金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「なぜ、という問いに答えを与えようとして人は物語をつくる」:出会った言葉(2年前~5年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(126)

(1)2年前の今日
懸念すべきリスクは、機械が人間にではなく、人間が機械に順応しなければならないことだ。
(ダニエル・コーエン パリ経済学校教授「AI・ロボットの可能性と限界(上) 雇用より機械への服従 懸念」2019年11月27日付日本経済新聞
新井紀子さんが東洋経済新報社から出されている最近の2冊を読んでいると、今日紹介した論文にさほど目新しいポイントがあるとは思えなかった。

引用句についても、その例として「われわれは人体の新たな器官になったスマートフォンで検索し、メッセージが来ていないかを常時確認するようになった。これは現代人の悪癖だ。雇用喪失の心配よりも、社会の人文知の保護のほうが急務ではないだろうか」と結んでいるが、人が自分の使っている機械に順応してしまう「悪癖」は今に始まったことではない。

AIの時代においてもっと怖いのは、自分が好むはずだと(←これは元々自分の意思で入力したはず)機械が(←アルゴリズムに従って文字通り正確にもれなく)選んだメッセージばかりを読んでいるうちに、自分がその狭い世界に順応してしまう傾向が強くなることではないか、と思った。 

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(2)3年前の今日
なぜ、という問いに答えを与えようとして人は物語をつくる 柴田元幸
(折々のことば 2018年11月24日付朝日新聞

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(3)4年前の今日
疵(きず)だらけの言葉が今日も交わされて言葉消ゆれど傷のみ残る 橋本喜典
(『第五 折々のうた大岡信 p151)

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(4)5年前の今日
自由主義とは、大多数の人々と考えも感じ方も違う人々がそれでも生きてゆけるように場所を空けておくこと。しかも自分を制限し、犠牲にしてまでもそうすること(2016年11月26日付朝日新聞「折々のことば」)

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