金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

金融翻訳

大学生向けに産業翻訳の入門編を講じる②(産業翻訳の認知度)

大学生の試験答案を毎日少しずつ採点しながら講評を書いている(これだけで十数時間コースになっております)。 最終問題を授業の感想として100点のうち5点を配したので、皆さん何か書いてくれます。それを読んでいて分かったのは、大学生がいかに産業(実務…

大学生向けに産業翻訳の入門編を講じる

上智大学文学部のTranslation Theoryという科目の非常勤講師の一員として半年間で講師6名×12回のうちの2回を担当した。担当は「産業翻訳イントロダクション」。6月10日と17日の2回、100分授業×2回(私以外は文芸または字幕翻訳)。同校が産業翻訳者を講師に…

「経済金融・証券会計訳語辞典」

「経済金融・証券会計訳語辞典」。名詞は使えないものが増えている。ただしこれはしようがない。ただし形容詞副詞等の修飾語(訳語)は十分に使える。これも当然かな。あくまでも現場感覚です。

「ビジネスに役立つ経済金融英語」第2回

ビジネスマン向け英語教育で定評のあるQ-Leap様のホームページ「ビジネスに役立つ経済金融英語」の2回目の連載が掲載された(毎月1度)。こちらの経営者、ビジネスマンの皆さん向けに、「ちょっと聞いたことのある経済用語」についてのやや軽め、というか「…

飜訳会社への応募条件②―TOEIC900点、そんなに大変か?

一昨日の書き込み(このブログに書いたものとほぼ同じ内容)の後、私は次のやや刺激的な投稿をお友だち限りで書いた。 ①「私は英検1級持っていますが、トライアルに全然受からないんです」という話は聞いたことがない(ちなみに僕は英検1級を取って独立した…

【第7回】チャーリーの金融英語「ブラック・スワン」(2)Unknown unknownsをめぐる余話

日本会議通訳者協会様に寄稿した原稿がアップされました。7回目となります。 前回の第6回「ブラックスワン」の時に、ここまで書くつもりだったのですが長くなり過ぎそうになったので分けることにした次第。 だったら1月に出せよ・・・すぐに書こうと思ったの…

飜訳会社への応募条件

以前から思っていた素朴な疑問がある。 翻訳会社はなぜ、応募書類の一つとして公的な英語の試験(英検や国連英検、TOEIC、TOEFL)の合格証やスコアの提出を求めないのだろう?語学関連の仕事でしょ?必要条件じゃないの? 上の疑問を昨日自分のフェイスブッ…

誰でも学び続けることはできる。

学ぶ方法に正解はないが、学ぶ姿勢にはあるような気がする。 それは、愚直に継続しろということではないかな。 誰でも1日だけならできることを365日続ける-「続けている生活習慣」ランキング - 金融翻訳者の日記

頼まれる側にはコストがかかる(2021年4月)

「これちょっとお願い」「これ調べてもらえます?」「お客様からの質問に答えて!」「またフィードバックが来ました。対応して!!」「最後にここだけ!」と軽く頼んだ側(飜訳会社=多くは給与生活者)は、頼まれた側(翻訳者=多くはフリーランス)に追加…

「暗号資産」の表記など

昨日のモーサテを見ていて、「暗号資産」(encryption currency、encryption asset、virtual currencyなど、通訳の世界ではcryptoで通ることも多いそう)は注釈なしで定着したという印象を受けた。日経新聞はまだ初出「暗号資産(仮想通貨)」その後「暗号資…

翻訳テクニックを学ぶ前にやるべきことがある―『新版 産業翻訳パーフェクトガイド』

「専門知識の効率的な学び方」について執筆させていただきました。 「英検一級orTOEIC 900点とアナリスト試験一次レベルが出発点」ということ。確か、5年ほど前にも同じテーマでほぼ同内容のことを書いたなと思い、原稿がほぼできてから編集部に電話して相談…

日経電子版の検索機能

金融/経済翻訳の場合 ①日経電子版の検索機能を使うと訳語の「適切さ」とともに「新しさ」(世の中でのなじみ方)を確認できる。 ②テレ東の「モーニングサテライト」でも同じ事が言える。書き言葉と話し言葉の違いはあるけれども、ある言葉がどの程度一般サ…

翻訳者の本棚

「え~鈴木さん、今度『翻訳者の本棚』という企画で一度取材を・・・」 「え?本棚4本しかありませんよ。先日リフォームに伴って1000冊ぐらい減らしたんで」 「そこはご心配なく、先日取材させていただいた方も、『断捨離』直後だと固持されたのですが、そこ…

去年の今日(3月18日)に世の中を見ていて思っていたこと、予測できたこと、できなかったこと

Facebookの「思い出」機能で出てきた昨年の今日に投稿した短い投稿4つ。 ①普段はマンスリーの仕事が中心なので「モーサテ」はランチタイムに録画で見るし、スマホは原則として毎日19時~翌朝7時ぐらいまで見ないのだが、ここ1カ月ほどは朝起きるとまずスマホ…

「同化翻訳」と「異化翻訳」

この2週間で同じ方の翻訳論を紹介した文章を二つ目にしたので引用します。 ①『浮き世の画家』のオノや『日の名残り』のスティーブンス、『わたしを話さないで』のキャシーは皆、「あなた(たち)」という聞き手に語りかけている。しかし、……邦訳では削除され…

