出会った言葉:
手分けして訳したと思われるが、心血を注いだに違いない彼(ら)の個人名を、表紙に書いてほしかった。
(「読むも良し、引くも良し ― 『英文詳説世界史』書評 ロバート キャンベル」2020年1月18日日付朝日新聞読書欄)
*本日の言葉: 評者は『井上陽水英訳詩集』の翻訳者。ご自分が訳者なのでこういう所に目が届くのだろう。書籍って長いので、ずーっと同じものを訳していると、いつの間にか「心血を注ぐ」心境になってくる。訳している書籍と一心同体のような気分になってくる。そこが実務翻訳の感覚とちょっと違うかも(実務翻訳が真剣ではない、と意味ではなく)。
訳者はあくまで裏方であって表紙に名前が載るのはいかがなものか、という主張はあっても不思議ではない。それはわかった上で、こういう文章を読むと感謝感激してしまうのだ。