわたって続けていることを書いてはいる。だから間接的に繰り返しの重要性を訴えていることを、読者の皆さんには分かってもらえると思う。

でも(音読と手書きの重要性は強調したものの)「繰り返すことが重要だ」とは明示的には書かなかった。僕はそういう問題意識で書いていたはずなのに。

・・・ということに、昨日もらった見本本を眺めながら気がついた。原稿執筆時にはそこまで自分の問題意識を明確に、強く意識していなかったのだ。

問題意識の先鋭化と踏み込みが網一歩足りなかった、と今は反省しています。

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