金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

自分の楽曲のなかで使われている「女々しい」という言葉」……10年前にその言葉を選んだことが恥ずかしい。(後藤正文さん):7月31日に出会った言葉

(1)2020年7月31日  
ジェイ・ルービン「翻訳とは科学的なものじゃない。どうしても主観が入る。それが入らないと、人間のやる作業じゃない。……個人の解釈が入らないことには、何も伝わってこないと思います。だからこそ翻訳っていうのは古くなったりもする。言わば『廃り物』」。
柴田元幸著『翻訳教室』(新書館)p145)
*本書が書かれたのは2006年なので講義は2005年ぐらいか。AI翻訳が夢のまた夢だった時代なのですが、村上春樹氏の英訳者であるジョン・ルービンさんのこの言葉は今でもかなり説得力がある。実務翻訳の世界でも。www.amazon.co.jp

(2)2019年7月31日 
自分の楽曲のなかで使われている「女々しい」という言葉に違和感を覚えるようになった…… 
10年前にその言葉を選んだことが恥ずかしい。
 もちろん、誰かを差別するために書いた言葉ではない。
 けれども、差別をする人たちの口実を補完するような言葉だと、今では思う。
(「後藤正文の朝からロック――書き直したくなった歌詞」2019年7月31日付朝日新聞

(3)2018年7月31日 
「被災者のニーズは、家の片付けだと思っていました」。でも、親身に言葉を交わすうちに……「(必要な支援は)人と人とのやりとりのなかで気づくことが重要だと思いました」。留学生は、端正な日本語で語った。
(「春秋」本日付日本経済新聞

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