金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2022-01-01から1年間の記事一覧

6年ぶりの取引

某翻訳会社との取引が6年ぶりに復活した。 この6年間、その担当者の方は1~2カ月に1度は案件を僕に打診してきた。 やり取りはいつもこう。メールの時も電話の時もある。「スズキサーン、〇〇ワードで明日(明後日、3日後)どうですか?」(アメリカ人(orカ…

現代劇のように見てしまう「鎌倉殿の13人」

「大泉洋が亡くなって、いよいよ小池栄子と小栗旬の姉弟愛が光ってくるわけだよな~」「比企家は一晩で滅ぼされるらしいわよ」「佐藤二郎さん憎たらしいよな~。『ファぶる』じゃいい味出して可愛いんだが」「うまいから憎たらしいんじゃないの」「やはり、…

「人生の本当の知恵は『どのようにうまく負けるか』というところにある」:出会った言葉:3~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(234)

(1)3年前の今日人生の本当の知恵は「どのようにうまく負けるか」というところにある 村上春樹(「春秋」 7月7日付日経新聞)*『文學界』8月号掲載の村上春樹「ヤクルト・スワローズ詩集」からだそうです。 (2)4年前の今日 個の確立、個人の自立は現代…

「すらすら読める文章のためには、すらすらいかない時間が必要」:出会った言葉:3~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(233)

(1)3年前の今日すらすらと読まれる文章を書くには工夫が要る。言葉の選択だけでなく、文章の流れや構成に気を配らなければならない。すらすら読まれる文章がすらすら書けることはない。すらすら読める文章のためには、すらすらいかない時間が必要だ。(「…

「ドラマより地味にスゴい!!!S社校正部」

昨日11時半に地元のロイヤルホストでS社編集部のKさんとお会いし、初校刷りの修正をお渡しする。チェック期間は3週間。原注も含めると500ページを超えるので、1回目は先週に300ページまで。昨日が残り200ページを直接手渡し、レストランで1ページずつ確認…

「儲けるは欲、儲かるは道 」:出会った言葉:3~5年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(232)

(1)3年前の今日これからは、インターネットでお客さんとつながれるし、つくることも、販売することすらも自分でできるようになる小商いの時代だ。好きなことを長く続けていたら、気づいたら時代の大波が追いついて一気に自分のマーケットをつくれる時代に…

セブンがコーヒーを値上げしたお話

昨日、いつもの通りコーヒーを買いにセブンイレブン「江戸川清新プラザ店」へ。 普段はホットなのだが、昨日はなぜかアイスにしようと思い、冷蔵庫からアイス用カップを取り出し、ヤングマガジンと一緒に購入してカードで払う。「ありがとうございました」と…

「変装してるんですよ、みんな  阿久悠」:出会った言葉:3~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(231)

(1)3年前の今日寛容というものは非常に複雑な性質を備えており、三つの要素に動機づけられる。本性に由来する内因的な動機(私たちはごく自然に相手を思いやる)、外因的な動機(相手のことを考えろと要求する外部からの誘因に従う)、そして自分にも他人…

ビジネスに役立つ経済金融英語 第12回 ”Softish” landing

ビジネス英語教育界をリードするQ-Leap様ホームページでの連載も第12回となりました。途中1回休んでいますが、まがりなりにもほぼ1年続きました。この連載のことを意識して情報に当たり、メモを取りながら過ごす毎日です。 書きながら勉強させてもらっていま…

「人は自分自身について語るとき、それはつねに自慢話である」:出会った言葉:3~5年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(230)

(1)3年前の今日変化のスピードや幅がここまで大きくなってしまうと、それに対して“大真面目に”反応し続けるのには無理がある。これからの時代に本当に必要なのは、むしろ変化にあまりとらわれず、これを「受け流す」力ではないかと思う。…… このあやふや…

「最近、空を見上げましたか?」:出会った言葉:3~5年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(229)

