金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

翻訳ストレッチの教材から

『新訂・英文解釈考』を学び始めて②(翻訳ストレッチの教材から)

“Humility is very rare” said Spinoza; and as Cicero said, even the philosophers who write books in it praise take care to put their names on the title page. [意味]「謙譲は稀なり」とスピノザは言った。そしてキケロの言うとおり、謙虚を讃えた本…

『新訂・英文解釈考』を学び始めて

「そうした語学的「予測(anticipation)」能力と感性的「受信(reception)」能力を育てるという二つの目標の踏み石となりたい本書の中の文章はできるだけ濃(こく)のあるものにしようと、平凡なことを平凡にしか言っていないものは気前よく捨てた」(佐々…

TOEIC対策本は専門家の書いたものに限る(2019年11月)

『TOEIC L&R TEST 990点突破ガイド 英文法・語彙編』1回目終了。上級者向けのパート5の本としてはベストだと思います。ただし、TOEIC800点台前半までの人がやっても時間の無駄なので要注意。このレベルの人には『TOEIC L&Rテスト 文法問題でる1000問』(TEX…

『斎藤秀三郎伝ーその生涯と業績』:自分の所有物なのに公共物みたいな感じ(2019年11月)

『斎藤秀三郎伝ーその生涯と業績』(大村喜吉著、吾妻書房)に線を引けない。 恐らく30年以上本棚に眠っていて誰も読むことのなかった本だからなのか、毎朝と寝床で5分ぐらいずつ音読している本書に線を引く勇気が出ない。 これはもう僕のものなのだけど。何…

マスコミの記者の皆さんに対する違和感(2019年10月10日)

現在、翻訳ストレッチの日本語音読用教材として①『メディアが動かすアメリカ』(渡辺将人著、ちくま新書)、②『政治部不信』(南彰著、朝日新書)、③『長期政権のあと』(佐藤優、山口二郎著、祥伝社新書)を読んでいる。①は次回勉強会のテキスト。②は勉強会…

「一に給料、二に配偶者、三、四がなくて五に資産」>翻訳ストレッチの教材から

おはようございます。 出会った言葉: 翻訳というのはとても根気のいる仕事だ。時間も手間もかかる。集中力も必要だ。そして特殊な場合を除いて、それほど多くの収入が見込めるわけでもない。あくまで裏方の手仕事なので、脚光を浴びるような機会も希だ。言…

『英語原典で読む経済学史』(2018年11月)

根井 雅弘 著『英語原典で読む経済学史』(白水社)は面白い。 ①現代経済思想史の専門家が書いている。②大学受験英語で得たはずの知識や考え方を生かせないかという問題意識が根底にある。③訳す時の基本は、英米人の頭の中の流れに沿って、なるべく日本語と…

著者が手を抜いていない参考書(2018年10月)

参考書(広義に言えば勉強法本?)の善し悪しの評価に観点はいろいろあると思うが、全部やりきると明確に分かる(断言できる)ことが一つある。それは、「筆者(または編集者)が手抜きしているかどうか」だ。 「筆者または編集者が手を抜いた本」は悪口にな…

「聞き流すだけ」では英語力は伸びない(同じビデオを600回観て聴いての結論)(2017年11月)

おはようございます。 [昨日の自分]起床:4時30分体重:72.2kg、体脂肪率21%、BMI:24.1ピーク:体重は77.2kg(3/6/16)脂肪量は19.9kg(12/7/14)間食:チョコ2枚。運動:11,666 歩翻訳ストレッチ:「春秋・天声人語」『世紀の空売り』『第五 折々のうた』…

逆茂木型の文 ー翻訳ストレッチの教材から(2016年10月)

(以下引用:ただし、適当に間引いています)5.2 文の構造 ― 逆茂木型の文最初に次の例文をご覧いただきたい。「・・・直流電気抵抗の消失をはじめとする特異な性質を示す超伝導状態は、いろいろな運動量をもって勝手な運動をしている伝導電子が、ある臨界温…

『DUO 3.0』の教材作り(2014年10月13日)

昨日『DUO 3.0』の教材作りを終了した。『DUO 3.0』は英語教材として昔から評価もし注目もしていて、自分の勉強に使えないかと思っていた。次男が高校に入った時に(卓球で入ったのである程度覚悟はしていたが)学校の授業通りにのんびりやっていたら大学受…

「日の名残り」(翻訳ストレッチの教材から)

昨日昼は、元の勤め先の上司Uさんと会食(要するにごちそうしてもらったわけです)。この方に前回お会いしたのは2年前。その間に発行された2冊の本を持っていく。20年前に私が課長だった時に取締役で今は引退されている。体育会系が圧倒的多数だった某社の…

カメラを対象に向けるのが辞書引きで、焦点を絞るのが翻訳(かも)

今朝の翻訳ストレッチ(原文訳文書き写し)から (原文)To assess the issue empirically, we looked for measures of risk in those markets to see if they correlated with the spread.One good measure of risk is the difference between interest rat…

「犯人の気持ち」- 今日の翻訳ストレッチから(2013年11月)

今日は本来原文と訳文の音読だけで使っている『脱線FRB』のある1段落の原文を写し、訳書の訳文をそのまま写すという作業をした。 一昨日この箇所を音読しているときに、自分が英語を読んで出てくる時の日本語の並びと違ったので、書いたら何か参考になるので…

4年かかって1冊読了(2013年11月)

今朝の翻訳ストレッチから『脱線FRB』の2回目に入る。 当初は他の本とのローテーションで4~5日~1週間に1度、1年ほど前からメインのテキストにしたので、(それでも)2~4日に1度、5分と時間を決めて適当な長さ(たいていは1段落)原文と訳文を音読してきた…

32年間の定期購読終了:Newsweek誌(紙版)とのお別れ(2012年12月)

昨日Newsweekのデジタル変更に基づく登録変更を行う。 大学に入学した1980年からTimeとNewsweekを購読し始めこれまで32年間ずっと定期購読、というよりも金を払い続けてきた。引っ越してもきちんと手続きをしてどこに済んでいても途切れることはなかった。 …

『父の詫び状』3回目を読み終えて(2012年10月)

今日の「翻訳ストレッチ」で『父の詫び状』(向田邦子)を読み終えた。 多分3回目だと思うが、その「あとがき」を読んでいて彼女は3年にわたったこの連載エッセイの少なくとも最初の方は、左手で書いていたことを思いだした。 雑誌のエッセイなのでタイトル…

「していて楽しいから続ける」(翻訳ストレッチ)

おはようございます。昨日『さゆり』とMemoirs of a geishaが届く。 半日考えた末、翻訳ストレッチの朝1発目(色々やっているのだがこの2年は『日の名残り』が朝一番の音読だった)は『さゆり』と『日の名残り』を1日交替で音読することにする 『さゆり』が…