金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【全文対訳】FOMC政策声明(2025年7月30日発表)-FRBの金利据え置き判断とその背景(2025年7月31日掲載)

(原文)米連邦準備理事会(FRB)ホームページ https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20250730a.htm (対訳) July 30, 2025 Federal Reserve issues FOMC statement For release at 2:00 p.m. EDT(米連邦準備制度理事会(FRB…

「同じ形なのに意味が違う?」高校生でもできる英文構造の見分け方をAIに聞いてみた(2025年7月31日)

プロンプト:高校生が辞書と文法書だけ①と②の意味の違いを見分ける方法を教えてください。文の形はほぼ一緒です ① The words we use can hurt, heal, deflate, encourage, or bring out the worst and the best in us.② The words we use can hurt, heal, de…

「電車が出発する」って英語で何て言う?( 2025年7月27日)

プロンプト: The train will leave in a few minutes. The train will be leaving in a few minutes. The train is leaving in a few minutes. The train is going to leave in a few minutes. の意味の違いを中学三年生にもわかるように説明してください C…

生成AIの“翻訳の揺れ”はなぜ起きるか――Aさんとの対話から(2025年7月28日)

生成AI翻訳では「どのモデルを使うか」に注目が集まりがちだが、実は“同じモデル・同じプロンプトでも、訳文がその時々で変わる”という現象の方が、翻訳実務でははるかに重要かもしれない――。 昨日、ベテラン翻訳者のAさんと僕との間で、生成AI翻訳をめぐる…

生成AIとのやりとりは、囲碁に似ている(2025年7月27日)

生成AIとのやりとり(いわゆる『プロンプト・エンジニアリング』)は、囲碁に似ている。 ルールはシンプルなのに、やればやるほど奥が深い。

機械翻訳の“違和感”はどこから来るのか?(2025年7月21日現在)

(これは、7月19日の「美女と野獣の金融翻訳ナイショ話」セミナー資料23ページ、「生成AI(機械)翻訳の特徴と向き合い方」の「3. 最終的には、自分の読解力以上の訳文はできあがらない」の補足として、当日お話しした内容を再構成したものです。セミナーに…

テキストに書かなかった生成AI「14番目の特徴」――技術と“使い手”が進化のズレを生む時代(2025年7月20日)

昨日のセミナー「美女と野獣の金融翻訳ナイショ話」では、「生成AI(機械)翻訳の特徴と向き合い方」と題し、13項目にまとめて発表した。 実はその直前、午後の練習中にふとメモを書き始めたところ、「これはただの“メモ”では終わらない」と感じ、急遽「14番…

「AIの効率化が奪うもの──翻訳における“考える力”とは」(2025年7月17日)

昨日の朝日新聞と本日(7月17日)の日本経済新聞に、よく似た視点の記事が掲載されていて、興味深く読んだ。 朝日新聞に載っていたのは、「AIを使う誘惑 効率求めるほど浅くなる思考」(コラムニストの眼/デイビッド・ブルックス)。これは、7月3日付『ニュ…

生成AIはなぜ“意味”を読み違えるのか?② ――その構造的欠陥に対する処方箋(プロンプト案)(2025年7月16日)

昨日の記事で明らかにした、生成AI翻訳の構造的欠陥にどう対応すべきか。翻訳者の立場から、ひとつの具体案としてプロンプト例を提示します。ご参考まで。 (プロンプト案)アップロードされた英文および既存の日本語訳を精読し、その文脈を踏まえた上で、以…

生成AIの構造的欠陥(2025年7月15日)

ここに紹介するのは、今朝の私とChatGPTおよびPerplexityとの対話内容である。 簡単に背景説明をしておこう。現在ある論文の翻訳をChatGPTにさせ、それをPerplexityにチェックさせて、随時私が疑問点を入れながら両者の見解(つまり訳文)が一致するまでやり…

「知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?」にぶちのめされる( 2025年7月13日)

NHKが本気出した。生成AIをここまでわかりやすく伝えた番組が、ついに出た。 この番組には、本当にたまげた。 生成AIについて、私のような素人にも非常にわかりやすく説明してくれた番組内容には、心から感動した。 何と言ってもびっくりしたのは、 ① 司会の…

Grokの“ヘイト発言”報道についてGrokに尋ねてみた(2025年7月11日)

プロンプト:君がユダヤ人に対して偏見のある意見を述べていたという報道があったが、事実か?それに対する君の見解を述べよ。「米起業家イーロン・マスク氏が率いる人工知能(AI)の新興企業、米xAI(エックスエーアイ)が手がける対話型AI「Grok(グロック…

「👸美女と🦁野獣の金融翻訳ナイショ話」の裏テーマ(2)(第2回告知)(2025年7月9日)

セミナー開催まで、いよいよ10日となりました。 本日、当日取り上げる7つのテーマのうちの一つ、「生成AI翻訳(機械翻訳)の特徴と向き合い方」について、ひとまず4ページのレジュメを仕上げました(今後、若干の修正が入る可能性はあります)。 今回は、現…

「『相互関税』とその関連用語を読み解く(付録:生成AIによる用語調査と『AIエージェント』『RAG』の活用)」(2025年7月8日)

久々に関税政策が動いた。2025年7月7日、トランプ大統領は「9日に期限切れとなる相互関税の一時停止措置は、延長しない」と表明。日本やEUへの上乗せ関税を、来月1日から再発動すると発表した。具体的には、ベースライン関税10%に加えて15%が上乗せされ、…

生成AIは便利なトゲ抜き器――やや"尖った問題点指摘”メールを、"穏便な親和的文書”に変えてくれた話(2025年7月3日)

相手にこちらの反論と思いをぶつけたメールを書いたものの、念のためChatGPTに校閲させてみた。すると、僕の主張したい点は外さず、それでいて驚くほど丁寧で、相手の立場にしっかり配慮した文章になって返ってきた。 それに少しだけ手を入れて送ったところ…

「生成AIで誰でも高収入」は眉唾――語られない前提と限界(2025年7月2日)

生成AIは、「とてつもない効率化をもたらし、時給何万円、何十万円の仕事を一瞬で生み出す」といった宣伝文句とともに語られることが多い。だが、それは本当に現実を正確に反映しているのだろうか。 現在、私は20世紀初頭の英語論文を生成AIを活用して翻訳し…