(1)3年前の今日「いいアイデアを思いついたら、まずはほめてくれる人、新しいもの好きな人、ノリのいい人に話せ」(佐宗 邦威 著『直観と論理をつなぐ思考法』p232)*25年ほど前に仕えていたかつての上司が部下を徹底的に「褒めて落とす」タイプ。「鈴木…

お手々つないで

昨日の夕方、散歩道を歩いていたら僕らの前を夫婦が並んでいた。後ろからなのではっきりは分からないが、年齢はどうだろう、僕とあまり変わらないんじゃないかな。 しかもこのご夫婦、しっかりと手をつないでいる。 老夫婦が腕を組んで歩くのは珍しくもない…

「大学は、何かを知っている人が知らない人に教える場ではない。」:6月27日に出会った言葉

(1)2020年6月27日 オンラインでは選びにくいので、書店の書棚は頼もしい。(「半歩遅れの読書術 雑食的に本を読み 思わぬ発見も 小長谷有紀(文化人類学者) フィールドワークに似た感動」2020年6月27日付日本経済新聞)*今週月曜日に丸の内で飲み会があ…

「『負けました』と言って頭を下げられない子は、強くなれません」(谷川浩司さん):6月26日に出会った言葉

(1)2020年6月26日 今までの日本の社会は、心の傷を隠すことを美徳にしてきた。……悲しみや苦しみを表現することははしたないこととされた。まして、傷ついた人に対する「心のケア」を考えることなど思いもよらないことであった。だが、阪神大震災や地下鉄…

散歩中に出会った二組の夫婦

昨日の夕方、散歩道を歩いていたら僕らの前を夫婦が並んでいた。後ろからなのではっきりは分からないが、年齢はどうだろう、僕とあまり変わらないんじゃないかな。しかもこのご夫婦、しっかりと手をつないでいる。 老夫婦が腕を組んで歩くのは珍しくもないが…

Encounter with Two Elderly Couples: A Stroll's Tale (June 26th, 2022)

Yesterday evening, as I was meandering down my usual walking path, I noticed a couple proceeding ahead of me, strolling side by side. Their back figures made it impossible to discern their exact ages, yet I ventured a guess - they might no…

「スマホは出来ても、紙ほどの素晴らしい発明は出て来ないでしょう」:出会った言葉:3~5年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(226)

(1)3年前の今日携帯電話やスマートフォンは持たない。「生活に余裕がなくなる。ぼーっとしているのが一番ぜいたくな時間の過ごし方だと思うんですよ。情報に振り回されたくない」……「スマホは出来ても、紙ほどの素晴らしい発明は出て来ないでしょう。紙の…

「過酷な状況では普段にも増して技術が身を助ける」:6月23日に出会った言葉

(1)2023年6月23日上のレベルの選手ほど、マンネリ的な作業をマンネリで終わらせない意識を持ち合わせている。(中略)明けても暮れても何かに打ち込めるのは強さであり、「それはマンネリかも」というのなら、マンネリは最高の娯楽です。(「サッカー人と…

「『頭』よりも『手』を動かすことに時間をかけた方が、表現の質は高まりやすい」:出会った言葉:3年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(224)

(1)3年前の今日「時間をかければかけるほど、よいものができる」というのは、ある一面では真理かもしれない。しかし、できることなら、「頭」よりも「手」を動かすことに時間をかけた方が、表現の質は高まりやすいと言うことは、ぜひとも覚えておいてほし…

特別ルートなんてなかった(斎須政雄さん):6月21日に出会った言葉:2年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(223)

(1)2020年6月21日 ぼくが見習いでまだ何もできずにいる頃、……「シェフになる人には、ぼくとは別ルートがあって、苦もなく何でもやってのける特別な人なんだろうなぁ」と感じていました。だけど、フランスで出会った最高の人たちは、ふつうの人でした。(…

