金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「瓢箪から駒、みたいな」(和英案件)(2016年10月16日)

自業自得と言いますか何と言いますか、金曜日に原稿も見ないで受けてしまった仕事のおかげで朝から晩まで仕事でした。その割に翻訳時間が長くないのは、睡眠時間を7時間にしているのと散歩を必ずいれているため。

実は金曜日には同じソースクライアントからこんな問い合わせもあった。

「鈴木さん、コンプライアンス規程の英訳の仕事・・・お引き受けいただけます?」
「いや、喜んで受けさせていただきますが・・・、ただ・・・」「何よ?」
「・・・僕が訳すわけではなくて・・・」
「どういう意味?」
「僕の本業、英和でしょ?でもお客様から時々頼まれることがあるんです。ま、裏メニューみたいなもんでして・・・」

と一通り話し、

「・・・というような仕組みでやっているので、質には絶対の自信ありますが、『今日の明日』ってわけにゃいかんのですよ」
「実績は?」
「今の英訳担当者との付き合いはもう10年ぐらい。今も某社の70ページ、2カ月の英訳プロジェクトが進んでいます」
「ネイティブの方が訳すと言っても、鈴木さんの責任で受けるのですよね?」
「もちろんです。僕が全責任を持ちます」
「あ~そうですか。で、レートは1文字あたり5円でしたっけ?」
「いえいえ、最低その5倍で・・・」「ひぇ!」
「これだけの人と時間をかけますので・・・。ちなみにレートはネイティブ担当者と完全に折半です。Uさん(お客様)がお尋ねになりそうな質問は全部僕の部分でつぶしますからご心配なく」
「あ~そうなんだ。そうですよね、鈴木さんがあたしの役割をするんですものね。わかりました。どうも!」で電話が切れた。

来ないと思ったね。
そしたら2時間後。

「こっちで検討したんですが、和英も鈴木さんのところでお願いすることになりましたので、契約書を詰めさせてください。その方にも当社宛守秘義務契約に署名いただきますけど、よろしい?」
「いいですよ。でも直接契約しないでね」
「何言ってんのよ。ありえない」
「ありがとうございます!」

ま、こんなこともあるってことで。