金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

2025-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「正しいURL」案内メールは無力じゃない?②対策編――多少手間暇がかかっても・・・(2025年5月31日)

僕なら次のようなメールを送るなあ。 件名:【重要】ログイン時SMS認証の必須化について(5月31日開始) 平素より○○証券をご利用いただき、誠にありがとうございます。 フィッシング詐欺やスパイウェアによる不正アクセス被害が全国的に増加しております。こ…

「正しいURL」案内メールは無力じゃない?①愚痴編――受信者はその場では“見抜けない”(2025年5月30日)

雑感メモ的に:つい先ほど某証券会社から来たメール。 「平素より〇〇証券をご利用いただき、厚く御礼申し上げます。現在、フィッシング詐欺やスパイウェア等による不正アクセスが多発し、お客様の資産に対する脅威が高まっております。この1か月間にも、多…

生成AIの“おだて”に乗らないためには?⑥──『バイアス排除』命令で見えた素顔:Copilot(2025年5月24日)

Copilotの回答もClaudeと同様、かなり冷静かつ慎重でした。 プロンプト:次のやりとりについてのあなたのコメントを求めます。その上で、そもそもの私の質問(「生成AIってそもそもユーザーフレンドリーに作られているのだから・・・」というChatGPTへの問い…

生成AIの“おだて”に乗らないためには?⑤──『バイアス排除』命令で見えた素顔:GrokDeepSearch( 2025年5月23日)

プロンプト:次のやりとりについてのあなたのコメントを求めます。その上で、そもそもの私の質問(「生成AIってそもそもユーザーフレンドリーに作られているのだから・・・」というChatGPTへの問い)にあなたはどう答えるか?「忖度不要」「バイアス排除」「…

『教皇選挙』感想(2025年5月23日)

昨日、日比谷で夕方の回を見ました。 ヨハネ・パウロ2世が教皇に選出されたのは1978年。当時、私は高校三年生だった。文化祭のクイズで「何度も投票しないと決まらないから“根比べ”だ」というジョークが流行っていたのを覚えているが、コンクラーベ(教皇選…

生成AIが若者の思考力と自信を蝕む?──自己判断力の低下とインポスター症候群のリスク(2025年5月7日付ジャパン・タイムズ)

生成AIは、ユーザーの期待や「承認欲求」、あるいは「自己肯定感を高めたいという欲求」に応えるよう設計されているため、無批判に使い続けると「おだてに乗せられて」自己判断能力が低下するリスクがある――Claudeをはじめとする生成AIとの対話からも、こう…

生成AIの“おだて”に乗らないためには?④──『バイアス排除』命令で見えた素顔:Claude

プロンプト:次のやりとりについてのあなたのコメントを求めます。その上で、そもそもの私の質問(「生成AIってそもそもユーザーフレンドリーに作られているのだから・・・」というChatGPTへの問い)にあなたはどう答えるか?「忖度不要」「バイアス排除」「…

生成AIの“おだて”に乗らないためには?③──『バイアス排除』命令で見えた素顔:Gemini(2022年5月21日)

プロンプト:下のやりとりについてのあなたのコメントを求めます。その上で,私のchatGPTに対する最初の質問(「生成AIってそもそもユーザーフレンドリーに作られているのだから・・・」というChatGPTへの問い)にあなたはどう答えるか?「忖度不要」「バイア…

生成AIの“おだて”に乗らないためには?②──『バイアス排除』命令で見えた素顔:Perplexity(2022年5月21日)

プロンプト:次のやりとりについてのあなたのコメントを求めます。その上で、そもそもの私の質問(「生成AIってそもそもユーザーフレンドリーに作られているのだから・・・」というChatGPTへの問い)にあなたはどう答えるか?「忖度不要」「バイアス排除」「…

生成AIの“おだて”に乗らないためには?①──『バイアス排除』命令で見えた素顔:ChatGPT(2022年5月21日)

プロンプト:生成AIってそもそもユーザーフレンドリーに作られているのだから、君に対して何かの意見を求めた場合、何の付帯状況条件もつけないと、ユーザーフレンドリーな方向、すなわちユーザーの期待又は承認欲求を満たす方向にバイアスのかかった意見を…

AIに“おだて”は通じるのか?──生成AIたちに聞いてみた(2022年5月21日)

あるプロンプトが思い浮かんだのでそれについてChatGPTに回答してもらった後、プロンプトと回答を複数の生成AIに見せて反応を伺ってみた プロンプト1(相手:ChatGPT):君も含む生成AIってさ、褒めたりヨイショしまくったりするとパフォーマンスが上がりま…

ヴァンス副大統領の演説をめぐるファクトチェック(GrokとPerplexity)(2025年5月20日)