訳者あとがき

「あ、それから」と打ち合わせの席で僕は言った。 「僕は『訳者あとがき』は書きません」「え」 「僕が仮に英文学の専門家で、専門に研究している分野あるいは作家の翻訳をしたのなら、『訳者あとがき』はありだと思います。いやむしろ入れるべきだと思いま…

「乱世ほど地道なやり方しか通用しなくなる」:出会った/もらった言葉:3年前~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(222)

(1)3年前の今日乱世ほど地道なやり方しか通用しなくなる 新井紀子さん(国立情報学研究所教授)(「AI時代の生き残り術――自ら考える努力 継続を/意味捉える力を磨け」本日付日経新聞)*今日の言葉。記事、地道なやり方とはどういうことか。新井さんのア…

「トイレ毎日ピカピカだよ。あなた真似できる?」:出会った/もらった言葉:4年前~5年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(241)

(1)4年前の今日よく、「取材とは何か」と尋ねられます。「材料を取ること」と言う人がいますが、僕は違和感がありますね。 材料を取るために人に会うのではないのです。人に会うことによって、その触れ合いの中で自分にはないものが形成されたり新しい視…

「20円」(翻訳単価の話ではありません、念のため)(2022年6月13日)

昨晩母から電話あり。 「あんたね、〇〇信金は今夏のキャンペーンやってて、定期の金利が15倍とか20倍になってるわよ。あたし昨日気がついて預け替えたのよ」「あ~そうですか」「5年ぐらい前に、あんたにあそこを紹介してキャンペーン預金したわよね」「あ…

「広辞苑による『日本』の定義が『わが国』?!」:出会った言葉:昨年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(240)

(1)昨年の今日「広辞苑(第四版)で……すぐ次のページに「日本」という単語が出ていて「わが国の国号」と説明してある。わたしは、あれっと思った」(多和田葉子著『言葉と歩く日記』(岩波文庫)pp64-65))*他の辞書を見てみると、「にっぽん ―わが国の呼…

「乗り遅れてしまったら、次のバスが来るまで待てばいいじゃないか」:6月12日に出会った言葉

(1)2020年6月12日 乗り遅れてしまったら、次のバスが来るまで待てばいいじゃないか(斎須政雄著『調理場という戦場 斎須政雄』(朝日出版社)p127)*著者は、若い頃には他人に遅れたら大変だと必死になって努力していたが、「他人とちがうところが自分の…

「オンナは『上書き保存』/オトコは『名前を付けて保存』」:出会った言葉:3~8年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(238)

(1)3年前の今日 De-Sign=概念を壊してつくり直すこと…そもそも「デザイン(design)」という言葉は、ラテン語のdesignare<デーングナーレ>を語源としているが、これは「分離すること、はっきりさせること」を意味する接頭語(de-)と「印・記号」(sign…

「からだはこの世での借り物。 いつか返す日まで、 大切にする」:6月10日に出会った言葉

(1)2019年6月10日 「お子さんが味噌汁をかき回したり池に石を投げたりして波を立てていても、黙って見守ってください。自然の不思議さに夢中になっている時間を大切にしてあげてください」小松栄一郎さん(マックスプランク宇宙物理学研究所所長)(「My …

「早い」ことがよいとは限らない。 「先送り」にした方がよいこともある。:6月6日に出会った言葉

(1)2020年6月6日やり直しを嫌ったら、よい仕事はできない。(三浦綾子「北国日記」『〆切本』(左右社)p248) sayusha.com (2)3年前の今日「……私たちは賢いから数学を使うのではなく、十分に賢くないから使うのである。とはいえ、十分に賢くないと気…

「ファシズムは、誰もが同じ事を同じように語る事態を『さりげなく成立』させる制度」:6月4日に出会った言葉

(1)2020年6月4日 仲間と同じようにコーヒーを飲んで、仲間と同じように「あぁ、苦いなぁ」と感じている。でも、その苦いと感じたことに対して、必ず別なことを考えているのです。コーヒーを媒体にして、別のことを考えている。そういう人がクリエイターな…