金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

金融翻訳

実務翻訳(産業翻訳)サービスのあり得べき姿(2020年11月)

実務翻訳って、翻訳を切り口にお客様の文書全般に適切なアドバイスを提供するサービスだとつくづく思う。そのことを自覚している翻訳者はいったいどれだけいるだろうか。

「オンライン授業で講師をやって気がついたこと」

「2020通訳翻訳フォーラム」で講師をやらせてもらって気がついたことを記録のために書いておく。それは、「オンライン授業の場合、講師側には生徒の代表としてのモデレーターが必要ではないか」ということだ。 私は時たま何か話をしてくれと頼まれると①資料…

金融翻訳者にとっての日経電子版

今、昨日のNY市場関連レポート(昨日急落して、ナスダック総合指数は「調整局面」入りした)の翻訳をしながらつくづく思うのは、やはり日経電子版は、金融市場周りの翻訳者には必須ということだ(僕は別に日経の回し者ではありません)。 検索、特に期間を…

ここまでの「チャーリーの金融英語」(第1回~5回まで)(2020年9月)

日本会議通訳者協会からご依頼を受けてこれまでに書いた連載内容は以下の通りです。 【第1回】チャーリーの金融英語「MMT(Modern Monetary Theory)をどう訳す?」(2019年5月15日)https://www.japan-interpreters.org/news/suzuki-finance1/【第2回】チャ…

「日本通訳翻訳フォーラム2020」ー「コロナショックと金融翻訳」について

8月30日(日)に「日本通訳翻訳フォーラム2020」の講師を務めさせていただきました タイトル:「コロナショックと金融翻訳」 【セミナー概要】はじめに 「コロナショック」を定量的に見る「コロナショック」を定性的に見る「コロナショック」の報道を追う 20…

「失われた30年」

今日ですら、多くの人々は過去30年(まもなく35年か40年になろうとしている)の「惨めな時代」がいずれは悪夢のように終わり、そして物事は以前のような状態に戻ると信じている。(『21世紀の資本』トマ・ピケティ著、山形浩生他訳(みすず書房)p102) 引…

「『スラック』から考える失業率 (その3)」―働いていない人々をすべて含めて考える:リッチモンド連銀のHornstein-Kudlyak-Lange非雇用指数NEI

日本会議通訳者協会のマイク関根さん(先日『通訳というおしごと』(https://www.amazon.co.jp/dp/4757433972/ref=tmm_hrd_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=)を出されました)にそそのかされて(?)昨年春から、本業(金融翻訳)で出会いそうな、でも深く…

下訳について②

「下訳使うなんて信じられない」 (柴田元幸著『僕は翻訳についてこう考えています 柴田元幸の意見100』アルク社、p130) これは結構有名な発言で、その後に「何で他人に自分に代わって遊んでもらわなきゃいけないのか」と続く。村上春樹さんも同じだと。こ…

悪い英語ホームページの見分け方(2019年11月)

Google検索で "Reiwa"、"Heisei" ”top message"と打って出てくる会社は、英語版ホームページの意味がわかっていないと断言できます」とある経営者向け勉強会で話したらバカ受けした。 社長さんが「平成から令和という新しい時代を迎え」と言うのはいい。それ…

翻訳業務もティール組織化できそう

僕はあくまでもフリーランス翻訳者で、ティール組織の語る「組織のあり方」が自分の業務に直接関わることはないだろうと思っていたのだが、今回Teal Journey Campusに参加して、一見「個人作業」に見える翻訳業務(ここでは一応実務翻訳を念頭に置いている)…

MMT(Modern Monetary Theory)をどう訳す?(再掲)

日本会議通訳者協会の関根マイクさんから「金融翻訳に関する記事を何か連載してくれません?」との要請を受けて2年。「時間ができたら是非!」と言いつつずっと引き延ばしていたら、律儀な関根さんは半年に一度ぐらいずつ、「兄貴ぃ(僕の方が年上)、そろそ…

MMT(Modern Monetary Theory)をどう訳す?

日本会議通訳者協会の関根マイクさんから「金融翻訳に関する記事を何か連載してくれません?」との要請を受けて2年。「時間ができたら是非!」と言いつつずっと引き延ばしていたら、律儀な関根さんは半年に一度ぐらいずつ、「兄貴(僕の方が年上)、そろそろ…

『金融英語の基礎と応用』の目次のアイデアは確かに降臨した

出会った言葉: 「着想は長い夜に差し込む一条の光にすぎないが、この光こそがすべてである」ボアンカレ(『良き社会のための経済学』p87) 「メッセージを見つけるには、『考え抜く』しかない。すると、ある時啓示がある」(『超文章法』野口悠紀雄著p31)…

緊張 vs リラックス(2018年12月)

実務翻訳は色々な意味で、まずは「緊張」の要素が強いのだけれど、書籍翻訳は、緊張よりも「リラックス」が先にないとうまくいかない気がする。

『英語原典で読む経済学史』(2018年11月)

根井 雅弘 著『英語原典で読む経済学史』(白水社)は面白い。 ①現代経済思想史の専門家が書いている。②大学受験英語で得たはずの知識や考え方を生かせないかという問題意識が根底にある。③訳す時の基本は、英米人の頭の中の流れに沿って、なるべく日本語と…