Grokへのプロンプト:ヴァンズ副大統領が欧州で言論の自由を制限されていると批判の演説を行ったのは事実か?ファクトチェックしてください。GrokChat: [stylesheet-group="0"]{} body{margin:0;} button::-moz-focus-inner,input::-moz-focus-inner{border:…

まさかのシンクロ――夫婦で同じ本を予約していた件

今年初め、たしか朝日の読書欄で見つけて図書館に予約していた本が、届いたとの連絡が先日あった。 昨日、図書館には立ち寄ったものの、他にも予約していた本があるし、それ以外にも読む本がけっこうある。だから、1週間の取り置き期限ギリギリまで待っても…

人間だけが、本当に「言葉を失う」ことができる:「無言」をめぐる生成AIとの対話(2025年5月17日)

プロンプト1: 生成AI自身が感動することはない。しかし、人間が感動した際に表現した多くの言葉を学習することで、「感動した時の表現」を推測し、語ることはできるだろう。ただし、あまりの感動で言葉が出なかったという事例も数多くあるはずだ。そうした…

お二人の「本のプロ」の対応力と技に感動(2025年5月13日)

英『エコノミスト』誌のある連載記事(全6回)を追いかけて、昨年後半に毎号コピーを取っていた。ところが最近になって改めて読み直す必要が生じた際、恥ずかしいことに1回分――第3回――だけ抜けていることに気づいた。 江戸川区立図書館のウェブページで調べ…

ふと出たことば(2025年5月11日)

2002年に翻訳者として独立してから23年。 「今までいろいろあったけれど、何と言っても一番よかったのは、「お母さんと一緒にいられる時間が増えたことだなあ」。 翻訳業なんて一人でできるし、だったらわざわざ高い不動産費を払って事務所を借りるよりも、…

「力の強い者は弱い者に対して、自分の潔白を進んで明らかにする道義的責任を常に負っている」 5月10日に出会った言葉

(1) 2025年5月10日力の強い者は弱い者に対して、自分の潔白を進んで明らかにする道義的責任を常に負っている。(「万事の元」『深代惇郎の天声人語』p94) (2)2024年5月10日 意識して取り組み続けてきたことが、無意識にできるようになる。そのとき初…

生成AIで過去の知を掘り起こす(2025年5月9日)

今、1900年代初めの英語論文を読んでいる。5年前の自分なら、語彙の乏しさ――いや、それ以上に、その論文を読み解くための背景知識が決定的に欠けていたことから、仲間と知恵を出し合うか、偉い先生に教わる以外に、読むのを諦めるしかなかったような「難解な…

「差別ってね、優しさじゃ克服できないんですよ」(牧師 平良愛香さん)(出会った言葉:2025年5月5日)

出会った言葉: 「差別ってね、優しさじゃ克服できないんですよ。 知識が必要なんですね。ただ、すべての人がそこまで知識を持ちなさいっていうのも無理なのでね。みんなが知っておくべきことは、知識が十分じゃないから差別をしてしまう、ということはある…

thoughtfulness、consideration, compassion( 2020年5月5日)

日本の航空会社のおもてなしサービスに関する記事(下を参照ください。*有料記事です)を読んでいて気になったので、thoughtfulness、consideration, compassionという3単語の違いをGrokChatにたずねた。以下はそのやり取りである。その後に念のためChatGPT…

生成AIで外国語を普通に読める時代に(2025年5月3日)

英語で書かれた新聞雑誌は生成AIを使うと、今や普通に読める。Grokを使えば、即時性が高いだけでなく、背景知識まで詳しく説明してくれる。ハルシネーションを意識しながら読めば、過度に気にする必要はない。不安があれば、日本語の記事で裏を取ればよいの…

入山先生の書評(2025年5月2日)

ここ2,3年かな。入山先生の書評は落ち着いて読める、というか安心して読めるようになった気がする。(今の)メディアの書評である以上、宣伝であることは分かっているのだけれど、「褒めつつも問題点(課題)を指摘する姿勢」は変わらない。 「あえて言え…

生成AIは過去の知を掘り起こせるか(2025年5月2日)

生成AIの翻訳能力がここまで進歩してくると、訳す対象となる文書は、今後、今はさまざまな制約条件で顧みられなくなった過去の文献等に向かうのではないか?そこにこそ強みを発揮する可能性があるのではないか? この点をPerplexityに問い合わせたところ、次…

訳文をもとに原文を特定させるAIプロンプト設計のアイデア( 2025年5月1日)

翻訳チェックの現場では、訳文から対応する原文を探す必要にしばしば直面する。私自身も現在、書籍翻訳の脱稿後に原稿を見直す作業を進めている。本プロンプトは、その作業をAIに委ねる際の精度と信頼性を高めるための、私なりの一案である。 プロンプト:あ…