千里の道も一歩から(「金融翻訳者とは?」:2013年の記事原稿)

以下は、2013年の年末に某翻訳者向け雑誌に書いた金融翻訳者を紹介する記事。ただしこれは僕が出版社に提出した原稿で、その後編集されたはずです(残念だが手元に雑誌が残っていない)。8年経っているという点を割り引いてお読みいただければ、まだ参考にな…

フリーランスになるってことはさ・・・②

宴会の時に存じ上げない顔を見かけたら、同業者同士の懇親会でも名刺を渡して挨拶をする。こういう癖をつけておくと、本番(見知らぬ人たちの集まるパーティーでの営業活動)でも抵抗感が減る。 こういう方針にしているので、昨年初めまでは、同業者の飲み会…

フリーランスになるってことはさ・・・(2019年2月)

「今度の懇親会には、知り合いがほとんどいないのでどうしましょう。私は人見知りなんです」 2年ほど前、ある業界関係者が主催するパーティへの出席を尻込みするAさんに僕はこう答えたね。 「『やったー!営業のチャーンス!!!名刺をたくさん用意して全部…

ユーザー(読み手)目線をつい忘れてしまう日英翻訳の実例

以下は一昨日から昨日にかけて、私とあるお客様との間になされたやりとりを若干修正したものである。とりわけ、成果物を受け取ったお客様がその英文を評価できにくい和文英訳の実務翻訳上、極めて重要なポイントを含んでいると思うので読者の皆様にご紹介し…

「誤訳」と「悪訳」

「『誤訳』とは、原文についての(語句・構文・文法・内容などの面における)解釈が間違っていて、それが原因で生まれる訳文。『悪訳』とは、解釈そのものは正しく行われていても、訳文を通して原文の内容の正しい理解に到達することが困難なもの、としてお…

「日経平均、30年6カ月ぶりの高値」とは

「株価 終値でも3万円超え」 「いわゆる「バブル景気」のさなかの1990年8月以来、30年6か月ぶりの高値です」とのことだが、一応手元の資料を見てみると、1990年8月というのは、89年12月に3万8000円超えの史上最高値をつけた後、リバウンドを伴いながら下げ局…

ドラギさんと言えば・・・

13日にイタリアでドラギ首相が誕生した。マリオ・ドラギ氏は、昨年まで欧州中央銀行(ECB)の前議長を務めていた方。そこで、ドラギ氏が在任中の有名な発言について、日本会議通訳者協会に寄稿したものを紹介します。 www.japan-interpreters.org

翻訳教室、翻訳講座、翻訳学校

翻訳教室、翻訳講座、翻訳学校に限っては明らかなことが一つある。それは、あなたがそれを受講しても通っても、あなたの実力、収入、紹介、就職は何も保証されない、ということだ。これは断言できる。 だから、その講座に申し込もうと思っているあなた、「自…

チームで翻訳/校正というプロジェクトから学んだこと

A、B、C, Dさんの翻訳を僕が校閲し、Eさんの翻訳をBさんが、そしてFさんの翻訳をCさんが校閲し、最後にA~Fの校閲済み翻訳の最終チェックを僕がやる、というチーム制の翻訳プロジェクトがスタートして4年目に入った。 分野は金融。A~Fさんともかなりの経験…

新型コロナ危機は「ブラック・スワン」か?

新型コロナウイルス勃発後ほぼ1年ということで、会議通訳者協会向けに「ブラック・スワン」に関する考察をまとめました。 「COVID-19はブラック・スワンではなかった」というのが専門家の常識のようです。何らかのご参考になれば幸いです。 www.japan-inter…

「当社のホームページを英訳して下さい」:ホームページ翻訳(和文英訳)から見えてくるもの③)(2020年11月)

「当社のホームページを英訳して下さい」 と依頼してくるお客様に抜けがちな視点が二つある。 ①英訳する英文のほとんどは「翻訳」としてではなく、英米人の読者向けの会社のメッセージだという点。したがって、内容によっては「英文の元となる日本語」の修正…

ホームページ翻訳(和文英訳)から見えてくるもの②:誰のための英文?

現在、某サービス会社(A社)のホームページ/パンフレット/取扱説明書/利用規約等の和文英訳をほぼ全面的に請け負っている(最初にコンタクトいただいてから2年ほどになる)。 今、サービスの利用規約の英文をチェックしているのだが、それでつくづく思う…

実務翻訳(産業翻訳)サービスのあり得べき姿(2020年11月)

実務翻訳って、翻訳を切り口にお客様の文書全般に適切なアドバイスを提供するサービスだとつくづく思う。そのことを自覚している翻訳者はいったいどれだけいるだろうか。

「オンライン授業で講師をやって気がついたこと」

「2020通訳翻訳フォーラム」で講師をやらせてもらって気がついたことを記録のために書いておく。それは、「オンライン授業の場合、講師側には生徒の代表としてのモデレーターが必要ではないか」ということだ。 私は時たま何か話をしてくれと頼まれると①資料…

金融翻訳者にとっての日経電子版

今、昨日のNY市場関連レポート(昨日急落して、ナスダック総合指数は「調整局面」入りした)の翻訳をしながらつくづく思うのは、やはり日経電子版は、金融市場周りの翻訳者には必須ということだ(僕は別に日経の回し者ではありません)。 検索、特に期間を…