金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「乗り遅れてしまったら、次のバスが来るまで待てばいいじゃないか」:6月12日に出会った言葉

(1)2020年6月12日  
乗り遅れてしまったら、次のバスが来るまで待てばいいじゃないか
(斎須政雄著『調理場という戦場 斎須政雄』(朝日出版社)p127)
*著者は、若い頃には他人に遅れたら大変だと必死になって努力していたが、「他人とちがうところが自分のよさかも」と思い始めた頃から仕事が楽しくなった、と。年齢や経験を積んだ結果かもしれません。昨日観た「パラサイト」は、「万引き家族」と似たようなテーマを違う切り口でえぐった映画だなと思いました。見終わった直後は「あ~なんでこんな映画を観てしまったのだろう」と後悔が半分ありましたが、時間がたつにつれてジワジワと良さが効いてきた感じです。
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(2)3年前の今日
どんな職業でもそうだが、研究者の場合にも、個人のふるまいにはその人の倫理観が反映される。個人として守るべき基本的なルールとして、次の二つを挙げたい。第1に、考えを議論するのであって、誰の意見かは問題ではない(けっして個人攻撃をしてはいけない)。第2に、研究室や会議の場で、同業者を前にして反論に窮するようなことを言ってはいけない
(『良き社会のための経済学』p98、ジャン・ティロール著、村井章子訳、日本経済新聞出版社
*欧米にはディベートの文化があるので批判イコール個人攻撃になりにくいと大学の恩師に教わったが、わざわざこういう問題を指摘しなければならないと言うことは、必ずしもそうではないのかも。

(3)4年前の今日
「基本的に、集団の中でいい恰好をしたい、目立ちたい、恥をかきたくない、どちらかといえば成果を独り占めしたいタイプは『ティール組織』には向いていないと思いますね」
(面白法人カヤック代表取締役CEO柳澤 大輔さん)
*昨日のセミナーではあまりにも多くのことを学びましたが、一番心に刺さった言葉はこれ(↑)かな。
さらに、「書籍の中ではレッドからティールに至る方向性を進化ととらえていますが、僕の感覚では、レッド、アンバー、オレンジ、グリーン、ティールとは組織の多様性に過ぎない。それぞれに合う職種や人々がいる」と。例えば「レッド組織は入社は簡単だが合わなければすぐ辞めてもらう(辞めざるをえなくなる)。でもティール組織は、いったん入ったら辞めてほしくないので、入り口でこの会社に合うか、合わないかを相当吟味する」とも。柳澤氏の考えは昨日紹介した『ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー』7月号「アジャイル組織」に掲載されていて「1週間限定公開」でウェブ上で公開されていますのでご関心のある方はどうぞ。私は時間のある時にメモをまとめます。実に刺激的だった~。
(*なお引用文は私にはこう聞こえた、ということです。文章責任は鈴木にあります)。