「これちょっとお願い」「これ調べてもらえます?」「お客様からの質問に答えて!」「またフィードバックが来ました。対応して!!」「最後にここだけ!」と軽く頼んだ側(飜訳会社=多くは給与生活者)は、頼まれた側(翻訳者=多くはフリーランス)に追加的なコストが発生するという意識が希薄になりがちだ。
もちろん翻訳者としては、自分の仕事に責任があるので、そういう要望になるべく応えようとする。またそうすべきだ。しかし頼んだ側は、そこに追加的な時間的・作業的コストがかかっていることをどこまでわかっているのだろう?
翻訳業者の段階で顧客の要望を咀嚼し、対応できるものもあるはずなのだ。そこを単に「担当者●●さんだから頼んでおこう」と気軽に依頼してはいないか?
「これを(また)翻訳者に依頼することがどれだけの負荷をかけるのか」を考えると考えないとでは、翻訳業者と翻訳者の長期的な関係が大きく変わってくると思う。
お願いする方はノーコスト。お願いされる方は一定の負担。そのギャップを埋めるのは「金」だけではなく、頼み方かも、誠意かも、他の何かかもしれない。気をつけないと、普段のやりとりに出るぞ。