金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

散歩のコースを変える:ほしい物が手に入りにくかった頃(2)(2020年4月13日)

「お父さん、これからはあんまり薬局に行かなくていいわよ。というかあんまり行かないでほしいの」

ランチタイムに「昨日の成果」について自慢たらたら話している僕に相方は言った。「え、そうなの?ついでだぜ」

「お父さんの気持ちは嬉しいのよ。でもね、考えて欲しいの。
普段のお父さんってあたしたち家族と話すかお医者さんに行くか、時たまあたしに頼まれて買い物する以外は、基本隔離されているようなものよね」

「ま、そうかも・・・時たま飲みに行くけどね」

「そう。お父さんってそもそも他人との接触が極端に少ない人だったのね。・・・・ということはよ、お父さんが毎日2~3件の薬局に立ち寄ったら『人との接触』が『8割減る』どころか、かえって増えちゃうってことじゃない」

「あ~そうかなー。でも買わない限り話はしないよ-」

「でも、すれ違ったり、製品に触ったりするでしょ?」「それくらいするかもね」

「それが『他人との接触が増える』ってことなの。お父さんの場合は」「そうかなあ」

「特にお父さんの場合は、『こう』と決めたらとことんやりそうじゃない。毎日、毎日いろいろなコースをめぐって探し出してきそうじゃない。でもね、今はそれがかえって危険かもしれないのよ。あたしそれが怖いの。心配なのよ」

「『接触を8割減らす』って、全体じゃないのよ。あたしたち一人一人が自分の生活の中で、自分の接触度合いを8割減らすってことだと思うの」「でも俺はそもそも少ないんだから無理だろ」

「そう、現実的には無理ね。でも増やさないことはできるでしょ」「そうかー」

「・・・だから、お父さんの、その気持は嬉しいんだけど、お陰様で我が家には必要なものは一通りそろっているし、それを必要としている人たちもたくさんいらっしゃるんだから、ほんの時たま、何日かに一回立ち寄ってくれればいいわ」「そうか~」

・・・ということになりましたとさ。