実は、やさしいと思われている「働き」中心の単語こそ重要でむずかしいのであり、意味を中心とする単語をそれらが一定の約束に従って縫い合わせるところに文章の不動の意味が生まれるのである。
(伊藤和夫著『英文解釈教室』「第3章that節」p36)
『英文解釈教室』を改めて勉強して思うのは、各章の初めに伊藤さんが書かれている解説文が重要だ、ということ。これはその例。ただしこの解説と基本文(3.4.1などで表記される単文)がわかりやすい割には、①例題(3.4例題(1)などで表記されているある程度まとまった文章)の難易度が高い、②解説+基本文で示されているパターンとの連関がわかりにくい、しかも③その例題そのものが少ないという難点がある。
その点、『思考訓練の場としての英文解釈(1)』の解説はやや大ざっぱな括りながら、これでもか、これでもかと同じような型の、比較的短い英文が相当数出てくる。しかもその一つ一つが結構難しい。構造が難しいだけではなくて内容が結構濃い。これだけの英文をよく集めたなという感じがする。『英文解釈考』にも同じ傾向(解説というか分類は大ざっぱで、例文が多い)がある。