金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「自由はある日突然なくなるものではない。」10月26日に出会った言葉

(1)2020年10月26日  
「オフレコ」は取材者と被取材者の共犯意識が生み出すものだと思う。「オフレコ情報」を共有した人々は、「同じ穴のムジナ」になる。
小田嶋隆選、武田砂鉄編『災間の唄』株式会社サイゾーp24)
*2日前に発売された本から。引用句は東日本大震災直後の復興担当大臣(人種痘)の「オフレコ発言」を批判したツイート。人権侵害や安全保障上など特別な場合を除き、貴社が情報を「抱える」のはナンセンス。百害あって一利なし。引用句の「同じ穴のムジナ」とはそういう意味だ。

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(2)2019年10月26日  
批判を受けたせいで魅力が増すということはないんです。
というのは、才能ある人の魅力というのは、ある種の「無防備さ」と不可分だからです。
一度深く傷つけられると、この「無防備さ」はもう回復しません。……だから、この人にはまだまだ発言されていない才能があると思ったら、……欠点を補正させるよりは、どうやったら「傑作を創る気」になってくれるか、僕はそれを考えます。
内田樹著『そのうちなんとかなるだろう』Kindle No..1885-1891、マガジンハウスより)
* これ、以前にも書いたことあるんですけど、「豚もおだてりゃ木に登る」方式を地で行く上司に仕えたことがあって、その人はこういう言い方をする。「鈴木、お前がこの会社を支えているんだ。お前がいなかったらこのディールは動かないんだ、頼むぞ」。ウソと分かっていても嬉しいものです。
「・・・で、当然お前のことだから、この点については調整済みだよな?」。これは効く!と言われていて実感しましたが、自分が上司になったときはなかなかそれが出来ませんでした。反省とともに思い出した、22日に引用した分の続き。 

(3)2018年10月26日 
自由はある日突然なくなるものではない。それは目立たない形で徐々に蝕まれ、気がついたときにはすべてが失われている 宮沢喜一
(折々のことば 2018年10月24日付朝日新聞 

(4)2017年10月26日 
絶え間なく移ろう自然の動きを知るには、観察者の方が動きを止める必要がある。
福岡伸一の「動的平衡」2017年10月26日付朝日新聞34面)