金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「ビジネスに役立つ経済金融英語」第2回

ビジネスマン向け英語教育で定評のあるQ-Leap様のホームページ「ビジネスに役立つ経済金融英語」の2回目の連載が掲載された(毎月1度)。こちらの経営者、ビジネスマンの皆さん向けに、「ちょっと聞いたことのある経済用語」についてのやや軽め、というか「…

どちらも「悪夢」なれど・・・

東日本大震災時の民主党政権と、今の(安倍ー菅)自民党政権の比較はこんな感じ。 共通点:①集団としては無能で政府として機能できていない。②官僚を使いこなし切れていない。 相違点:③民主党は、起きた事柄にみっともない対応をしながらも、少なくとも誠実…

出会った言葉(昨年~6年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)⑩

(1)昨年の今日「欲望に対する速度が遅いこと」。これが「品格」という言葉の最上の定義だ(楠木健著『室内生活 スローで過剰な読書論』晶文社p287)*品位とか品格って、自分の欲望をそのまま表に出さないことだと思っていたので、楠木さんの文章を読んで…

講師が「神」でない教室の魅力②(2021年7月12日)

柴田元幸著『翻訳教室』(新書館)を読んでいて実感するのは、柴田先生が教室にいる学生たちと対等の立場で意見の交換をしている様子がわかること。これはなかなかできるようでできないのではないか。 授業とか講義って「何でも知っている講師が何も知らない…

翻訳ストレッチ用音読(日本語)教材について(2021年7月)

先ほど本棚にある「翻訳ストレッチ」用音読教材を数えたら28冊あった。元々は読みたいと思っていた本を順番に読んでいるといつまでたっても読めない(積ん読になってしまう)ので本棚に加えてきた結果だ(これ以外に寝床で読む本が3~5冊ぐらいある)。 毎…

出会った言葉(昨年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)⑨

(1)昨年の今日「平成」を特徴付けてきたのはある種の崩壊感覚である。……(本書は)「平成時代」は存在したが、それは天皇の存在という理由によって一時代を成すのではないという立場をとる。「平成」をひとまとまりの「時代」とすることができるのは、そ…

対比概念を意識する(翻訳ストレッチ教材『例解 和文英訳教本』からの学び)

本日の翻訳ストレッチからもうひとつ。和文英訳の教材から。 (以下引用)課題文 (1)我々は病気になってはじめて健康のありがたみを知る。(2)我々は言葉が使えるという点で動物とは違う。(引用ここまで。ただし(2)は鈴木が若干変更している)。(…

昭和時代の日本語で英語のニュアンスを学ぶ『英文解釈考』(翻訳ストレッチの教材から)

本日の翻訳ストレッチから。 (以下引用) The more you do for him, the less he will do for himself. 意味:やってやればやるほど、かえって懐手(ふところで)をきめこむ男だ。(引用ここまで)(佐々木高政著『新訂 英文解釈考』(金子書房)p71) どう…

出会った言葉(昨年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)⑧

(1)昨年の今日誠実な生き方というのは、他人の思惑など顧みることなく、ひたすら孤独のうちで磨かれるもの。だがそれがかならずや他人の心に響く。(鷲田清一「折々のことば」2020年7月8日付朝日新聞) 折々のことば:1869 鷲田清一:朝日新聞デジタ…

書店に本を注文しに行って結局アマゾンで買った顛末

我が家の本の御用達、ヴィレッジヴァンガード西葛西店。 まあ、我が家の、というよりはウチのがこの店の雰囲気をお気に入りで、その割にはあまり混んでないみたいなので「応援したい!」と言って本を買うときはここで注文するようになって1年ぐらいになるの…

someとanyの区別に関するスッキリとわかりやすい、超簡単な解説(翻訳ストレッチの教材から)

(以下引用) 簡単に言ってしまえば、anyは「なんでもいい何か」、someは「なんだか知らない何か」です。(引用ここまで)(別宮貞徳『さらば学校英語 実践翻訳の技術』(ちくま文芸文庫)P272) で、例文は2つ。 ① Is there anything to eat? ② Is there …

TOEICって、とどのつまりは英語版「リーディングスキルテスト」②

僕は日本語(国語)に新井紀子先生が提唱されている「リーディングスキル・テスト」が必要なのと同様に、英語にはTOEICが必要だと思う。TOEICって、文章の鑑賞とか文章を味わうとか教養をつけるためではなく、情報を正確に取るための試験と考えれば面白くな…

A is to B what C is to Dに関する翻訳参考書の解説が非常に素晴らしかった件(翻訳ストレッチの教材から)

Friendship is to people what sunshine is to flowers.(友情の人間に対する関係は日光の花に対する関係と同じである)(綿貫陽、マーク・ピーターセン共著『表現のための実践ロイヤル英文法』(旺文社)P273) と言う文章があり、これは「129 C what を含む…

日本の選挙ではなぜ「本人確認」がないのか?

昨日の都議選に行って痛感したことがある。 日本の選挙ってどうして本人確認をしないのだろう? 昨日は受付担当者の方の目をみたのは最初のアクリル板越しに交わした「こんにちは~」の挨拶の時だけ。彼は投票券を機械に入れて投票用紙が出てくるまで機械の…

立花隆さんの追悼番組を見て思ったこと

NHKの立花隆さん追悼番組2つを見、『週刊文春』立花隆さん追悼特集を読んで、思った事二つ。 (1)あれだけの旺盛な好奇心で、臨死体験の取材と本を執筆し、自分が癌になってから改めて取材、自分の手術の模様まで見た上で「あのテープもらえないかな」と…

時制について(翻訳ストレッチの教材から)

時制について考える興味深い文章に出会った。 (以下引用)目が覚める。しばらくして目覚まし時計が鳴る。ラジオをつける。コーヒーを沸かす。コンピュータを起こす。顔を洗う。そして、わたしは昨日書いた詞を読み返した。と、ここまで書いて気がついた。初…