金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2020-01-01から1年間の記事一覧

『受験英語と日本人 ――入試問題と参考書からみる英語学習』【7日間ブックカバーチャレンジ】(番外編)

(以下は、フェイスブックで7日間行った【7日間ブックカバーチャレンジ】の番外編である)。 江利川 春雄著『受験英語と日本人 ――入試問題と参考書からみる英語学習』(研究社) *普通に買えます。 本編では一般の人にもお勧めできる本をご紹介しましたが、…

かかりつけ医に助けられる

妻のかかりつけ医(1カ月に1度、診療と処方をお願いしている)がコロナウイルスに感染して入院していたことが本日判明した。そこで彼女は僕のかかりつけ医に行って事情を話し、漢方薬の処方箋を書いてもらった。以前にもお願いしたことがあった(妻の医師が以…

散歩のコースを変える:ほしい物が手に入りにくかった頃(2)(2020年4月13日)

「お父さん、これからはあんまり薬局に行かなくていいわよ。というかあんまり行かないでほしいの」 ランチタイムに「昨日の成果」について自慢たらたら話している僕に相方は言った。「え、そうなの?ついでだぜ」 「お父さんの気持ちは嬉しいのよ。でもね、…

散歩のコースを変える:ほしい物が手に入りにくかった頃(1)(2020年4月13日)

昨日から、散歩のコースを意識的に変えることにしました。 我が家から(直線距離)1キロ以内にある比較的大きな薬局5軒(マルエツの2階、マツモトキヨシ、クスリの福太郎、あけぼの薬局と地元の薬局)を回ってマスクやアルコール除菌ティッシュ等の在庫を…

足りているもの、いないもの(2020年5月)

地域により差があるかもしれませんが、我が家の対コロナ商品の状況は以下の通り。 1.足りているもの①マスク:十分にある(毎日取り替えて問題ない:値段もかなり安くなってきた。ほぼいつでも買える⇔アベノマスクは怖くて使えないので、一番奥に仕舞ってあ…

翻訳ができないのは、日本語力よりも英語力の問題(2020年4月8日)

「この英語の意味は分かっているのだが単に自分の日本語能力が足りないから訳が間違っていたのだ」 と思っていたことの多くが 「そもそも英語が読めていなかった(誤読していた)のだ」 ということに気づく。 『英文解釈考』『思考訓練の英文解釈』『英文解…

悪いことはできぬ

昨日は朝食抜き。 本日も朝食抜きかと思われたが10時30分に納品したのでそれから朝食を取り、食後の散歩に出たのである。 「散歩の時にはマルエツに寄って!」という相方の指令を忠実に守り(いつのも朝食後ならまだ開店前)、とはいえ目標はマルエツではな…

「国語」って何?

出会った言葉:……少なくとも小、中学の教育の場では、英国では英語、フランスではフランス語として母語が学習されるのと同じように、「国語」ではなく「日本語」として学ぶ方がいいと思っています。(ロバート・キャンベルさん(国文学研究資料館長)「『日…

コロナ「前」と「後」で変わったこと

「コロナウイルス騒動の前と今で、お父さんほど生活パターンが変わっていない人も珍しいんじゃない?」 「確かに、ちょっと買い物の回数が増えた以外は、起きる時間も寝る時間も仕事も休憩も何も変わってないな。でも俺の同業者は皆似たようなものだろう」 …

「『スラック』から考える失業率 (その3)」―働いていない人々をすべて含めて考える:リッチモンド連銀のHornstein-Kudlyak-Lange非雇用指数NEI

日本会議通訳者協会のマイク関根さん(先日『通訳というおしごと』(https://www.amazon.co.jp/dp/4757433972/ref=tmm_hrd_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=)を出されました)にそそのかされて(?)昨年春から、本業(金融翻訳)で出会いそうな、でも深く…

俺たちに移すな(子どもたちに伝えたこと)

「いいか、ここで誤解のないようにはっきり言っておく。 君たち(長男、次男)はもう大人だ。君たちが感染するかしないかは君たちの自己責任で対処してくれ。俺と母さんは君たちの心配はするが面倒は見られない。 そして何より俺たちに移すな。俺たちは若く…

2020年3月25日の映画館(記憶と記録のために)

昨日「109シネマズ木場」で映画を見たときの、映画館そのものに関する感想を(見たのは15時25分からの「三島由紀夫対全共闘」)。 1.チケットの予約の段階で、左右と前後が空いた席しか席が提供されていなかった。これが安心材料の一つになった。 2.劇場…

『英文解釈教室』、『思考訓練の場としての英文解釈(1)』、『英文解釈考』

実は、やさしいと思われている「働き」中心の単語こそ重要でむずかしいのであり、意味を中心とする単語をそれらが一定の約束に従って縫い合わせるところに文章の不動の意味が生まれるのである。(伊藤和夫著『英文解釈教室』「第3章that節」p36) 『英文解釈…

デマに惑わされないための一方法

「お父さん、これからあたしたちにできるベストの新型コロナウイルス対策わかったわよ」とその人は言った。「なんですか?」「インターネットを一切見ないこと」「なぬ!」「新しい情報を得るメリットよりも、信頼できない新しいデマで不安になるデメリット…

良い本がつくれれば売れなくても満足かー出版翻訳者のジレンマ

出会った言葉:私は売るために本を作っていない。一人でも多くの人に読んで欲しいという思いでつくっています。1万部よりも100万部の方が価値が高いという倒錯した価値観は間違っていると思います。(「時空を超えて言論を育む 藤原書店社主 藤原良雄さん(71…

