金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

セリフが胸に刺さるコメディー:映画「お母さんが一緒」(評価☆☆☆☆)

しっかり者でおそらく母親にそっくりな長女、男と生活にだらしない次女、親と姉二人に大事に育てられたらしい年の離れた三女が、母親と温泉旅行に行った1日を描いた映画(三女と結婚を約束した恋人が後で合流)。

ストーリーは、母親の誕生祝い(それが旅行の目的)をモチーフに三姉妹間で繰り広げられる壮絶な口げんか(と時々のたたき合い)が中心。かなり互いに(おそらく意図的に)傷つけ合うセリフが飛び交うシーンを見ていると、親子間とか兄弟姉妹間では遠慮が働かなくなるので「家族」の織り成す雰囲気や気分は、一定の遠慮や礼儀が効く他人同士よりも振幅がかなり大きくなるのだな、と感じた。この映画を見た人の多くが、姉妹間のバトルを見聞きしながら、「これ自分にも当てはまる」と心に刺さった人も多いのではないかな(どのシーンや台詞が刺さるかは別として)。僕もコメディタッチのストーリーを笑って観ながら、我が身を顧みてすこし心が痛くなりました。傑作だと思います。見たのは昨日午前10時20分の回。新宿ピカデリーで。満席で観客のくすくす笑いも多く「なぜこんなに上映回数が少ない(1日2回ではなかったか)のだろう?」と思った。評価は☆☆☆☆。

4~5年ほど前、週刊新潮のインタビューで俳優の三浦友和さんが「僕たち(夫婦)は喧嘩したことない」と言っていて、読んだ時はうらやましいと感じたが、しかし、それって夫婦間の喜怒哀楽のうちの一つを共有していないってことで、不自然ではないか、とこの映画を観た後で改めて思いました。

 

 

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4~5年前に、週刊新潮のインタビューで三浦友和が「僕たち(夫婦)は喧嘩したことない」と言っていて、読んだ時はうらやましいと感じたが、しかし、それって夫婦間の喜怒哀楽のうちの一つを共有していないってことで、不自然ではないかと思う。やっぱり。