金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

日本語メディアへの不信感(2020年3月)とDeepL(今日)

出会った言葉:
Long story short: the best thing you can do to keep yourself from catching the virus is to wash your hands regularly and aovid touching your face. (要するに、新型コロナウイルスに感染しない最善の方法は、頻繁に手洗いをし、顔に触らないようにすることだ。)
(”As coronavirus spreads, so do questions” The Brief Opener, Time magazine, March18/23, p10)

本日の言葉:「手をよく洗え、顔を触るな」というのは先日の池上彰さんの番組でもやっていた。ちなみに人間で、1日に平均600回顔を触るそうです。「手で顔を触らない」のは意識するだけでかなり実行できると番組に出演していた専門家も言っていました。

それよりも今日のTimeの記事を見て思ったのは、「ああ、池上さんの番組で言っていたことは本当だったのだ」ホッとしたということ、そうして、そう思う自分を振り返って、もっと深刻な思いにとらわれた。つまり僕は、池上さんの番組でさえ疑ってかかっていたという事実だ。もっと言えば、日本語媒体への不信感だ。

僕の学生の頃は、当時の東欧圏の人々は西欧で発行された新聞雑誌テレビラジオから自国に関する正確な情報を得ようとしていた。「かわいそうだな~」と思ったものだ。しかし大変残念なことに、今や日本政府が発表する数字や事実や方針への信頼度がどんどん落ちてきている(何しろトップが嘘つきで身びいきがヒドイのだからこれはやむを得ないかも。立憲民主党の辻元さんではないが「鯛は頭から腐る」のだから)。日本のメディアもどこまで信用していいのかわからなくなってきた。つまり今の日本は昭和時代のソ連や中国にどんどん近づいているのではないかと思わざるを得ない。しかも今はインターネットの時代でフェイクニュースが世の中を飛び交っている時代なのだ(つい昨日もトランプ陣営がバイデン氏の動画を変造していたという記事が出ていた)。

だとするならば、自衛手段はただ一つ。今後はTime誌のような、英語で書かれ、事実確認を何度もされた一流の新聞雑誌の記事を、「紙」で読むようにしないとまずいのではないだろうか。

(後記)2年前の本日に書いた記事ですが、この2年間で機械翻訳が驚くほど進歩を遂げ、今や無料のDeepLを使えば各国の新聞記事の内容を「ほぼほぼ」正しく理解できる時代だ(正確に読むには各国語の知識が必要なので鵜呑みにはしない方がよいですが)。外国メディアからの情報を日本語で取れる時代になったのです(2022年3月10日記)