金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

あの国が悪い。だから懲らしめる。8月15日に出会った言葉

(1)2020年8月15日 
だから翻訳っていうのは……さっき翻訳するより自分で書いたほうが早いんじゃないかという言葉があったけど、じつはそれは待ち時間でもあるんです。待っている間に翻訳をして体調を整えておく。(村上春樹さんの発言)
柴田元幸著『翻訳教室』新書館、p156)
*引用文で「待っている」というのは、村上さんが小説の思いつき(「情景」)を数枚書いて、物語が「動き出す」までの1~2年の間のこと。その間に翻訳をして過ごすそう。そして、その時点で読者として自分がのめり込める作家を訳していくそうです。そこが実務翻訳者と違うのかも。

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(2)2019年8月15日 
あの国が悪い。だから懲らしめる。政府やメディアが敵対心を煽り、その敵対心が戦争の燃料になる。…… そんな振る舞いは完全に過去のものになったと、胸を張って言えるだろうか。
(「天声人語」2019年8月15日付朝日新聞
*今日の言葉:政府の態度とそれに対する人々の反応が、今やっている「いだてん」の時代と似てきているなあと感じるのは僕だけではないだろう。長いものに巻かれないよう心したい。自分のためというよりも若い世代のために。

(天声人語)事変おこりて……:朝日新聞デジタル

(3)2018年8月15日
危機が発生したら、一発で処理を終わらせるのが理想だ。嘘をつかず、隠し事はしない。ただし、どうしても調べなければ分からない点があるなら、時間をくださいと頼む。推測を交えた中途半端な説明をしてはならない。徹底的に調べてなるべく早く結果を公表する。
意識しなければならないのはメディアの向こうにいる国民だ。
(安斎隆「不測の事態」私の履歴書 2018年8月14日付日本経済新聞

(4)2017年8月15日
友人の一人を「親友」とやけにアピールして話すような女の子を見ると、なんかムスムスする。あれはなんだ。
(中略)
ただごくまれに、言葉などに出さなくても繋がっている人たちがいる。あれは脅威だ。あーいいな、と妬まずにはいられないのだから。
(「本谷由希子の間違う日々」2017年8月14日付朝日新聞 21面)

友人関係について – 武内清(教育社会学)研究室