翻訳の添削業(?)ー複数の翻訳者によるマンスリー・プロジェクトの現場から(2018年6月)

「鈴木さん、翻訳の添削やったら?」と、ある方からアドバイスされた。 毎月某社レポートの校閲(まとめ役)を担当している。 複数の翻訳者の方の誤訳やら訳抜け、数字間違い等を随時直していく(優秀な方々なのであまりありません)のだが、普通の校正とち…

飜訳会社の延長線上にソースクライアントはいない(2021年4月)

昨日電話で話したある翻訳志望者の方は「翻訳会社とのつながりを広げ、深めていくとその先にソースクライアントがある」という誤解をされていたがそれはあり得ない。ソースクライアントは、自分で開拓、つまり営業活動をしないとという話をした。 飜訳会社を…

文芸翻訳の難しさ

今この瞬間に僕が訳している経済(市場)レポートについて、僕は歴史的背景も世界情勢もちゃんと分かって、その中の一部としてこの文章も表現も捉えられている。 したがって文章を読めばそこで言いたいことをほぼ正確に分かるし、かつ表現の機微も読みとった…

いわゆる「チェッカー」をやって気がついたこと(2018年1月)

A、B、C, Dさんの翻訳を僕が校閲し、Eさんの翻訳をBさんが、そしてFさんの翻訳をCさんが校閲し、最後にA~Fの校閲済み翻訳の最終チェックを僕がやる、というちょっとあまりない経験をした(僕は翻訳をしていない)。 分野は金融。A~Fさんともかなりの経験を…

原文を聞いて訳文をチェックする(2018年1月)

先日ある翻訳者の方とメールでやりとりしていて、僕が音声を使って翻訳チェックをしているのを勘違いされて「私も鈴木さんにならって日本語を聞いてチェックしている」と書かれていたので誤解に気がついた。 僕は、英語(つまり原文)の音声を聞いて日本語の…

時差ボケ(?)(2017年12月)

今朝気分がいいから髭剃りを当てながら「時をかける少女」の主題歌を鼻歌で歌ってたら、「ウルサい!今何時だと思ってんの!!まだ4時半よ!!!」と怒鳴られ我に返った自分(恥) (後記)今は起きるのが1時間ぐらい遅くなりました。(2021年12月27日)

仮想通貨に関するメモ(2017年11月)

最近、ビットコインに代表される仮想通貨についての新聞報道等がやかましくなってきました。 現段階では・・・ 供給が統制されておらず、とりわけ種類が無尽蔵に増えているので需要が引っ込むと必ず暴落する、という話は良く出ています。つまり仮想通貨は今…

訳文から見える違和感(2017年11月)

最近、必要があって同じ原文(マクロ経済の関するレポート)に対するいくつかの訳文を読む機会があった。審査というと偉そうだが、ちょっと見てくれません?と頼まれたわけです。 原文は読めている・・・と言っても私が普段訳している英文の地の部分はTOEIC…

FX取引に対する僕の考え

拾った言葉:「パチンコ、パチスロは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう」本日の新聞折り込みに入っていたパチスロ店の広告に書いてあった警告文。 これを見てつくづく思ったのは、FX取引に関する広告になぜもっと厳しい制約を課さないのだろ…

翻訳の見直し

たった今、『アメリア』の2017年2月号、特集「翻訳スピードは上げられるのか?」をザッと読んだところ。 見直しをどう(効率よく?)しているのか?についてのコメントがなかったのは残念だった。アンケートはそういう趣旨ではなかったのかな? もちろん、1…

作業時間の目安(2016年12月)

マンスリーレポートの一部を納品し終わったところ。 目覚ましは5時だったんですが、先ほど書いたように今朝は3時半起き。朝食30分と朝のルーティーンを除くとずっと翻訳に係りきりで10分前に納品。お客様との約束は10時だったから、3時30分起きが結果オーラ…

頼られると思うからこそ頑張れる(2016年10月)

某P社から昨日きたスケジュール確認メール「Aレポートに関しては、11月12日土曜日中に英語原稿が仕上がる予定です。予定では30ページほど担当して頂くことになると思います。一日A4で3ページ程度の感覚で、最終的には11月23日までに完了を目指しております。…

「瓢箪から駒、みたいな」(和英案件)(2016年10月16日)

自業自得と言いますか何と言いますか、金曜日に原稿も見ないで受けてしまった仕事のおかげで朝から晩まで仕事でした。その割に翻訳時間が長くないのは、睡眠時間を7時間にしているのと散歩を必ずいれているため。 実は金曜日には同じソースクライアントから…

パッチワーク翻訳の罪(2016年10月)

L社は担当者のP氏がヘッドハンティングでD社に移り、後任のS氏になってから、部分訳の割合が増えた。マンスリーレポートなので前月と同じ表現の箇所が3~4割。場合によっては8割の箇所もある。P氏の時にはそういう変更とは関係なく、「全部訳してください」…

フリーランス金融翻訳者としてお互いに頑張っていくために!(日本翻訳者協会 セミナー案内)

概要:病気になって勤めていた会社を辞め、「せっかく休むのだから、翻訳者になってみよう!」と思って歩み始めた実務翻訳者の道。無我夢中で走り続けて、気がついたら14年たっていました。 私なぞまだまだ修行中の身です。英語力も、日本語力もお恥ずかしい…