金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

けがの功名(2016年4月)

昨日の朝8時30分。

ソースクライアントSA社からマンスリーレポートの原稿が届くか電話が来る時間なのに来ない。ここからほぼ1週間かなりタイトなスケジュールになるので朝早くから「読み違え」で受けてしまった翻訳会社HA社の仕事をできるだけ進めていた。SA社は先日訪問して8%の単価値上げを受けてくれたところ。ご担当Mさんはまだ変わったばかりなので慣れていないのかな・・・。電話をする。

「おはようございます。あの、マンスリーレポートまだのようですが・・・」
「ああ、鈴木さん、今月は異例ですが、なぜか来週なんですよ。ほら、それでゴールデンウィークのスケジュールお伺いしたじゃないですか」

あ~そうだった。2週間ほど前に「今度のマンスリーはGWにかかりますが鈴木さんのご予定はどうなっていますか?」「関係ありませーん」どこのお客様にも同じ答えをしていたのでおぼえていなかったんだ。

「あ~了解しました。では来週!」

と電話を切って思い浮かんだ言葉は「けがの功名」。2度の読み違い(HA社は来ないと思っていたのが来た。SA社は1週間間違っていた)で一気に形勢逆転である。

つまり、元々はHA社、SA社、本A(訳す方)がこの1週間に集中していたものが、ここから1週間はほぼHA社の仕事と本Aだけに没頭できる。そして来週末からSA社と本B(ゲラチェックの本)に取りかかれる。この仕事の分散はデカい。

ルンルン気分で仕事をしているところに1本の電話。

「Lです。鈴木さんお久しぶりです」「お~!!!おひさしぶりです!!!」。

SA社を2ヶ月前に辞め、ヘッドハンティングで別の金融会社SB社に転職したLさんだ。

「鈴木さん、当社でも是非お願いします。仕事はまだありませんがいつでもお願いできるように守秘義務契約と条件契約だけ結んでおきたいのですが・・・」
「もちろんです」
「それで条件ですが・・・(一瞬緊張)もちろん、先日の鈴木さんからのお申し出の金額で契約させてください」
「あ、ありがとうございます!!」

普通は転職すると環境に慣れたり周りの様子を見たりするのに数ヶ月はかかる。SB社も超大手なのですでにつきあいのある翻訳会社もあるだろう。私に有利な展開になるとしてもそれが実現するのは早くて半年、場合によっては1年ぐらい先になるなと思っていた先から、転職したその月に連絡がくるとは。Lさん、相当高いポジションに三顧の礼で迎えられているのかも。そして「鈴木さんからのお申し出の金額」とはつまり、SA社の20%アップである。あ、ホントにLさん僕を獲りに来てくれたんだ、と思った。

SA社、SB社のレベルになると実は下請けに出せる。3年ぐらい前まで、お客様の了解を取って一人の方に某社のマンスリーレポートの下訳をお願いしていたことがある。その時の条件は投げ前のSA社と同じ。下訳の方にお支払いしていたのはその50%(それでも僕がまだつきあいのある外資系翻訳会社のレートと同じ)だった。もちろんワード単位で全部チェックし、修正記録を残したものを毎回返していた。翻訳会社として規模を拡大する意志は毛頭ないが、SB社の規模、そしてSA社も仕事が増えてくる可能性も考えるとマジで考えてもよいかもしれない。

・・・というわけで、本日も皆さんにとって素晴らしい1日となりますように!!

単価値上げ交渉 - 金融翻訳者の日記