金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

『斎藤秀三郎伝ーその生涯と業績』:自分の所有物なのに公共物みたいな感じ(2019年11月)

斎藤秀三郎伝ーその生涯と業績』(大村喜吉著、吾妻書房)に線を引けない。

恐らく30年以上本棚に眠っていて誰も読むことのなかった本だからなのか、毎朝と寝床で5分ぐらいずつ音読している本書に線を引く勇気が出ない。

これはもう僕のものなのだけど。何をしてもいいはずなんだけど。

図書館でも滅多に手に入らず、15年前には少なくとも江戸川区立図書館にはなかったので、都立図書館までコピーしに行った(さっき見たら今も江戸川区立図書館にはない)、あの本を手に入れたのだ、と思うとどうしても。8000円したから、ではないと思う(たぶん)。

僕はこの本をずっと取っておくつもりだが、いつか、この本が処分されたときに、ほかの人に綺麗なままで読んで欲しいと思うからかな。

僕の次に、誰かに読まれることを待っているみたいな。

自分の所有物なのに公共物みたいな感じ。

こういう経験は初めてだ。