金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

エンピツの力(2021年10月20日)

昨日、本棚を整理していたら『英文解釈教室』が出てきた。著者は「駿台高等予備校 専任講師 伊藤和夫」序文は「駿台高等予備校 英語科主任 鈴木長十」。

昭和52年1月に初版発行。本書は昭和54年1月 第5版だ。

おそらく予備校時代(昭和54年4月~55年3月)に買い求めたものと。結構メモも入っている。

表紙を開けると「2月20までやって折り返す」と鉛筆でのメモ。予備校時代、伊藤さんの授業には出ていたはずだが、予復習を怠けてあまり勉強していなかったので、試験直前になって慌ててこういう本を買って勉強したつもりになっていたのだろう。

そして今日は三省堂『カレッジクラウン英和辞典 第2版』も出てきた(月末にマンション全体の大がかりなリフォームがある関係で整理をしているんです)。

裏表紙を開いた所に「53年3月5日(高2)に買った」と鉛筆書き。「昭和」が省略されているのは、当時はまだ西暦よりも年号の方が日常的な知識だったのだろう。買った時にきっと何年も持ち続けて、いつか思い出すときが来るかも、と考えた自分がいたことをうっすらと覚えています。

昨日今日と、なぜか手書きのメモが入った本をよく見つける。それにしても、ボールペンの文字は消えるけれども(例えば僕の営業日誌の表紙に書いたボールペンの日付は、10年前もののが見えにくくなっている)、今日の辞書も昨日の英文解釈教室も、40数年前の鉛筆書きのメモはクッキリと残っているなあ。これまで40年残ってきたんだから、この先40年、たとえ僕が死んだ後も残っているのではないかな。

40数年前に紙に書いた鉛筆のメモがクッキリ残っている。そこが電子書籍との違いだ。凄いぞエンピツ。偉いぞ紙!!

そういう些細なことに意外と感動しています。