金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「仕事においてこそ好き嫌いがものを言う」(翻訳者への向き、不向きを見分ける3つの基準)(2020年1月)

(以下引用)
「普通の人」にとって、センスは継続的な錬磨の賜物である。余人を持って代えがたいほどそのことに優れているのは、それに向かって絶え間なく努力を投入し、試行錯誤を重ねてきたからに他ならない。当然にして当たり前の話だ。
(『室内生活 スローで過剰な読書論』楠木健著(晶文社)p122)

*「しかし、これは元も子もない話である」と筆者は続ける。努力を継続するために必要なのはインセンティブだ。ただしインセンティブ自体は長くつづかない。そこでインセンティブを保ち続けることが大切になる。そしてそのためには「努力の娯楽化」しかないと。だからこそ「仕事においてこそ好き嫌いがものを言う」(p121)と主張するのだ。好きなことを仕事にしてしまったが故に(かな?)僕はこのご意見に全面的に賛成する。

「翻訳者としてやっていけるでしょうか?」というご質問をたま~に受けると、「①1年中、(やむを得ない浮き世の義理を除いて)翻訳第1優先の生活を送れるか、②1年たった後に『あ~楽しかった』と言えるか?」の①と②がクリアできればとりあえず喰っていけるのではないか、とお答えしている。

①だけなら根性でなんとかなるが、②は「自分がこの仕事を本当に好きか」を試す主観的なテストで、こっちの方が大事ではないかと考えている。いやもう一つ。③家族から「もう止めてくれ~」と泣きつかれるまで翻訳を続けられるか?ってのもありかも(?)(←他ならぬ僕)。

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