金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「イギリス下院では、…もしその法案が自分と直接の利害をもっている場合は、そのことを冒頭で宣言しなければならない」:12月4日に出会った言葉

(1)2019年12月4日
「なまじネット社会になったことで、表面的な情報はみんなが共有しているけれど、肝心の情報は意外とつかめていないんですよね。……ひそかに自分で考えているアイデアなんて、絶対に出さないですよね。もし出すとしたら、夜の席でワインを傾けながらでしょう」
(「ノーベル章の裏に確固たる技術と10年先の需要予測 旭化成名誉フェロー 吉野明彰さん」 2019年12月4日付朝日新聞より)
*引用句は、「ネット社会が進み、情報を共有しやすくなっています」という問いに対する答え。吉野さんは直前に「オープンイノベーション」の価値を認めつつ、「形式的な交流ではだめだと思います」とクギを指している。それを踏まえての発言。
つまりポイントは、情報共有化の進みすぎに頼りすぎるな。深い情報は昔も今も、相手を信頼した上での、相手の目を見ながらの直接対話でしか交わされないのだから、という警句を発したのだと解釈しました。

(2)2018年12月4日
イギリス下院では、議員は法案について意見を述べるとき、もしその法案が自分と直接の利害をもっている場合は、そのことを冒頭で宣言しなければならない。たとえば彼が不動産会社の大株主ならば、その利害に関わるような土地法案を討議するときは、このことを明らかにする。
 その事実をかくして、自分の見解を他人に述べるのはフェアではないからだ。日本の国会でも「私は〇〇グループの企業ぐるみ選挙で当選した者であります」というように、この慣例を取り入れたらどうだろう。(1974年7月5日)
(「ノット・クリケット(公明正大ではない)」『深代惇郎天声人語』p91)www.amazon.co.jp

(3)2017年12月4日
信じられない話を聞いてしまった。エレベーターの「開」ボタンを押すと本当に延長するが、「閉」のボタンはただの暇つぶしに飾りとしてついているだけだという話だ。
(木谷有希子の間違う日々 「閉」ボタンを押し続ける  2017年12月4日付朝日新聞33面)
*ホントかね? 

(4)5年前の今日
明日のメシに苦労せず、きれいごとのおしゃべりをして、お互いに立派だ、かっこいい、頭がいいということを見せ合っているのが、過度にポリティカル・コレクトネスを重視する現在の政治家・メディア・知識人の政治エスタブリッシュメントの状況じゃないですか。そんな連中に社会の課題がわかるはずがない(「負けたのは、知識層だ」橋下徹、2016年12月4日付朝日新聞別刷り)

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