心配する側、される側

「おかあさ~ん、今月末に予定されていたU先生(1945年生)の勉強会延期になりました。ほら、U先生もうお年だし」 「それはよかったじゃない」 「まあ、俺たちだけだったら大丈夫だったんだけど、先生はお年だからな~。コロナで心配だろ」 「お父さん・・・…

『新訂・英文解釈考』を学び始めて

「そうした語学的「予測(anticipation)」能力と感性的「受信(reception)」能力を育てるという二つの目標の踏み石となりたい本書の中の文章はできるだけ濃(こく)のあるものにしようと、平凡なことを平凡にしか言っていないものは気前よく捨てた」(佐々…

さすが防災リュック(実に下らない話です)(2020年3月12日)

昨晩、夕食時に相方が突然言い出した。「お父さん、防災リュックにマスクが入っているかも!」「どうして・・・?」「今日、Iさん(サークル仲間)から『ウチ、防災バッグ探したら出てきたのよ』って言われたの」・・・と言うと納戸に行き、一枚の紙を持って…

日本語メディアへの不信感(2020年3月)とDeepL(今日)

出会った言葉:Long story short: the best thing you can do to keep yourself from catching the virus is to wash your hands regularly and aovid touching your face. (要するに、新型コロナウイルスに感染しない最善の方法は、頻繁に手洗いをし、顔に…

いわゆる「写経」(原文と訳文の手書きでの書き写し)について(3)(最終回)

(10)音読について 実は音読はもう10年以上続けていて、その内容についてブログ(長続きする自己啓発「翻訳ストレッチ」ー毎朝、仕事前に、手広く、コツコツとー(『翻訳事典2018-2019』から))に書きましたので、ここでは書き写しとの違いについて感じて…

いわゆる「写経」(原文と訳文の手書きでの書き写し)について(2)

(5)毎回、最低でも1文(原文と訳文)の書き写しが終わるまでは止めない「翻訳ストレッチ」では一つの活動を5分単位にしていますので、この書き写しも5分で一区切りなのですが、実際には文章が長くて、全部書き写し終わらないうちに(場合によっては、原文…

いわゆる「写経」(原文と訳文の手書きでの書き写し)について(1)(2020年3月)

FacebookとTwitterに「書き写しは短期的な効果、音読は長期的な効果がある」と呟いたところ、「具体的にどういうことですか?」というご質問をいただきましたので、翻訳ストレッチとの絡みで、原文と訳文の手書きでの書き写しについて書かせていただきます。…

下訳について②

「下訳使うなんて信じられない」 (柴田元幸著『僕は翻訳についてこう考えています 柴田元幸の意見100』アルク社、p130) これは結構有名な発言で、その後に「何で他人に自分に代わって遊んでもらわなきゃいけないのか」と続く。村上春樹さんも同じだと。こ…

音読と書き写し(2020年2月)

この1年、 ①原書と訳書の音読と②原書と訳書の書き写しを併行して(毎日5分ずつ)実感したこと。 ①は長期的に効果あり。ただし②の方が即効性が高い。 (後記)現在は、②は10分にしています。5分だと、原文を写すだけ、訳文を写すだけのどちらかで時間が来てし…

ネイティブ翻訳者の簡易(?)判定法(2020年2月)

翻訳でも通訳でも、仕事の要件としてよく「ネイティブスピーカー」とか「母語が英語(日本語)であること」とか言うけど、むしろ「卒業した中学と高校がいずれも現地校であること」とした方が適材が集まりやすいのではないだろうか? tbest.hatenablog.com t…

ロックダウン2カ月前の家族旅行(の準備風景)(2020年2月9日)

「お父さん、ナップザックになんで『ポケット版人生ゲーム』が入ってるの?」「ああ、それか、今度の旅行に持って行こうと思ってね」 先日妻以外の親子3人で飲んだ折、前回の台風の夜に家族でやった人生ゲームがあまりに面白かったので、旅行の時にまたやり…

中小企業の本音(?)

以下は、某零細企業の経理担当取締役が、私にだけこっそり教えてくれた「プロの本音」である。くれぐれも他言無用に願いたい。 「あたしもアベさん個人的に大嫌いだけど、経理担当としたら何となく頼りになるなあ」 「どうしてよ」 「だって、お目こぼしして…

プロの本音(2020年2月)

以下は、某零細企業の経理担当取締役が、私にだけこっそり教えてくれた「プロの本音」である。くれぐれも他言無用に願いたい。 「あたしもアベさん個人的に大嫌いだけど、経理担当としたら何となく頼りになるなあ」 「どうしてよ」 「お目こぼししてくれそう…

翻訳者だからわかること(2020年1月)

出会った言葉:手分けして訳したと思われるが、心血を注いだに違いない彼(ら)の個人名を、表紙に書いてほしかった。(「読むも良し、引くも良し ― 『英文詳説世界史』書評 ロバート キャンベル」2020年1月18日日付朝日新聞読書欄) *本日の言葉: 評者は…

「仕事においてこそ好き嫌いがものを言う」(翻訳者への向き、不向きを見分ける3つの基準)(2020年1月)

(以下引用)「普通の人」にとって、センスは継続的な錬磨の賜物である。余人を持って代えがたいほどそのことに優れているのは、それに向かって絶え間なく努力を投入し、試行錯誤を重ねてきたからに他ならない。当然にして当たり前の話だ。(『室内生活 スロ…