(1)2020年2月29日
翻訳を読むのは何か損をした気がしてしまうのだ。
(柴田元幸著『僕は翻訳についてこう考えています 柴田元幸の意見100』アルク社、p156)
本日の言葉:同業者の方には思わず頷いてしまう文章ではないかな。ただ、僕は「将来はどうせ英語が読めるようになるし、他の言語もできるようになっているはずなので」という安易な、というか無鉄砲な理由で高校2年の時に翻訳書を読まないと決めて以来、基本的には翻訳書を読んでおりません(で、結局英語もそれほど読めるようにはならず、英語以外ではドイツ語を少しかじっただけで終わった)。
この仕事についてからは、読書会等での課題図書になるときを除き、勉強で読む以外で翻訳書を読むことはまずない。例外は『さゆり』で、翻訳ストレッチで少しずつ原文と訳文を学んでいたら、内容があまりにも面白くなって結局訳書を読んで終わった(恥)。
そういう意味で僕は、知的な見栄が災いしてこのまま翻訳書の楽しみを知らずに終わるのかもしれない。