(1)昨年の今日
だから翻訳っていうのは……さっき翻訳するより自分で書いたほうが早いんじゃないかという言葉があったけど、じつはそれは待ち時間でもあるんです。待っている間に翻訳をして体調を整えておく。(村上春樹さんの発言)
(柴田元幸著『翻訳教室』新書館、p156)
*引用文で「待っている」というのは、村上さんが小説の思いつき(「情景」)を数枚書いて、物語が「動き出す」までの1~2年の間のこと。その間に翻訳をして過ごすそう。そして、その時点で読者として自分がのめり込める作家を訳していくそうです。そこが実務翻訳者と違うのかも。
(2)2年前の今日
あの国が悪い。だから懲らしめる。政府やメディアが敵対心を煽り、その敵対心が戦争の燃料になる。…… そんな振る舞いは完全に過去のものになったと、胸を張って言えるだろうか。
(「天声人語」2019年8月15日付朝日新聞)
*今日の言葉:政府の態度とそれに対する人々の反応が、今やっている「いだてん」の時代と似てきているなあと感じるのは僕だけではないだろう。長いものに巻かれないよう心したい。自分のためというよりも若い世代のために。
(3)3年前の今日
(4)4年前の今日
友人の一人を「親友」とやけにアピールして話すような女の子を見ると、なんかムスムスする。あれはなんだ。
(中略)
ただごくまれに、言葉などに出さなくても繋がっている人たちがいる。あれは脅威だ。あーいいな、と妬まずにはいられないのだから。
(「本谷由希子の間違う日々」2017年8月14日付朝日新聞 21面)